工事で片側通行、無視した場合は違反になる? 警備員の誘導通りで事故に遭った場合は…

工事で片側通行となり、警備員の誘導や仮設の信号で交通整理が行われるケースがありますが、その待ち時間は時に長く感じるもの。無視して通行した場合、違反になるのでしょうか。また、誘導員の指示通りで事故にあった場合、補償されるのでしょうか。

仮設の信号待ちでイライラ… 無視したらどうなる?

 道路や周辺の工事などで車線がふさがれ、片側通行になると、警備員による誘導や仮設の信号によって通行が制御されるケースがあります。

 片側通行の区間が短く、先が見通せている場所であれば、「クルマが来る気配もないし、行ってしまえ」などと思うこともあるかもしれません。この信号を無視した場合は交通違反になるのでしょうか。

工事による片側通行区間を、仮設信号で誘導するイメージ

 警備業の業界団体である全国警備業協会によると、このような警備員や仮設の信号による交通誘導を無視しても、交通違反にはならないといいます。

「警備業法には『警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たっては、この法律により特別に権限を与えられているものでない』(第15条)と明記されているので、法的な効力はありません。仮設の信号も同様です」(全国警備業協会)

 警察官によって行われている交通整理や、警察が管轄する正規の信号については法的効力が発生しますが、警備員による誘導や仮設信号は道路交通法で「従わなければならないもの」ではないというわけです。しかし、これらを無視して事故につながった場合はどうなるのでしょうか。

 ある損害保険会社は、「たとえば仮設信号の場合、これを無視したことのみをもって事故を起こしたドライバーが全責任を問われることはないと考えます」とのこと。ただし、仮設信号に従って進行することは一般的な運転慣行といえ、これを無視した走行は、過失割合を検討するうえで考慮する要素になるだろうと話します。

誘導待ちも和む? 工事現場のゆるキャラ等を写真で見る(5枚)

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