自動運転中の事故は誰の責任? 完全自動運転の実現までに越えなければならないハードルとは

最近、世界中で「自動運転」によるテストや議論が重ねられています。技術は実現化に向けて進歩していますが、「事故時の責任問題」などルールの整備が最重要課題です。

搭載技術によって自動運転レベルが設定される

 自動車が誕生してから100年以上が過ぎたいま、文字通り「自動」で動くクルマが現実になりつつあります。最近では『自動運転』という名称はテレビから普通に聞くことがあるほど、一般的に使われています。自動車メーカーや、IT企業、ベンチャー企業、大学など、完全自動運転を目指して研究や実証実験が行なわれていますが、実用化にはまだまだ越えなければならないハードルがいくつもあるようです。

2016年5月に開催された伊勢志摩サミットに提供されたトヨタの新型自動運転実験車で走行テストをしている様子

 まず、自動運転とは「レベル1」から「レベル5」までの5段階に分類したものの総称です。それぞれのレベル分けは下記の通りです。

【運転者が一部又は全ての動的運転タスクを実行】

・レベル0(運転自動化なし):運転者が全ての動的運転タスクを実行する。
(安全運転に係る監視、対応主体は運転者)

・レベル1(運転支援):システムが縦方向または横方向のいずれかの車両運動制御のサブタスクを限定領域において実行する。(安全運転に係る監視、対応主体は運転者)

・レベル2(部分運転自動化):システムが縦方向及び横方向両方の車両運動制御のサブタスクを限定領域において実行する。(安全運転に係る監視、対応主体は運転者)

【自動運転システムが(作動時は)全ての動的運転タスクを実行】

・レベル3(条件付運転自動化):システムが全ての動的運転タスクを限定領域において実行。作動継続が困難な場合は、システムの介入要求等に適切に応答する。(安全運転に係る監視、対応主体はシステム[作動継続が困難な場合は運転者])

・レベル4(高度運転自動化):システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を限定領域において実行する。(安全運転に係る監視、対応主体はシステム)

・レベル5(完全運転自動化):システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を無制限に(すなわち、限定領域内ではない)実行する。(安全運転に係る監視、対応主体はシステム)

※出典:「官民 ITS 構想・ロードマップ 2018」

 具体的には、自動ブレーキが搭載されているクルマは「レベル1」。車間距離を一定に保ちつつ、定速走行を車が自動でやってくれる機能のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が搭載されているクルマはレベル2です。このレベルまでは、基本的に運転者による監視が必要です。

 日本では、自主規制の関係もありシステムに運転を任せることはできませんが、「テスラ」など一部のモデルではレベル3の自動運転が技術的には可能とされています。日本政府は2020年までに限定地域での「レベル4」実用化を目指していますが、まだ市販化を実現しているメーカーはありません。

 直近の話題では、「レベル3」を実現できていると話題になった新型アウディ「A8」が先ごろ発売されましたが、アウディ ジャパン株式会社のフィリップ・ノアック社長が「レベル3の機能でもある『トラフィックジャムパイロット』は、国際的な技術認証や道路交通法の改正の関係で、まだ各国の市場に導入されてはいません。新型『A8』は、世界で初めてレベル3の条件付き自動運転システムを可能にすべく開発されました。そのなかで今回、日本で発売する新型『A8』は、洗練されたレベル2の運転支援システムを提供しています(2018年9月5日の新型A8発表会にて)」と述べています。

「レベル3」の自動運転を実現できているといわれる新型アウディ「A8」

 つまり、アウディは技術的には「レベル3」を実用化できているものの、国際条約や法整備が整ってない現状では、まだ公道で「レベル3」の自動運転ができないというのが実情です。

レベル3のシステムを搭載したアウディA8やトヨタの自動運転車を見る(8枚)

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