暴力団組長による家族名義のETCカード利用をめぐる裁判 1審の無罪判決を「破棄」! ネットでは“賛否両論”! 高速道路会社の利用規約はどうなっている?

暴力団組長が家族名義のETCカードを使い不正に高速道路料金の割引を受けたとして罪に問われた件の裁判が、2026年1月、大阪高裁で開かれました。大阪高裁は1審の無罪判決を破棄し、審理を大阪地裁に差し戻しています。

家族間でのETCカードの貸し借り…「これくらい良くない?」「やっちゃダメでしょ」など様々な声!

 暴力団組長が家族名義のETCカードを使って高速道路を利用し、不正に通行料金の割引を受けていたとして電子計算機使用詐欺罪に問われていた件について、2026年1月20日、大阪高裁で暴力団の会長と事実婚の妻、クルマを運転していた組員に対する裁判が開かれました。

 これは2022年12月、会長と妻、組員の3人が共謀し、クルマに同乗していない妻のETCカードを使って大阪府内の有料道路を2回走行し、1140円分の割引を受けたとして起訴されたものです。

 一般的に高速道路会社の利用規約では、「ETCカードによる料金の支払いは、通行の都度、クレジットカード会社から貸与を受けている本人が乗車する車両1台に限りおこなうことができる」とされており、ETCカードを利用する際には原則として名義人が乗車していなければなりません。

 そのため家族間でETCカードの貸し借りをおこない、本人が同乗しない状態で高速道路を利用すると、割引によって本来支払うべき通行料金を免れたとして、電子計算機使用詐欺罪に問われるおそれがあります。

 なお、2025年1月におこなわれた大阪地裁での裁判(1審)では、暴力団員がクレジットカードの保有や利用をできなくする「暴力団排除条項」を免れようとする行為として、検察が違法性を主張していました。

 しかし1審では、ETCカードはクレジットカードほどの本人確認が求められていないことや、家族間でのカードの貸し借りが不正だと十分に周知されておらず、家族間での貸し借りが相当数おこなわれている現状を踏まえ、被告らに無罪を言い渡しました。

ETCカードの貸し借り、ネット上では賛否両論!(画像はイメージ、omakase/PIXTA)
ETCカードの貸し借り、ネット上では賛否両論!(画像はイメージ、omakase/PIXTA)

 そして今回開かれた2審では、妻名義のETCカードを、妻がクルマに同乗していないときに利用した行為が不正利用に当たるかどうかが争われました。

 裁判長はETCカードが暴力団の活動にともなう移動の際にも使われていた点を指摘し、「一般的な夫婦間の貸し借りと単純に評価できるものではない」として、カードの不正利用に当たると判断、1審の無罪判決を破棄しています。

 加えて、1審が「判断していない争点もある」として、審理を差し戻しました。

 この判決に関してインターネット上では、「これがダメなら、かなりの人が違反していることになるでしょ」「我が家は同じことを常にしているんですが…これくらい良くない?」「暴力団だったら何でも犯罪にしてやろうという意思を感じる」など、差し戻し判決に不満を持つ声が寄せられています。

 その一方で「暴力団がたまに使うくらいなら構わないという地裁の判決は怖かったので、今回の高裁の判決は好ましい」「一般人と暴力団員の貸し借りは一緒ではないと思う」「一般社会において鑑みると妥当な判決」などの意見も聞かれました。

 実は同様の裁判は過去にもおこなわれており、2024年5月には別の暴力団会長が弟名義のETCカードを使って大阪府内の高速道路を走行し、計1400円の割引を受けたとして大阪地裁で懲役10か月の判決を受けています。

 同判決では、上記のような行為は暴力団排除条項を免れるものであり、常習性を考慮すると「差別的」との主張は当たらないと結論付けています。大阪高裁もこの判決を支持しており、被告側は最高裁に上告しています。

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 そのほかインターネット上では「家族間なら良いって言う人もいるけど、クレジットカードの貸し借りがダメなんだから、それに紐づくETCカードの貸し借りもダメでしょ」といった意見も聞かれました。

 一般の人が実際に罰せられる可能性は低いといえますが、規約では本人の利用が明確に定められている以上、その点には留意しておく必要があります。クレジットカード会社によっては家族用のETCカードを作れるため、そのような制度を利用しても良いでしょう。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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