「駆け込み給油も…」ガソリン180円超え! 高市総理「ガソリン170円台維持」へ 迅速対応の価格抑制策とは?
イラン情勢の悪化に伴い、レギュラーガソリン価格が180円を超える見通しとなりました。これを受け、高市総理は石油備蓄の異例の独自放出と、価格を170円程度に抑える「激変緩和措置(補助金)」の再開を指示。家計を直撃する燃料高騰に政府が迅速に動く一方、今後の財源や自動車関連税制の行方にも注目が集まります。
国のガソリン価格激変緩和策、再始動へ
思ったより早く、状況が変化しそうです。
一部報道で、石油元売り各社が3月12日からガソリン卸値を26円値上げするため、レギュラーガソリン価格は180円を超えると報じられました。
そのため、全国各地のガソリンスタンドでは値上げ前の11日に「駆け込み給油」する人がいるとの報道もあります。
昨年末に廃止された、ガソリン関連税に対する旧暫定税率(当分の間【とうぶんのかん】税率)が1リットルあたり25.1円でしたので、それとほぼ同額分が再び値上げされる形になってしまいます。
原因は、イラン情勢です。
アメリカとイスラエルがイランに軍事攻撃した2月28日以降、中東からの原油の供給に大きな影響が出るのはないかという懸念が世界に広がり、先物市場での原油価格が上昇。
日本の場合、原油の輸入先はアラブ首長国連邦、サウジアラビア、クエート、カタールなど中東が約96%を占めており、中東での政情不安は日本経済に直結します。
地理的には、産油国から日本への船舶輸送の航路であるホルムズ海峡周辺での安全性が課題です。
そうした中、高市早苗総理は11日の午後7時20分すぎから総理大臣公邸で記者団との取材に応じ、2つの手立てを打つと発言。
ひとつ目の手立ては、日本独自の判断による石油備蓄の活用です。
本来ならば、国際エネルギー機関(IEA)と日本が連携して国際的な見地から備蓄の放出を行いますが、今回はその決定を待たず日本は16日に備蓄放出を行うことを決定したのです。
放出量については、まずは民間備蓄15日分とし、当面1カ月分の国家備蓄も放出します。
これにより、短期的には日本での原油不足の心配はなくなるでしょう。
なお、日本時間の11日夜遅く、IEAは加盟国が過去最大規模の石油備蓄放出を合意したと発表。
時差の関係もありますが、日本がいち早く対応したとの印象を世間に与えました。
ただし、石油元売り各社は原油の需給バランスが崩れている現時点では原油先物価格が高騰していることを念頭に卸売価格を検討しており、少なくとも一部報道にあるように3月12日以降には大幅な値上げが実施される可能性が高いと思われます。
その上で、2つ目の手立てとして、高市総理は赤澤亮正 経済産業大臣に対して「緊急的な激変緩和措置の早急の実施」を指示したことを明らかにしました。
イラン情勢が悪化した3月3日の時点で、赤澤大臣は閣議後の記者会見で3月2日に省内に「イラン情勢を踏まえたエネルギー対策本部」を設置したと説明。
その上で、石油市場の動向とそれに伴う物価の影響を把握し迅速に必要な対策を講じるとしていましたので、今回の高市総理からの指示に対する準備は整っていたはずです。
具体的な方策ですが、レギュラーガソリン小売価格で全国平均170円程度での抑制を目指します。あわせて、軽油、重油、灯油についても同様に価格の抑制策を講じます。

ここでいう「激変緩和措置」とは、「燃料油価格激変緩和補助金」を指すものと考えられます。
これは、国が石油元売りに対して補助金を支払い、それがガソリンスタンドへの卸価格に反映されることでガソリン小売価格を抑える仕組みです。
手続きとしては、石油元売りと呼ばれる石油精製業者や石油輸入業者が国に対して補助金申請を行う形を取ります。
そのため、補助金申請から補助金支払いまでには一定の期間が必要であり、ガソリン小売価格に反映されるまで少し遅れる可能性があります。
この補助金制度は、ロシアが2022年2月にウクライナ侵攻した影響で原油価格が高騰したことをきっかけに始まりました。
最も大きな価格抑制は2022年6月の41.9円。その時、従来のガソリン価格は210円超えの状況でした。
その際、国が価格を抑制するための基準値を170円としていましたので、今回も同様の考え方を導入することになります。
高市政権が掲げる「責任ある積極財政」において、今回のガソリン高対策が実施されることになりますが、その財源について今後、国会で議論が高まるでしょう。
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特にクルマに直結する話としては、与党税制調査会が今年末に取りまとめる予定の「令和9年度税制改正の大綱」で、自動車税(軽自動車税)と自動車重量税を融合する新税の創設が具体化されます。
その中では、EVを含めた環境性能に対する指標も示されます。
今年はクルマのユーザーとって、ガソリンなどの燃料代や税金など、クルマにかかるコストの変化を気にする年になりそうです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。




















































