自動車保険の「等級」の引継ぎは可能?引継ぎ方法から引き継げないケースまでわかりやすく解説

自動車保険は無事故で継続するほど等級が上がって保険料が安くなります。上がった等級は、車を買い替えたり、保険会社を切り替えたりしても引き継ぐことが可能です。また、一定の条件を満たせば、家族間で等級を引き継ぐこともできます。ただし、手続きをうっかり失念してしまうと、等級がリセットされてしまうこともありますので、タイミングや条件をしっかり確認しておきましょう。

自動車保険の「等級」の引継ぎはできる?

 自動車保険の等級は、車を乗り換えたり、契約する保険会社を変えたりした場合でも引き継ぐことが可能です。

 車を乗り換えた場合は新たに契約し直すのではなく、すでに契約している自動車保険の車両情報を変更する「車両入替」という手続きをおこなうことで、現在の等級のまま新しい車に保険をかけることができます。

 また、保険会社を切り替える場合には、これまでの等級を新しい保険会社でも引き継いで契約することが可能です。自動車保険には等級情報交換制度という制度が設けられており、各損害保険会社が日本損害保険協会を通じて、契約情報など一定のデータを確認できるようになっています。

 契約する保険会社を変更して新たに自動車保険に加入する際には、その直前に加入していた保険会社や保険期間、等級のほか、事故歴などを申告する必要があります。保険会社は、契約者から申告された内容について間違いがないか、等級情報交換制度を使って確認をしているため、保険会社を切り替えてもこれまでの等級を引き継ぐことができるのです。

 なお、直前の等級や事故歴を偽って契約した場合、等級情報交換制度を利用して確認され、後日、本来引き継ぐべき等級が適用されることとなります。

家族間の等級引継ぎも可能

 自動車保険の等級は、契約者ではなく被保険者に紐づいています。そして、等級は被保険者だけではなく、その家族にも引き継ぐことが可能です。

 引き継ぐことができる家族は、被保険者の配偶者、被保険者の同居の家族、被保険者の配偶者の同居の家族です。配偶者間であれば同居していなくても等級を引き継ぐことができますが、家族は被保険者または被保険者の配偶者と同居していることが条件となります。

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自動車保険の等級の引き継ぎ期間について

 自動車保険の等級は、引き継げる期間が決まっています。通常であれば、現在の自動車保険の満期日を次の契約の始期日として設定し、空白の期間がないように手続きをおこないますので、問題なく等級が引き継がれます。

 もし更新の手続きを忘れて満期日を過ぎてしまっても、満期日から7日以内であれば、これまでの等級を引き継ぐことができます。

 解約した場合も同様に、解約日から7日以内であれば等級の引き継ぎが可能です。この期間を過ぎてしまうと、それまで20等級だったとしても、改めて6等級からスタートすることになってしまいます。

 また、7日でリセットされるのは7等級以上の場合で、1〜5等級のデメリット等級については13ヶ月間引き継がなくてはなりません。満期日から7日以上過ぎてしまった契約または解約して7日以上の期間があいてしまった契約でも、等級はリセットされません。

 もし現状のデメリット等級をリセットして、改めて6等級からスタートしたいのであれば、13ヶ月間車に乗らないという方法も選択肢のひとつになるかもしれません。

 このほか、車を一時的に手放す場合や海外出張で長期不在となるなどの理由で、自動車保険を解約する場合は、「中断証明書」を取得しておくと、解約日から10年間はこれまでの等級を引き継いで自動車保険に加入することができます。

 中断証明書は、解約の手続きをおこなう際にあわせて発行を依頼するのが一般的ですが、解約後も一定期間は発行してもらうことができます。発行可能な期間は保険会社によって異なりますので、契約していた保険会社に問い合わせて確認しましょう。

自動車保険の「等級」の引継ぎ方法

 自動車の等級を引き継ぐ方法は、何を変更するかによって異なります。

 車を買い換えるなど、新しい車に等級を引き継ぐ場合は、「車両入替」の手続きをおこなうことで、現在の等級を新しい車に適用することができます。

 保険会社を切り替える際は、タイミングに注意が必要です。現在の契約の満期日をもって切り替える場合は、無事故であれば1等級上がりますが、保険期間の途中で切り替える場合は、無事故であっても現在と同じ等級が引き継がれます。満期までの期間が残り少ない場合は、満期を待って切り替えるのもひとつの手です。

 また、一般的に自動車保険は保険始期日の16時に補償が始まり、一年後の同じ日の16時に終わるため、保険期間の途中で切り替える場合は、現在の契約の解約日と新しい契約の始期日が同日になるようにしなければなりません。ただし、共済などの一部で保険始期日の0時に補償が始まり、一年後の同じ日の前日24時に終わる会社もあるため、補償されない期間が生じないよう確認して手続きしましょう。

 家族間で等級を引き継ぐ場合は、「記名被保険者の変更」をおこないます。この手続き自体はいつでも可能ですので、契約している保険会社のマイページや担当の保険代理店へ申し出て手続きをしましょう。

 なお、家族間での等級の引き継ぎは、配偶者間の変更を除いて、同居が条件となります。すでに一人暮らしを始めている子どもへ等級を引き継いだり、別居の高齢の親が免許を返納して車を売却したため不要となった等級を引き継いだりすることはできません。

 独立予定の子どもがいる場合は、別居する前に手続きを完了しておく必要があります。

 また、高齢の親と将来的に同居する可能性がある場合は、親の自動車保険を解約する際に「中断証明書」を取得しておけば、将来同居した際に等級の引き継ぎができる場合があります。

等級が引き継げないケースとは?

 自動車保険の等級が引き継げないケースはいくつかありますが、代表的には以下のようなものがあります。

・バイクから車への等級の引継ぎ
・自家用から営業用にナンバープレートを変更した場合
・別居した子どもへの等級の引継ぎ

 まず、自家用乗用車から自家用軽乗用車へ車を買い替えた場合は等級を引き継ぐことができますが、原付や二輪などのバイクから自家用乗用車に等級を引き継ぐことはできません。乗用車は乗用車同士で、バイクはバイク同士のみで等級引き継ぎが可能です。なお、バイク同士でも、125ccまでの原付と125cc以上の普通二輪では等級を引き継ぐことはできません。

 さらに、用途が自家用の車から営業用の車に車両入替をすることはできないため、用途が変わる場合は等級引き継ぎができません。注意が必要なのは、自家用から営業用にナンバーを変更する場合です。車自体は同じものでも、用途を変更する場合は等級を引き継ぐことができないため、一度解約して新たに自動車保険を契約する必要があります。

 また、配偶者間や同居の家族間では等級を引き継ぐことができますが、すでに一人暮らしを始めてしまった子どもへ等級を引き継ぐことはできません。別居する予定のある家族への等級引き継ぎを検討している場合は、早めに手続きしておくと安心です。

 なお、保険会社を切り替える場合は、ほとんどの場合で等級を引き継ぐことが可能です。ただし、「等級情報交換制度」に加入していない共済組合の一部などから切り替える場合は、事前に書類の取り付けが必要だったり、引き受けをしてもらえなかったりする可能性がありますので事前に確認しておくと安心です。

まとめ

 自動車保険の等級は引き継ぐことができますが、タイミングや条件によっては引き継ぐことができなくなる場合があります。

 家族間での引き継ぎは同居が条件となるため、進学や就職で一人暮らしを始める子どもへ等級を引き継ぐ予定の場合は、早めに手続きが必要です。

 また、更新の手続きを忘れてしまうと、これまでの等級が引き継げなくなってしまうことがあるため、満期が近づいたら早めに更新の手続きをしておきましょう。

※契約の詳細や支払い条件などは、保険会社によって異なる部分があります。詳細については、契約中・契約予定の保険商品の必ず「パンフレット」、「契約概要」、「注意喚起情報」、「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認下さい。
※本記事の情報は、2022年10月現在の情報になります。

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      以前は国産の大手保険会社に代理店を通して契約してましたが、家庭の3台の自動車保険契約で年間約30万円でしたが、SBIのオンライン見積もりの結果、補償内容もあまり変わらないのに、約半分の保険料になったので迷わず契約しました。自動車保険って代理店を介すると相当な手数料を含んでいるのかもしれない。

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