ゲリラ豪雨も安心? 進化した道路「高機能舗装」はハイドロ防止や路面温度低下も

水を溜まりにくくするだけでない、意外な効果も

 高機能舗装には、路面に水を溜まりにくくするほかに、もうひとつ大きな効果があります。それは騒音が低減されるということです。

 クルマが通行することで発生する騒音は、タイヤと路面とのあいだで圧縮された空気が路外に出ることが要因。一方で高機能舗装の場合は、このタイヤと路面のあいだの空気を舗装の隙間に逃がすことができ、騒音が低減されるのです。首都高速道路によると、一般的な舗装と比べて3デシベル程度低減されることもあるといい、「交通量が半減した程度」の騒音抑制効果があるのだとか。

 高架構造が主体で交通量も多い首都高では、表面には粒の小さな(粒径5mm)きめ細かい骨材を使い、その下の層はより大きな骨材を用いて密にすることで水を通さないようにし、表面から浸透した水はパイプなどを通じて排水しているとのこと。こうすることで、透水性と耐久性のバランスを保っているのです。

常磐道の高機能舗装(右の2レーン)。従来型とのちがいは歴然(画像:NEXCO東日本)

 日本道路建設業協会によると、高速道路では1998(平成10)年以降、徐々に高機能舗装が普及していったといいます。ハイドロプレーニングの防止だけでなく、「水が溜まりづらいので路面の視認性もよくなり、事故が激減したという報告もあります」とのこと。しかしながら、透水性能には限界もあるといい、ハイドロプレーニングを完全に防止できるわけではないそうです。やはり雨の日はスピードを控えめに走るべきでしょう。

 ちなみに、路面の水をその下へとしみこませつつ、その水を捨てるのではなく保持して活かす舗装もあります。保水性舗装と呼ばれ、晴れの日にその気化熱を利用して路面温度の上昇を抑えるというもの。日本道路建設業協会によると、一般的なアスファルト舗装と比べて夏季日中の路面温度が10~20度も低下するといいます。また、路面に赤外線を反射する遮熱剤を塗って、道路への蓄熱を防ぐ遮熱性舗装と呼ばれるものもあり、保水性舗装とともにヒートアイランド現象の緩和に役立てられています。

【了】

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