メルセデス・ベンツ新型「CLS」に試乗 4ドアクーペのパイオニアはシンプルな造形美

メルセデス・ベンツ新型「CLS」は、7年ぶりのフルモデルチェンジを行いました。ラインやエッジを大幅に減らすことで、メルセデス・ベンツの新しいデザインの表現方法を採用した初めてのモデルです。

クーペスタイルを取り入れている新型「CLS」に早速試乗

 メルセデス・ベンツの「CLS」がフルモデルチェンジを受けて生まれ変わりました。「CLS」は、メルセデス・ベンツのシリーズ中で「4ドアクーペ」というジャンルに属するモデルです。

メルセデス・ベンツ新型「CLS 220 d スポーツ」

 基本的な設計は、メルセデス・ベンツ「Eクラス」と共通だと考えてもいいでしょう。エンジンやそれに組み合わされるトランスミッションなどは「Eクラス」と基本構成は共通です。走りに関する点でも差異はありません。最大の個性は、クーペスタイルを採用していることなのです。

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 初代「CLS」がデビューしたのは2003年フランクフルトモーターショーの時でした。私は幸いにもステージ上でスポットライトを浴びる新型「CLS」誕生の場にいたのですが、4ドアなのにルーフのラインが後端にいくに従ってなだらかに傾斜するクーペスタイルを見て感動した記憶があります。一言で言えば、とてもカッコ良かったのです。

 その「CLS」が市場で認められ人気を博したことから、ライバルメーカーも『4ドアクーペ』というジャンルに参入してきました。それほど衝撃的なモデルだったのです。

 新型はさらに現代的に味付けされた魅力的なクーペスタイルを最大の特徴としています。横から眺めると、「CLS」がいかにスタイリッシュであるかが感じとれると思います。フロントウインドウの付け根であるAピラーからフロントタイヤまでの距離が長いことで、スポーティなロングノーズを形成しているのです。

 もちろんルーフがアーチ状になっており、流れるようなフォルムを形取っていますし、車高も低く感じます。実際に全高は一般的なセダンより大幅に低くなっています。

 新型「CLS」の特徴は、フロントグリルがスラント形状になっており、人が顎を引くような鋭い眼光にされています。

 新型「CLS」のデザイナーはこう証言しています。「キーワードは”官能的純粋”としました。セクシーでありつつも、決して華美な演出は排除しました」

 なるほど、サイドドアやボンネットに、とってつけたような隆起やエッジはありません。シンプルな造形美を目指したのでしょう。

 新型「CLS」はそれでも5名乗車になっています。これまでのリアシートは2名乗車でしたが、3名に増やされています。2名よりも3名の方が便利だという市場のリクエストに答えたのです。

リアコンソソールボックスが無くなり後席は3名乗車可能に

 クーペスタイルですから、室内の頭上空間は決して広くはありません。スタイルを優先しているからですが、それも納得済みです。それが嫌ならば、「Eクラス」を購入すればいいのです。それはメルセデス・ベンツも公言しています。下手な言い訳はいいません。そのスタイルから想像するほど室内空間は狭い感覚ではありませんでした。

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