ゲリラ豪雨も安心? 進化した道路「高機能舗装」はハイドロ防止や路面温度低下も
舗装面に溜まった水にクルマが浮いてしまう「ハイドロプレーニング」は、一般的に高速であるほど起こりやすいといわれますが、高速道路の舗装は昔よりも水がたまりづらく、しかも低騒音になっているといいます。どのような仕組みなのでしょうか。
路面の下に水をしみこませれば溜まりにくい!
雨の日の運転で恐ろしいのが、「ハイドロプレーニング」と呼ばれる現象です。体験していなくても、教習所で習ったことがあるという人も多いでしょう。これは、水が溜まった路面を走行中、タイヤと路面のあいだに水の膜ができて、あたかも水の上にクルマが浮いた状態になり、ハンドル操作やブレーキコントロールが利かなくなる現象。路面に溜まった水を、タイヤは溝を通して排水することでグリップ力を保っていますが、高速だと排水が追い付かなくなってしまうのです。もちろん、タイヤが空気圧不足だったり、溝が摩耗していたりしても起こりやすくなります。
ところが最近は、路面に水が溜まりにくい高機能舗装と呼ばれるものが広まっていて、たとえば首都圏から北海道まで広大な範囲を管轄するNEXCO東日本でも、いまではほとんどの区間で採用されているそうです。どのような舗装なのでしょうか。
一般的な舗装はほとんど水を通さず、路面の勾配によって側溝などに排水されますが、高機能舗装は通常の道路よりも骨材(アスファルト舗装の材料となる砂や砂利)間の隙間を大きくし、水を浸透しやすくした舗装です。
日本道路建設業協会によると、ひとえに高機能舗装といっても「透水性舗装」と「排水性舗装」のほか様々なタイプがあり、高速道路会社や(工事の)発注者によっても呼び名が異なるそうです。「透水性舗装は、表面から路床(地盤)に雨水を浸透させます。対して排水性舗装は、路床まで浸透させずに排水装置などを通じて『横から水を出す』イメージです。透水性と排水性は地質などに応じて使い分けられますが、たとえば高架道路などは基本的に排水性と考えてよいでしょう」といいます。