ダイハツ「4WDスポーツ“軽トラ”」! 「ロードスター」スタイルの「ハイゼット トラック ジャンボ」! 3本出しのマフラーもイイ「スポルツァVer.」どんなモデル?
2021年のバーチャルオートサロンで世界を驚かせた、ダイハツ「ハイゼット」の衝撃カスタム。屋根を切り落とした大胆なスタイルを持つ一台の正体とは、いったいどのようなクルマだったのでしょうか。
本格レーシング軽トラ
2026年2月13日から15日にかけて、インテックス大阪(大阪市住之江区)で西日本最大級のカスタムカーの祭典「大阪オートメッセ2026」が開催されます。会場には最新のカスタムカーが所狭しと並びますが、これまでの各地の祭典を振り返ると、メーカーが本気で遊んだ興味深いモデルが数多く存在しました。今回はその中から、2021年の「バーチャルオートサロン2021」で公開された、一台の軽トラックを振り返ります。
そのクルマの名は、「ハイゼット ジャンボ スポルツァVer.(スポルツァ・バージョン)」です。製作を手掛けたのは、軽自動車の雄であるダイハツ工業でした。
同社は例年、オートサロンに向けて自社モデルをベースにしたユニークなコンセプトカーを発表しており、その独創的なアイデアはファンの楽しみの一つとなっています。このスポルツァVer.も、そんなダイハツの遊び心が爆発した一台でした。
コンセプトは、「ラグナ青果」仕様の果樹園レーサーです。「平日は果樹園で働く頼もしいパートナー、休日はみんなで草レースを楽しむ」という、実用と趣味を両立するストーリーが設定されました。
ベース車両には、キャビンを拡大した「ハイゼット トラック ジャンボ」が選ばれました。しかし、その姿は我々が知る軽トラとは一線を画しています。最大の特徴は、Aピラーを短くカットし、ルーフを完全に取り去った大胆な「スピードスター」スタイルです。
フロントガラスは極小のウインドウディフレクターのみという、公道走行を度外視した割り切った造形が採用されました。実はこの奇抜なデザイン、単なる思い付きではありません。

開発者によると、実際に果樹園などで、背の低い木の下を通りやすくするために屋根を切り取って使われているハイゼットが存在することから着想を得たといいます。
この「屋根切り仕様」という現場の知恵を見て、「これはロードスターだ!」と直感したことが開発のきっかけとなりました。
ボディカラーには、赤と黒を基調としたスポーティなカラーリングを採用しています。これはベースとなったハイゼットシリーズが2020年に誕生60周年を迎えたことを祝う「還暦」の赤と考えることができます。
そして、ドアに描かれた「ラグナ青果」という架空の屋号も見逃せません。これはアメリカの有名サーキット「ラグナ・セカ」をもじったダジャレであり、果樹園という設定とレース要素を掛け合わせた、ダイハツ流のユーモアです。
しかし、装備されているパーツは本格派です。足元にはレイズ製の鍛造ホイールを履き、タイヤにはヨコハマタイヤの競技用「アドバン A050」を装着。
さらにサイドからは3本出しのマフラーが突き出し、極小のビタローニ風ミラーや大型サイドインテークを備えるなど、マニアを唸らせるパーツ選択が光ります。インテリアもスパルタンそのものです。
赤と黒で統一された室内には、フルバケットシートやサベルト製の4点式シートベルトを装備。ステアリングはモモ製の脱着式に換装され、シート背後にはロールバーが鎮座するなど、そのままサーキットを攻め込める仕様となっています。
パワートレインの詳細は明らかにされていませんが、ベース車両は5速MTと高低速切替式でデフロックを備える4WDモデルだったようで、果樹園での日常使いも考慮されたといいます。
当時の反響は凄まじいものでした。コロナ禍によりオンライン開催となったイベントでしたが、画面越しでも伝わるそのインパクトに、SNSなどでは「屋根なし軽トラ、斬新すぎる!」「究極の開放感」といった驚きと称賛の声が殺到しました。
残念ながらスポルツァVer.はあくまでショーモデルであり、このままの形で市販化されることはありませんでした。
※ ※ ※
「大阪オートメッセ」は、2026年2月13日〜15日、インテックス大阪で開催されます。今回もきっと心躍るカスタムカーが出展されることでしょう。期待しましょう。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。






































