「路上に横たわる男性」をタクシーがひき逃げ、運転手を逮捕! 夜道に潜む「予期せぬ障害物」への対処法とは? 逃走すれば厳罰の可能性
滋賀県内で死亡ひき逃げ事故を起こしたとしてタクシー運転手の男が逮捕されました。ひき逃げの被害にあった高齢男性は路上に横たわっていたとみられており、各ドライバーは「路上横臥(ろじょうおうが)」に注意する必要があります。
ネット上では「避ける自信ない」「手前で認識してもブレーキが間に合わない」などの声も
滋賀県警東近江署は2026年1月31日、死亡ひき逃げ事故を起こしたとして、滋賀県野洲市に住むタクシー運転手の76歳の男を自動車運転処罰法違反(過失運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕しました。
警察によると、男は1月30日の午後11時45分頃、東近江市内の国道でタクシーを運転中、近所に住む76歳の男性をクルマでひいたにもかかわらず、救護や通報をせず現場から逃走し死亡させた疑いが持たれています。
なお被害者の男性は路上に横たわっていたとみられており、タクシー運転手の男は「石か何かに乗り上げたと思った。人だとは思わなかった」などと容疑を否認しています。

このニュースに対しインターネット上では「石と人の区別もつかなかったのか…何かをひいたならとりあえずはクルマから降りて確認するよね」「逃げたらダメだな。救急車を呼んで警察に通報すべき」などの意見が寄せられています。
その一方で「これは自分が運転している側だとしても、完璧に避けられるという自信はありませんね。そもそも道路に人が横たわっているとか、想像できませんからね」「手前で認識してもブレーキ間に合わない」など、路上に横たわっている人を回避するのは困難との声も上がっています。
実は上記のような路上横臥(ろじょうおうが)による交通事故は年間で約300件発生しており、各ドライバーが注意しておく必要があります。
警察庁の統計によると2024年中、路上横臥による交通事故で亡くなった人は100人であり、そのうち65歳未満の人が67人、65歳以上の人が33人という結果でした。
特に65歳未満の67人のうち、夜間の死者は60人(全体の89.6%)、さらに飲酒していた人が45人(全体の75%)であり、お酒を飲んだ後に誤って路上で寝てしまうケースが多いとみられます。
また国土交通省が2015年~2019年に発生した路上横臥事故の傾向を分析した結果、事故の発生時間は夜20時頃から朝方4時頃までの間が多く、曜日別では土曜日(金曜深夜)の発生が最も多くなることが分かりました。
加えて、クルマの速度が中速域(時速40~60km)だと死亡事故に発展しやすいことも明らかになっています。
クルマの運転手が路上に横たわる人を早期に発見するためには、夜間にできるだけハイビームを活用することが重要です。
ロービームはクルマの前方40m程度、ハイビームは前方100m程度にある障害物を確認できる性能があるため、夜間対向車がいないときにはハイビームに切り替えての運転が推奨されます。
また高速度になればなるほど死亡事故につながる可能性が高まることから、スピードの出し過ぎには注意が必要です。
そして万が一クルマで人をひいてしまった場合には、すぐに運転を停止し、救急車を呼ばなければなりません。道路交通法では交通事故が発生した際、運転者が負傷者を救護し、道路上の危険防止措置をとるほか、警察に事故を報告する義務が定められています。
現場から逃走すると救護義務違反(ひき逃げ)や報告義務違反(事故不申告)として、より重い罰則が科される可能性があり、たとえ「人ではない」と思ったとしてもクルマから降りて状況を確認すべきでしょう。
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夜間は視界が悪くなりやすいため、各ドライバーはハイビームを上手く活用して事故防止に努めることが大切です。
また飲酒してから歩いて帰宅する習慣がある人は、誤って路上で寝込んでしまうことがないよう適切な飲酒量にとどめる意識を持ちましょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

























