新型車は魅力ない? 人気車はマンネリ化、古いモデルの販売が好調の理由とは
良いクルマでも国内市場に合っていないと売れ行き伸びず
日産の販売店からは「今の売れ筋は、ノート、セレナ、デイズとルークスです。セダンやクーペは、緊急自動ブレーキが装着されていなかったり、付いていても歩行者を検知できなかったりします。従って売れ行きも下がり、買いに来られたお客様だけに売っている状態です。スカイラインのクーペなど、新型車が登場したら購入すると約束しているお客様もおられますが、国内では扱ってくれません」と言います。軽自動車/コンパクトカー/ミニバンが定番化するのは、当然の成り行きでもあるわけです。
ホンダの販売店からは「低金利とかディーラーオプションのプレゼントなどが実施されるのは、コンパクトカーとミニバンが中心です。高価格車を中心に展示する上質なクオリティセレクト店も展開していますが、全車を売ることもあり、アコードやレジェンドの売れ行きはあまり伸びません」という声も聞かれます。
肝心の商品が国内市場に合っていないと、店舗の形態だけを上質に見せても、売れ行きを伸ばすのは難しいようです。
好調に売れるクルマが定番化せず、定期的に入れ替わる活気のある国内市場であって欲しいです。
【了】
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。