斬新「デュッセンバイエルン マイスター」が凄かった! 車名強そうな「超レトロ顔FRスポーツ」は直6&MT設定! 旧車風「丸目2灯&メッキバンパー」のBMWカスタム車が魅力的

BMWのオープンカーをベースに、メルセデス・ベンツの旧車を再現したモデルがあります。それが「デュッセンバイエルン マイスター」です。どのようなクルマだったか、振り返ります。

BMWベースなのにメルセデス・ベンツの外観!?

 かつて「デュッセンバイエルン マイスター」という、強そうな?名前のレプリカモデルが存在しました。

 どのようなクルマだったのでしょうか。

「ベンツ190SL」を「ビーエム」で再現した
「ベンツ190SL」を「ビーエム」で再現した

 生産台数が極端に少ないクルマや、歴史に名を残すような名車に乗ってみたい、もしくは、「本物よりはリーズナブルに手に入れたい」といったオーナーに向けたレプリカモデルは、古今東西、古くから数多く存在しています。

 有名な車種では、スイスのスバッロが作ったBMWの戦前モデル「328」、カナダのインターメカニカが手がけたフォルクスワーゲン「タイプ1」(ビートル)のシャシを用いたポルシェ「356」のレプリカのほか、アメリカでは、MRスポーツカーであるポンティアック「フィエロ」をベースにしてさまざまなフェラーリが作られてきました。

 また、「ナイトライダー」や「マッドマックス」、「ウルトラセブン」など映画や特撮の劇中で活躍したクルマもレプリカで再現されるなど、枚挙にいとまがありません。

 そのひとつに、「デュッセンバイエルン マイスター(Duesen Bayern Mystar)」があります。何やら必殺技にも聞こえる強そうな名前ですが、正しくは「デュッセンバイエルン」というブランドの「マイスター」というクルマになります。

 デュッセンバイエルン マイスターは、BMWの2シーターオープンスポーツモデルの「Z3」をベースに、メルセデス・ベンツの往年の名スポーツカー「190SL」(R121)を模したレプリカモデル。

 ベースのZ3に合わせ、エンジンは1.9リッター直列4気筒と、2/2.2/2.8/3リッターの直列6気筒エンジンを搭載。ハンドル位置も左右から選ぶことができ、トランスミッションも4速ATのほか、5速MT車も設定しました。

 なおZ3のボンネットはフロント全体でガバっと開くのが特徴ですが、マイスターも同様に開きます。

「バイエルン」という車名は、まさにBMW(バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ:Bayerische Motoren Werke GmbH、バイエルン州のエンジン工場の意)を元にしていたためです。

「デュッセン」は、ドイツ出身のデューセンバーグ兄弟がアメリカで興したブランド「デューセンバーグ(Duesenberg)」から取られたといいます。

 外装でZ3から流用されたのは、フロントウインドウスクリーンと両ドア程度。それ以外のボディパネルはFRPで成型。オリジナルの190SLの雰囲気を漂わせるクラシカルな外観を、Z3のデザインに落とし込むことに成功しています。

 いっぽう内装はZ3のままですが、メカニカルコンポーネントがZ3のBMW車というのは大きな強み。

 パワーステアリング・パワーウインドウ・エアコンなどを備えたマイスターは、過酷な現代の路上でも快適なドライブを楽しめます。見た目がレトロで中身は新しい、というある意味理想的なクルマと言えるでしょう。

 高い品質で生産されたマイスターは、その名前とベース車から海外メーカーの製作ではないかと思われがちですが、さにあらず。なんと作ったのは愛知県の安城市の「車輪庫」という日本の会社でした。

 同社は「家宝として受け継がれるような本物のクルマ作り」を目指して2001年に設立され、翌2002年には、早くも第一弾となるデュッセンバイエルン マイスターを発表。価格は排気量や新車・中古車などベース車の違いにより390〜750万円台とアナウンスされました。

 生産台数は100台限定とされましたが、最終的には60台程度の受注・販売が行われたようです。

 同年、車輪庫は日産「マーチ」(3代目・K12型)をベースにフィアット「500」(1957年デビューのヌォーヴァ500)の姿を投影した「リッツ(Ritz)」を、さらに2007年にはマイスターと良く似つつもメルセデス・ベンツらしさを取り除いた「アグネス(Agnes)」を発売しています。

 ちなみに大手中古車検索サイトによると、2025年12月現在、4台のマイスターが掲載されています。

 車両本体価格は585万円〜985万円で、決して安価ではありませんが、世界で60台ほどしか作られなかった希少性と、オリジナルの190SLが今や数千万円クラスで入手困難なビンテージカーであることを考えると、その価値は充分にあると思います。

 現時点で同社のホームページは閉鎖されていますが、盛業中ではあるようです。ただし現在の動向は不明。

 いつか再びオリジナルカーを作り、オートサロンなどのショーに復帰することを期待しましょう。

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Writer: 遠藤イヅル

1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。

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