トヨタ「ちいさい2000GT!?」“美しすぎるオープンカー”が衝撃的! まさかの「スズキの軽」でロングノーズを完全再現! NATSが手掛けたカスタムカー「2020GT」の正体とは!
日本自動車大学校(NATS)は、「東京オートサロン2020」において「2020GT」というカスタムカーを出展し、話題となりました。どのようなモデルなのでしょうか。
まるで「ちいさい2000GT!?」
2026年2月13日から15日の3日間、インテックス大阪にて、関西最大級のカスタムカーの祭典「大阪オートメッセ2026」が開催予定です。
こうした各地のカスタムカーの祭典を振り返ると、メーカーだけでなく、自動車大学校の学生たちが手掛けたカスタムカーの中にも、強烈なインパクトを残してファンの記憶に刻まれた「幻の名車」が存在します。
2020年1月の「東京オートサロン2020」でNATS(日本自動車大学校)が披露した「NATS 2020GT」は、間違いなくその筆頭といえる一台でしょう。

開発と製作を手掛けたのは、千葉県成田市にキャンパスを構えるNATS(日本自動車大学校)カスタマイズ科の学生たちです。
同校は、東京オートサロンへの出展を長年続けており、自由な発想と高い技術力で毎年ユニークなカスタムカーを提案し続けている名門校として知られています。
2020年の出展車両として製作されたこの「NATS 2020GT」のコンセプトは、映画『007は二度死ぬ』の劇中車として登場した、トヨタ「2000GT」のオープンカー仕様(ボンドカー)を再現することにありました。
伝説的な名車のヘリテージを継承しつつ、現代の技術と学生の感性で「リノベーション」することをテーマに掲げて開発が進められたのです。
この流麗なスタイルのベース車両に選ばれたのは、意外にもスズキの軽スポーツカー「カプチーノ(EA11R)」でした。
駆動方式にFRレイアウトを採用している点は共通していますが、ボディサイズが全く異なる軽自動車をベースに、2000GTの優雅なプロポーションを再現するため、学生たちは大掛かりな改造に挑んでいます。
具体的には、2000GT特有のロングノーズを再現するために、フロントサスペンションごとフレームを延長し、ホイールベースを250mmも伸ばしました。
製作に携わった学生たちは、このホイールベース延長に伴う作業の膨大さを語っており、単にボディを伸ばすだけでなく、フロントサイドメンバーの延長に加え、ブレーキパイプ、ラジエーターホース、複雑な配線の引き直しなど、見えない部分の作り込みに苦労し、オートサロン開催の直前にようやく完成したといいます。
エクステリアデザインにおける最大の特徴は、やはりその美しいシルエットと、2000GTを象徴するリトラクタブルライトの再現に他なりません。
このリトラクタブルライトには、初代マツダ「ロードスター(NA型)」のユニットが移植されています。
また、足元にはESB製のオーバーフェンダー「Battle Works」を装着。ホイールにはRAYS製の「TE37V」、タイヤはTOYO TIRESの「PROXES R1R」を組み合わせることで、クラシックな雰囲気の中に現代的な「走り」の要素を融合させました。
20代の学生の視点から、歴史的な名車である2000GTのデザインをどのようにデフォルメするか、そのバランス調整が最も難しかったと振り返っています。
インテリアも、外観の雰囲気に合わせて丁寧に作り込まれました。
木目調パネルを採用してクラシカルな雰囲気を重視しつつ、ステアリングにはイタリアのレーシングギアブランドであるSparco(スパルコ)製の「R323」を使用。軽自動車ベースとは思えない、質感の高い仕上がりを狙ったコクピットとなっています。
パワートレインは、ベース車であるカプチーノのものを踏襲しました。搭載されるエンジンはスズキ製の名機「F6A型」660cc直列3気筒ターボで、最高出力64PS・最大トルク85Nmを発揮します。
絶対的なパワーは2000GTには及びませんが、軽量なボディとFRレイアウトの組み合わせにより、軽快な走りが楽しめる仕様です。
このNATS 2020GTの特筆すべき点は、単なるショーモデルで終わらせず、公道走行を可能にするための車検取得まで行われていることでしょう。
ボディサイズが大幅に拡大され、軽自動車規格を超えたため、構造変更手続きを経て白ナンバーの普通車として登録されています。
また、保安基準に対応するため、リトラクタブルライトを常時オープン状態で固定するなど、現実的な工夫も施されていました。
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東京オートサロン2020の会場では、2000GTを思わせる見事なプロポーションに驚く来場者が続出し、大きな反響を呼んでいます。
SNSなどではその後も話題のカスタムカーとして取り上げられることがあり、学生たちの情熱と技術力の高さを示す一台として、今もなお多くの人々に記憶されています。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

















