ホンダN-BOXターボは峠道だと燃費悪い? 実燃費テストで予想外の結果が!
燃費向上のためにはドライバーのテクニックも重要
今回の燃費テストからは「N-BOXはターボ車でも燃費がいい」そして「ときには自然吸気車の燃費を超えることもある」ということがわかりました。それにしても一般的には燃費が悪いと思われているターボ車ですが、条件によっては同じ車種で同じ排気量の自然吸気車よりも優れた燃費になるとは驚きです。
ただし、今回の走行時路面は乾いていましたが、自然吸気車で走った際はほぼ濡れた路面だったので今回よりもエネルギーロスが多く、燃費に影響した可能性も否定はできません。
ちなみに今回のテストでは、後半の高速道路セクションの後に少し走った市街地走行も含めて241.6km走り、そのトータル燃費は21.2km/Lでした。カタログ記載のJC08モード燃費(ターボエンジンのFF車)は25.6km/L 。これは国土交通省が定めた条件で計測された数字のため、あくまでも目安ですが、実際に走った市街地や峠道の燃費がカタログ記載値に対して2割も落ちないというのは立派です。
ターボエンジン搭載のN-BOXで燃費を伸ばすポイントは、まず街中での加速時に太い低回転トルクを有効に使ってあまり回転を上げずに滑らかに車速を上げていくこと。アクセルを踏み過ぎてはいけません。またガソリンを多く節約できるよう、停車前アイドリングストップ機能を有効につかうのもコツ。停止直前はスーッと減速しながらエンジンがかからないように滑らかに停車すると無駄な燃料を使わずに済みます。
また高速道路では燃費低下の原因となる空気抵抗を抑えるために速度は控えめに(ただし高速道路の流れの邪魔をするほど低い速度で走るのは安全面からもやめましょう)。オススメは全車に標準装備している追従型クルーズコントロールの活用です。これは設定速度内で前を走るクルマにあわせて一定の車間距離を開けて速度を自動調整してくれる機能で、一定速で左車線を走る大型トラックの後ろでクルーズコントロールを使いながら巡行すると簡単に省燃費運転ができます。
さらにホンダの純正ナビにはルート設定時に「省燃費ルート」というもっとも燃料消費の少ないルート(実際に走った車両の燃費から統計を取ってビッグデータとして活用している)も選択できるので、ガソリンを節約したいならそのルートを選ぶのも手です。
いずれにせよ、N-BOXを選ぶ際は、燃費を心配してターボエンジンを敬遠する必要はないといえるでしょう。
【了】
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。