ファミリーバイク特約とは?補償内容をわかりやすく解説

ファミリーバイク特約とは、原付や原付二種での事故に対し補償を受けられる特約です。自損事故によるケガや、交通事故による相手への賠償も補償してくれるので万が一の場合も安心です。一方で、似た補償内容であるバイク保険とどちらに加入すべきかわからない方もいるのではないでしょうか?この記事では、ファミリーバイク特約の特徴や対象範囲、メリット・デメリットについて解説します。一般的なバイク保険との違いについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

「ファミリーバイク特約」とは?

 ファミリーバイク特約は、自動車の任意保険に原付や原付二種で起きた事故の補償を付帯してくれる特約です。自身のケガはもちろん、相手をケガさせてしまったときの賠償も補償してくれます。

 バイクを運転する方は、自賠責保険に加入することを義務付けられているため、ファミリーバイク特約は不要だと考える方もいるかもしれませんが、自賠責保険だけでは対人賠償のみの補償となるため対物賠償や自身のケガを補償してもらえません。車とは別にバイクに乗る機会が多い方は、一般的なバイク任意保険かファミリーバイク特約に加入しておくのをおすすめします。

「ファミリーバイク特約」の補償範囲

 ファミリーバイク特約は対象となるバイクに制限があるので注意が必要です。ここではファミリーバイク特約の対象範囲や補償対象者についてくわしく解説します。

「ファミリーバイク特約」の対象車両

 ファミリーバイク特約は、全てのバイクが対象になるわけではありません。補償の対象は、125cc以下の二輪車と50cc以下の三輪以上の車両となりますので、補償内に中型バイク(126cc~400cc)や大型バイク(401cc以上)は含まれません。

 また、ファミリーバイク特約は対象となっているバイクであれば何台でも補償対象となり、他人から一時的に借用した補償対象内のバイクも補償されます。

「ファミリーバイク特約」の補償対象者

 ファミリーバイク特約の一般的な対象者は次の通りになります。

・契約者本人
・契約者の配偶者
・同居中の親族
・契約者本人や配偶者の別居中の子供(未婚)

 基本的に同居中の親族には父母や子供も含まれることが多いですが、対象者は保険会社によって異なる場合があるので、ファミリーバイク特約を自動車任意保険に付帯する際は、事前に確認してください。


根岸 潤
「ファミリーバイク特約」は、あくまでも自動車保険に付帯する特約。「自動車だけでなく原付バイクにも乗るならば、わずかな追加保険料で“おまけ”的に原付の事故も補償します」といった意味合いのものです。だから排気量の大きいオートバイに乗る場合は、この特約ではなく単体の「バイク保険」に加入しましょう。なお、一般的に同居親族や別居でも独身の子までは対象となります。どの範囲までが補償されるかを確認の上、複数の自動車保険で重複してこの特約を付けてしまっていないかチェックすることをお忘れなく。

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ファミリーバイク特約には、「自損事故タイプ」、「人身傷害タイプ」が存在

 ファミリーバイク特約には自損事故タイプと人身傷害タイプの2種類があります。それぞれ補償範囲が異なるため、自分に合ったタイプを選ぶことが重要です。

 自損事故タイプは、事故を起こしたとき相手への対人・対物賠償を補償と単独事故を起こした際の自分のケガを補償してもらえますが、自分のケガについては相手がいる場合、補償されません。一方、人身傷害タイプは、相手への対人・対物賠償に加え、自身のケガでも責任割合を問わず、人身傷害保険から補償してもらえます。

 補償範囲は人身傷害タイプの方が手厚いですが、その分、特約保険料も高くなる傾向があるので注意が必要です。また、自損事故タイプはケガに対して症状に応じた金額が定額で支払われるのに対し、人身傷害タイプは実際の被害や損害に応じた金額が支払われるのも異なります。


根岸 潤
例えば、既に医療保険や傷害保険、就業不能保険などにも加入していて、自分がケガを負った場合の備えが万全であるなら「自損事故タイプ」で十分だと思います。逆に自身の身体についての保障が不十分ならば「人身傷害タイプ」がおすすめですが、これを機会に医療や就業不能状態のリスクについても別途検討してみるのもありでしょう。

ファミリーバイク特約のメリット・デメリットは?

 さまざまなメリットがあるファミリーバイク特約ですが、いくつかデメリットも存在します。ここでは、ファミリーバイク特約のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。良い点と悪い点を知ったうえで、利用するか検討してください。

ファミリーバイク特約のメリット

 ファミリーバイク特約のメリットは以下の通りです。

・運転者年齢条件がない。
・複数のバイクに特約が適用される
・他人名義のバイクに乗っていても特約が適用される
・保険を使っても保険料が上がらない

 ファミリーバイク特約は自動車保険の年齢制限に影響されません。自動車保険には、多くのプランで運転者年齢条件が「21歳以上補償」や「35歳以上補償」といったように運転者年齢条件があり、規定の年齢以下が乗車中に事故を起こしても保険が適用されません。しかし、ファミリーバイク特約は運転者年齢条件の影響を受けないので、仮に「35歳以上補償」の契約であっても高校生が原付バイクで事故を起こしたときに補償してくれます。

 ファミリーバイク特約は複数の原付バイクを保有している方がお得になるのもメリットです。適用される台数に制限がないので、家族で複数のバイクを保有している場合、保険料が安く済む場合が多いです。

 また、ファミリーバイク特約は、他人名義のバイクでの事故にも適用されます。仮に友人に原付を借りて運転中に事故を起こしても補償してもらえるのはメリットです。

 そのほか、保険を使っても保険料が上がらないメリットがあります。通常、保険を使うと次年度の等級が下がり、保険料が上がります。しかし、ファミリーバイク特約は保険を使っても等級に影響しません。

ファミリーバイク特約のデメリット

 ファミリーバイク特約のデメリットは次の通りです。

・特約単体での加入はできない
・車両保険は含まれない
・等級による割引がない

 ファミリーバイク特約は単体での加入はできません。自動車保険に加入した後、それとは別に申し込む必要があります。自動で付帯するわけではないので注意してください。

 また、ファミリーバイク特約は、自分のバイクへの補償(車両保険)はありません。自動車保険の方で車両保険に加入されていたとしても、事故でのバイクの修理費などは補償されませんので、注意してください。

 そのほかファミリーバイク特約は、等級による割引がないデメリットもあります。上記で等級によって保険料が上がることはないことは述べましたが、一方で、等級が上がっても割引を受けられません。1年間無事故で過ごしたとしても、保険料が安くならないのはデメリットと言えます。

一般的なバイク保険との違いは?

 バイクには自賠責保険のほかに任意保険も存在します。補償範囲がファミリーバイク特約と被る点もありますが、違う点も多くあるので使い分けることが重要です。

 バイク保険とファミリーバイク特約の最も大きな違いは、対象車両です。ファミリーバイク特約では、125cc以下の二輪車と50cc以下の三輪以上の車両が対象となり、基本的には125cc超は含まれません。

 また、バイク保険とファミリーバイク特約の違いの一つが搭乗者傷害保険の有無です。搭乗者傷害保険とは、車両に乗っている人が交通事故でケガをしたときに補償してくれる保険です。人身傷害保険と重複していますが、搭乗者傷害保険は保険金の計算方法が異なり、人身傷害保険の補償に上乗せして保険金を受け取れます。手厚い補償を受けたい方は、バイク保険がおすすめです。

 なお、ロードサービスの有無も大きな違いです。バイク保険にはロードサービスが付帯しますが、ファミリーバイク特約には付帯しません。バイクを使ってツーリングや旅行を楽しむ機会が多い方は、ロードサービスを利用できた方が安心して運転できます。

 そのほか、ファミリーバイク特約と異なり、バイク保険は無事故で過ごし続けると保険料が安くなる違いがあります。これは、無事故で過ごすことで等級が上がり、保険料が割引されるためです。契約初年度はファミリーバイク特約の方が保険料の支払いが安いですが、長期間契約するとバイク保険の方がお得になるケースが多いです。

 自分のバイクの使い道や用途、希望する補償内容に合わせてどちらの保険にするのか選択してください。


根岸 潤
単純に言うと、バイク保険は自動車保険の自動二輪車版。中型や大型バイクに乗るならぜひ加入しておきましょう。考えるべきポイントは自動車保険と変わりません。その車両はどのぐらいの頻度で使うか、運転する可能性があるのは誰かなどの使用環境をふまえた上で、各種保険や特約の要否、限度額、免責額などを検討してください。

まとめ

 ファミリーバイク特約は、自動車保険に付帯させられるバイク用の補償です。交通事故による治療費や対人・対物賠償を補償してくれます。125cc以下のミニバイクという制限がありますが、複数のバイクに適用されるため、家族で複数台のバイクを利用している方におすすめの特約です。

 ただし、ファミリーバイク特約はバイク保険と補償内容が重複しているため、どちらを選ぶのか検討する必要があります。保険料や補償内容、ロードサービスの有無などから判断して、自分に合った保険を選択してください。

※契約の詳細や支払い条件などは、保険会社によって異なる部分があります。詳細については、契約中・契約予定の保険商品の必ず「パンフレット」、「契約概要」、「注意喚起情報」、「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認下さい。

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FP2級、行政書士、トータル・ライフ・プランナー、損害保険プランナー

根岸 潤

一橋大学卒。株式会社ファシオ・コンサルティング ソリューション事業部 マネージャー。保険クリニック飯田橋店 店長。大手出版社、法律系事務所、メガバンクのコールセンターなどの仕事を経て保険業界へ。その多彩な経験を活かしながら、ファイナンシャルプランナーとして多くのお客様からの生損保の相談やライフプラン設計に携わっている。

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自動車保険の口コミと評判

  • アクサダイレクト

    • 30代・女性
      トヨタ プリウス

      以前加入していた大手保険会社よりも3割くらい安かったのと、事故時の対応の早さに利点を感じました。後ろからぶつけられた事故があったのですが、私も走行していた為2:8の過失になると警察の方からも想定されましたが、結果1.5:8.5に割合が減りました。お相手の方への連絡も早かったようで、ストレスなく終えることが出来ました。

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  • ソニー損害保険

    • 30代・男性
      トヨタ ウィッシュ

      1年間の走行距離により年間の保険料金が決まるしくみで、元々の予定走行距離を万が一超えてしまった場合でも高額な追加料金等は発生しないため、安心して利用することができます。変化の激しいライフスタイルで一年前に立てた計画とは大幅に変化することが当たり前の時代となったため、予定走行距を超えた際の安心感で利用をしています。

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  • イーデザイン損害保険

    • 40代・男性
      トヨタ アクア

      私の場合は事故当日の初期対応時間が長いことと弁護士特約が全員にセットされているので、もらい事故で車両保険を使っても等級に影響しないことが決め手でした。またインターネット割引が2年目以降もグリーンの免許証でもブルーの免許証と同じ保険料で割高にならないことが満足点だと思います。

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  • セゾン自動車火災保険

    • 40代・男性
      三菱 デリカD:5

      普段は車通勤ではなく自転車通勤であること、家族も自転車の使用が多いので、特約の中に自転車事故に対する補償が入っているものを探していた。また、個人損害賠償保険の特約もあったので、それが比較的安価で加入することができたのが、この保険に決めた大きな理由です。

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  • 東京海上日動火災保険

    • 50代・男性
      レクサス GS

      私が20代の頃に車を始めて買い、その時に加入した自動車保険を今まで引き続いて契約しており、きめ細やかなサービスを気に入っています。例えばふとした疑問について問い合わせをすると、調査してくれたうえで必ず正確な情報を迅速に提供してくれます。また忘れてしまいそうになる更新時期には必ず電話連絡をしてくれますので安心です。

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  • SBI損害保険

    • 60代以上・男性
      トヨタ CH-R

      以前は国産の大手保険会社に代理店を通して契約してましたが、家庭の3台の自動車保険契約で年間約30万円でしたが、SBIのオンライン見積もりの結果、補償内容もあまり変わらないのに、約半分の保険料になったので迷わず契約しました。自動車保険って代理店を介すると相当な手数料を含んでいるのかもしれない。

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