大阪に「EVバスの墓場」なぜ出来た? 「国産」は嘘だった… EVMJバス、不具合連発で国交省も激怒! 自治体もこぞって導入した謎
大阪万博に採用されたEVモーターズ・ジャパンのEVバスに対し、相次ぐ不具合を受けて国交省が2025年11月に「全台点検」を指示しました。「国産」と謳いつつ実際は中国製激安部品の並行輸入だった実態や、森ノ宮の「EVバスの墓場」化、政治圧力が絡んだ選定経緯など、わずか2年で300台以上を納車した同社の闇と補助金ビジネスの真相を解説します。
EVMJがわずか約2年で300台以上を納車できた理由は?
EVMJのバスを作るのは中国ウィズダム(福建)、恒天、愛中和の3社です。
いずれも中国国内で販売できるCCC認証は取得していないため、輸出用としてのみ中国当局から製造の許可が出ています。
ウィズダム以外の2社はバスを作ったのは今回が初めてというメーカーです。
EVMJからは激安で作るように指示されており、中国国内からできるだけ安い部品を寄せ集めて組み立てています。
なお、EVMJは北九州に建設費100億円の巨大な工場を持っていますがその中では、1台も組み立ては行われていません。
2022年頃のEVMJ社長インタビューでは、「2023年中には組み立てを開始する…」と話していましたが、これからもここでバスの組み立てが行われることはないと思われます。
富士急や伊予鉄他、バス会社のリリースには「国内メーカーが開発・製造を行なう」と記されているのものもたくさんあります。
EVMJは日本の企業であることは確かですが、「メーカー」ではありません。
中国3社のバスをほぼそのままの状態で並行輸入して、工場内では運賃箱や行先表示などの簡単な架装だけを行っています。

短期間で大量のEVバスを輸入し、バス事業者へ納車できた理由を改めて整理します
ーーー
1.補助金込みの契約で間に合わなければ補填
BYDのような実績もないのに短期間で大量の受注を可能にしてきたのは、ほとんどの契約が補助金込みの契約だったからです。
もし、納車が遅れて補助金申請に間に合わない場合はEVMJが補助金分を補填(バス会社に支払う)していました。
実際に2024年3月には納車が遅れて補助金申請が間に合わなかった富士急静岡バスに対して観光庁補助金相当額2,585万円を支払っています。
2.自称国産アピール
万博バスをはじめEVMJは3社のバスは国内で組み立てられているから国産だと主張してきました。
営業トークにも盛んに使われており、これによって「EVMJのバスは国産」と現在も勘違いしているバス事業者やドライバーも少なからず存在します。
EVMJ経営陣は「シャシだけは中国から輸入するがあとは高性能な日本製、欧州製部品を多用して北九州本社工場で組み立てる」と言っていましたが、シャシだけではなくほぼ100%中国メーカーから輸入しており使われている部品は中国国内からかき集めた激安部品が中心です。
3.検査もほとんどせず、即納車
補助金申請の締め切りも関係していますが、ほとんどのEVMJバスは日本に到着してから安全性の確認や各種のテストを行わずにバス会社などに納車されてきました。
中国メーカーが「仕上がりが6割程度だからお客さんに納めないで」と言っているのに無理やり納車した事例がたくさんあります。そのようなバスは実際に多くの不具合を出しています。
ーーー
なお、EVMJのバスを「安かろう、悪かろう」という人もいますが実際、安くはありません。
同じクラスのBYDやアジアスター、アルファバスと比べても1.5-2倍近い高額です。
車両価格が高ければ補助金もそれに応じて高くなるため補助金額は他の高品質中国製バスにくらべて3-4倍にもなります。
なお一例として、高額補助金の例を紹介しておきます。
3300万円のバスが環境省+神奈川県補助金でわずか416万円+税金で購入できます。
このバスは恒天製6.99mで、筑後市スクールバスとして2025年4月に4台が導入されましたがわずか2週間で100か所以上の不具合発生で使用中止となり、その後はディーゼルバスに戻っています。
補助金は芙蓉オートリースが受け取っており、近々、環境省に返金を予定しています。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。








































