道路が「ねじれて」一時的に「逆走」!? 物理的に“右直事故”が起きない「新型交差点」がスゴイ! 常識外れの発想で「“右折待ち”ゼロ」も実現へ! “日本導入”へ向けて研究進行中!
常識をくつがえす新発想の交差点「反転交差点」の研究が現在進行中です。一体どのような交差点なのでしょうか。
物理的に“右直事故”が起きない「新型交差点」がスゴイ!
日本の道路事情における常識をくつがえす、新発想の交差点「反転交差点」の研究が、国土交通省の採択によって現在進行しています。
日本ではまだ耳慣れないこの交差点ですが、一体どのような仕組みで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

反転交差点とは、アメリカでは「Diverging Diamond Interchange(DDI)」と呼ばれ、すでに数ヶ所で試験的に導入されている新しい交差点の形状です。
その最大の特徴は、交差点内で上下線の車線が「X字」を描くように2回交差し、一時的に左右が入れ替わるという点にあります。
イメージとしては、両手の指に輪ゴムを通し、片方の手を使って真ん中でゴムをねじり、左右を入れ替えたような“複合8の字”のような形状となります。
この特殊な構造により、従来の交差点が抱えていた「右折車と直進車の衝突事故(右直事故)」のリスクや、「長い右折信号待ち」による渋滞を解決することが期待されています。
その仕組みは、以下のようになります。
まず、交差点に進入すると信号に従って対向車線側(本来の右側)へクロスして移動します。
その後、目的の方向へ分岐するのですが、この時すでに車線が右側に移っているため、右折(高速道路やバイパスへの進入など)をする際に、対向車線を横切る必要がありません。
つまり、対向車を気にすることなく、スムーズに右方向のランプへ進入できるのです。
左方向へ行く場合は、交差する手前で分岐するため、信号なしで左折が可能です。
また、信号制御もシンプルになります。
通常、大きな交差点では直進と右折の信号サイクルを分ける必要がありますが、反転交差点では交差点内の2箇所のクロスポイントを制御するだけで済むため、「右折専用信号」の時間が不要になります。
これにより、2パターンの信号サイクルで運用でき、交差点全体の赤信号待ち時間が大幅に短縮される計算です。
この交差点が活躍すると想定されるのは、高速道路のインターチェンジや、立体交差するバイパス道路との接続点です。
具体的には、国道357号の千鳥町交差点のような高架・掘割のある場所や、環八通りの谷原交差点のような立体交差を伴う十字路などが候補として挙げられます。
現在、日本での導入に向けて研究を主導しているのは、横浜国立大学大学院・都市イノベーション研究院の田中伸治教授です。
2022年から国のFS研究(事業化可能性調査)を開始し、2024年度からは本研究へと移行。
2024年11月には交通工学研究会において「反転交差点分科会」が設立され、産官学連携で本格的な検討が動き出しています。
目標は、「ラウンドアバウト(環状交差点)」のように、国内での設置ガイドラインを策定することだといいます。
過去に行われた同教授の実験では、仙台市の国道4号「山崎交差点」をモデルに、ドライビングシミュレーターを用いた一般ドライバーによる走行テストが実施されました。
その結果、最初は未知の構造に戸惑うドライバーもいたものの、慣れてくれば「右折時に対向車を気にしなくていいので楽」と好評だったとのこと。
特に右折交通量が多い場面では、その優位性が顕著に現れました。
※ ※ ※
道路がねじれるように交差する、一見すると複雑怪奇な「反転交差点」。
しかしその中身は、物理的に事故を減らし、信号待ちを短縮する極めて合理的なシステムです。
まだ研究段階ではありますが、日本の渋滞名所がこの形に生まれ変わる日は、そう遠くないのかもしれません。
Writer: くるまのニュース編集部
【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。






























