大容量バッテリーでライバルを圧倒するEV性能 ホンダ「クラリティ PHEV」徹底試乗
ホンダの「クラリティPHEV」のガソリンタンクは26リッターながら、航続距離はおよそ800km。その秘密は、フル充電状態ではJC08モードで約114kmもEV走行が可能になっているからです。
クラリティの最大の特徴 EV依存度が大幅に増えたこととは?
ホンダが開発したクラリティ PHEVは、ハイブリッド車の概念を覆すような性能を秘めています。航続距離や充電時間、あるいはセダンとしての使い勝手の問題などを一気に解決してくれるようなクルマなのです。
まず、ハイブリッド車のことを説明しましょう。ハイブリッド車はガソリンとモーターを併用して走行するクルマを意味します。そのハイブリッド車に、外部からの充電を可能にする機能をつけたクルマがプラグインハイブリッド車なのです。
プラグインハイブリッド車は、バッテリーが十分に充電されているときは主にモーターだけで走行し、電気が不足すると、エンジンと併用して走行する。それが一般的なパターンです。つまり、電気だけで走るEV車と、モーターとエンジンを併用するハイブリット車のいいとこ取りをしたというわけです。
ただし、従来のプラグインハイブリッド車には不満もありました。せっかく充電したのだからモーターだけでもっと走っていたいと思っても、すぐにハイブリット車になってしまったのです。それはバッテリー容量が少ない事が理由です。そこにホンダはメスを入れました。
クラリティ PHEVでは17kWhという大容量のバッテリーを搭載しています。これによりJC08モードという走行パターンであれば、一度満充電にすると114.6kmも走行できるのです。日常の使用では、ほとんどEV走行でこと足ります。
もちろんロングドライブをしてバッテリー残量が低下すれば、ハイブリッド車として走行します。ガソリンタンク容量は軽自動車よりも小さい、たったの26リットルですが、満充電されていれば電気とエンジンを併用して走行することで、800kmほど無給油で走行が可能なのです。しかも、モーターパワーも大幅に強化されましたから、市街地走行での加速ではエンジンの助けを借りずに、EV車として力強い走りを実現しています。
今回は首都高速や市街地走行を繰り返しましたが、ほとんどEV走行で、燃費計も99.9km/hを表示したままでした。ガソリンスタンドに寄ることを忘れてしまいそうです。