救急車の接近お知らせや出会い頭の事故も未然に防げる?トヨタの予防安全技術「ITS Connect」ってこんなにスゴい!【PR】

クルマ同士の通信で「見えない危険」も検知する!?

 そのほかにも、ITS Connectでできることはさまざまなものがあります。まずは、車車間通信機能から紹介しましょう。

 最初は、信号機のない見通しの悪い丁字路。こちらが一時停止線の前で停止、そこから左折しようとして、右側からクルマが近づくという状況です。

丁字路から優先道路などに進入する際、右側から接近するクルマが見えにくい場合がある。その際にはITS Connectを搭載したクルマ同士であれば車車間通信で「出会い頭注意喚起」が機能する

 左折をしようとしていたところ、たまたま10人ほどの歩行者が通りかかりました。

 その集団が道路を渡り終わってから、左折しようとしたところに、右側からクルマが接近してきたのです。

人の目に頼らない無線通信が出会い頭の接近車両を認識し、注意喚起する

 左折しようとしているクルマのドライバーの意識が歩行者に向いてしまったこともあり、右方向から進行してくるクルマには注意不足になりがちです。

 このような場合にはITS Connectが車両間の通信を確立して、「出会い頭(であいがしら)注意喚起」によってドライバーに車両の存在を通知します。

 この機能は上記のようなシチュエーションで本当に有効な機能だと感じた瞬間でした。

高速道路でもITS Connectの恩恵を享受!? 未来の高速はスイスイかも

 次に、舞台を高速道路に移しましょう。従来からあるレーダークルーズコントロールとITS Connectによる通信利用型レーダークルーズコントロールの比較体験です。

 すると、こちらが想像していた以上に明らかな差があるのが分かり、少々驚きました。

「通信利用型レーダークルーズコントロール」では従来のレーダークルーズコントロールよりも遅延のないダイレクトな加減速が実施される。これは渋滞解消にも寄与する技術だ

 通信利用型レーダークルーズコントロールのほうが、前車が加速した場合のこちらの加速開始タイミングが早いのです。

 また、前車が減速すると、ブレーキが早めにしっかりとかかり、車間距離を保つまでの時間も早くなっています。これなら、長距離移動でのドライバーの疲れがかなり軽減できるはずです。

 さらにはダイレクトな追従走行によって、高速道路の上り坂などで発生する「サグ渋滞」の解消にもつながることが期待されています。

通信利用型レーダークルーズコントロールが機能している際には、ディスプレイに表示されるクルマのイラストに、青い半円形の表示がされる

 以上のような車車間通信を体験するには、通信するクルマそれぞれにITS Connectを搭載していることが必要となります。

クルマや道路と通信できるからこそ日常で役立つ機能も豊富

 そして、交差点を右折時にもITS Connectは威力を発揮します。

 それは、対向車線からのクルマやバイク、さらに右折側の横断歩道の歩行者(※)がいる場合、注意喚起のためのアラートで通知する「右折時注意喚起」という仕組みです。

 ※歩行者を感知することが可能な設備を有した交差点の場合のみ通知

対向車線に止まる右折待ち車両によって、交差点を直進する対向車が見えにくい場合がある。このような時に路車間通信技術の「右折時注意喚起」が役立つ
道路に設置された感知器によって、車両と歩行者の存在が検知されている。右折時に衝突の危険がある場合は感知器からの情報をクルマに飛ばし、ドライバーへ警告音と画面表示で注意喚起をする

 今回は片側4車線の大きな交差点で、かつ対向車線に右折車もいる見通しが悪い状況でしたが、ドライバーと乗員の安心感が高まりました。この機能は前述の車車間通信でも対応しています。

 このほか赤信号の見落としをお知らせしてくれる「赤信号注意喚起」や赤信号の残り時間目安をお知らせしてくれる「信号待ち発進準備案内」のサービスもあります。

 ※以上のような路車間通信サービスは、路側装置が設置された対象交差点で作動

開発背景は悲惨な交通事故の存在

 そもそも、トヨタはなぜ、ITS Connectを開発したのでしょうか。目的は、交通事故死傷者ゼロです。

 警察庁によれば、1960年代の高度経済成長期には乗用車の需要が大きく伸びたことで、交通事故の発生件数や死傷者数も急増。1970年には、交通事故死者数が年間で1万6765人に達しています。

交通事故死者数は長期的に見ると減少傾向ではあるが、依然として年間約2000人以上が交通事故により命を落としている(画像:国土交通省 道路交通安全対策 1.交通事故の状況)

 こうした事態を重くみた国は、第一次交通安全基本計画を皮切りに、現在までさまざまな施策を講じて交通事故対策を進めた結果、2020年以降は年間死者数が2000人台で推移しています。

 背景には、スピード違反や飲酒運転の取り締まり強化、交通安全教室の実施、衝突しても乗員を守る車体開発、また近年では衝突を予防するための技術として衝突被害軽減ブレーキの採用など、国と自動車メーカーそれぞれの努力があったからと言えます。

 ただし、ここから一歩前に進んで交通事故死傷者ゼロを目指すためには、さらなる技術進化が必要でしょう。

ITS Connectによって未来の交通はより円滑に、事故のない社会が実現しているかもしれない

 例えば、今回体験したような見通しの悪い交差点など、クルマに搭載したカメラやレーダーなどでは検知できない状況での対応です。

 そこで考えられたのが、車車間や路車間での通信を使った予防安全技術なのです。

レクサスとトヨタにおけるITS Connectの展開車種は2024年10月時点でバスや救急車を含め27車種にのぼり、車種によって標準装備またはメーカーオプション(消費税込み2万7500円)設定となっている

 トヨタはこの分野にいち早く着目し、警察と協力しながらITS Connectの実用化を2015年から始めています。

 そのためには、まずはより多くのユーザーがITS Connectに実際に触れてみることが大事です。

 これと並行して、国、地方自治体、そして自動車業界が一丸となってITS Connectやその他の車載通信システムとの協調を進めることも必要だと感じます。

 クルマの次世代化が大きく進んでいる今こそ、社会におけるITS Connectの重要性がますます高まっているのです。

[Text:桃田健史 Photo:小林岳夫]

ITS Connectについて詳細はこちら!

【画像】未来の交通事情はITS Connectで変わるかも!? 画像で詳しく見る!(26枚)

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。

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