ホンダ新型「CR-V」欧州仕様に先行試乗 アウトバーンでも安定した走りを披露
5代目となる新型「CR-V」が日本で発売されましたが、それに先駆けて欧州仕様の「CR-V」1.5リッターガソリンエンジンモデルに試乗。郊外のワインディングからアウトバーンまで走ったインプレッションをお届けします。
ホンダ起死回生のCR-V誕生まで
最近、新型SUVよりもセダンが発表されると『珍しいな』と思うことがあります。それほどSUVは市民権を得て、セダンの人気がなくなってきているということでしょう。今回、ホンダのミッドサイズSUV「CR-V」が2年ぶりに復活し、日本でも市販されました。それに先駆けて欧州の新型「CR-V」試乗会に参加してきたので、そのインプレをレポートします。
まずは簡単に「CR-V」誕生までを振り返ってみようと思います。SUVとは「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」の略語ですが、その語源はアメリカの西海岸サーファーが作ったと言われています。
父親が使うピックアップトラックにサーフボードを載せて、大きな波を追い求めた若者のライフスタイルがSUVの意味です。つまり、サーフボードというスポーツギアを乗せるためのクルマとして、SUVが定着した歴史があります。
その一方でクライスラーの「チェロキー」もSUVとして普及しました。SUVはトラックにカテゴライズされていた歴史があります。メーカーにとっては「SUV=ライトトラック」と認識していました。
同時期、日本では三菱「パジェロ」がヒットして、RV(レクレーショナル・ビークル)として時代を引っ張っていました。多くのRVはアメリカ同様、商用車ベースで開発されていたので、乗用車のプラットフォームしか持たないホンダは苦しんでいました。
アメリカのSUV、日本のRVブームに乗り遅れたホンダは業績が悪化しました。しかし、当時の川本社長はホンダのRV戦略を打ち立て、日本では「オデッセイ/ステップワゴン/CR-V」というRV三兄弟が誕生します。『クリエイティブ・ムーバー』と名付けられたホンダのRVは、商用車を持っていなかったことを逆手にとって、乗用車ベースで親しみやすいRVとしてヒットします。こうして、1995年に誕生した初代「CR-V」がホンダのSUVの出発点となりました。
それから約23年後、5代目「CR-V」が誕生し、日本でも市販されました。