運転免許証、一体どの“持ち方”を選ぶべき? 「マイナ免許証」のメリットとデメリットは? 所有方法は3種類
2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証が一体化した「マイナ免許証」の運用が始まりました。そこから約9か月が経過しましたが、実際に手続きをした人からはどのような反響があったのでしょうか。
「マイナ免許証のみ」は手続き、手数料面でメリットあり! 一方再交付に時間がかかる問題も
2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」の運用が開始されました。
マイナンバーカードのICチップに免許証番号や免許の有効期間、免許の種類・条件などの免許情報を記録することで、マイナ免許証として利用できます。
保有の仕方には3種類ありますが、一体どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

マイナ免許証の登場により、免許保有者は現在、以下の3つの免許証の“持ち方”が可能になっています。
1. マイナ免許証のみを保有する
2. マイナ免許証と従来の運転免許証の両方を保有する(2枚持ち)
3. 従来の運転免許証のみを保有する
警察庁の統計によると、2025年10月末時点でのマイナ免許証の保有者数は全国で178万8434人であり、そのうちマイナ免許証のみを保有している人は53万9226人、マイナ免許証と従来の運転免許証の2枚を保有している人は124万9208人でした。
つまり2枚持ちの人が、マイナ免許証保有者の約7割と多数を占めている状況といえるでしょう。
そもそもマイナ免許証を保有するメリットとしては、主に次のような点が挙げられます。
1. 住所や氏名などの変更手続きが容易になる(マイナ免許証のみを保有する場合)
2. 免許更新時の講習をオンラインで受講できる(優良運転者・一般運転者が対象)
3. 免許証の住所地以外での免許更新が迅速化され、免許更新期間もこれまでより延長される
4. 免許更新の手数料が最も安くなる(マイナ免許証のみを保有する場合)
上記1は、これまで引っ越しや結婚などにともなう住所・氏名の変更手続きを、マイナンバーカードは市区町村役場で、運転免許証は警察でそれぞれおこなっていましたが、マイナ免許証のみ保有する場合は、それらの手続きが市区町村役場に行くだけで完了します。
次に上記2については、マイナ免許証を使うことで、免許更新時の講習をパソコンやスマートフォンなどから好きな場所・好きな時間にオンラインで受講できるというものです。
オンライン化するのはあくまで講習部分のみで、視力検査や写真撮影などは警察でおこなう必要があるものの、小さな子どもを持つ家庭からは「子どもが寝てからゆっくりと受講できる」といった好意的な声が上がっています。
また上記3は、転勤や家庭の都合などで、免許証の住所地以外に住んでいる人でも免許更新の手続き(経由地更新)がしやすくなるというものです。以前は優良運転者しか経由地更新ができなかったうえ、免許更新期間も通常より1か月短い状況でした。
現在は一般運転者も経由地更新ができるようになったほか、マイナ免許証を持っていれば通常と同じ免許更新期間で手続きができます。
そして上記4に関しては、免許更新の手数料はマイナ免許証のみを保有する場合が2100円、2枚持ちの場合が2950円、従来の運転免許証のみを保有する場合が2850円で、マイナ免許証のみ持つケースが最も安くなります。
なお、免許更新時の講習手数料についてもオンライン受講が200円と最も安く、会場で受講すると講習区分(優良・一般・違反・初回)に応じて500円~1400円の手数料がかかります。
このようなメリットがあるマイナ免許証ですが、一方で「紛失した場合、再発行までに時間がかかる」「海外で利用できない」などのデメリットも指摘されています。
仮にマイナ免許証を紛失すると、まず市区町村役場でマイナンバーカードの再交付を受け、その後警察でマイナンバーカードのICチップに免許情報を記録する手続きをおこなわなければなりません。
しかしマイナンバーカードの再交付には早くても1週間程度の期間がかかることから、マイナ免許証しか保有していない場合は「免許証不携帯」の状態となり、車両の運転ができません。
もしすぐに車両を運転したい場合は、免許センターや運転免許試験場などで従来の運転免許証の即日交付を受けることにより、再び運転が可能となります。
さらに海外で車両の運転をする場合、渡航先の国によっては国際運転免許証の申請時に従来の運転免許証が必要になるケースがあります。そのため、自身の状況に応じて免許証の持ち方を検討すべきといえるでしょう。
実際に免許更新をした人の選択は?
では実際に免許更新をした人は、免許証の持ち方をどのような理由で選択したのでしょうか。
参考として、くるまのニュース運営会社の社内で独自に行ったアンケートでは、「マイナ免許証のみ保有」を選んだ人と「従来の免許証のみ保有」を選んだ人から次のようなコメントが寄せられました。
●マイナ免許証のみ保有
「私の場合は、単純にペーパードライバーで免許として実用していない&万が一乗ることになったとしてもマイナカードを常に財布に入れている派で不携帯が起こらないため、マイナ免許証のみ保有を選びました」
加えて、以下のような経験談も。
「近頃入籍して名前が変わったり、券面がいっぱいになったりでマイナンバーカードの再発行をして1ヶ月ほどカード無しになっていたので、マイナ免許証のみのドライバーは一時的に免許不携帯になるのではという懸念がありました」
「また江東試験場(東京都)では、海外で運転する人は従来の運転免許証を持っていた方がいいですよという案内しかなかったので、仕組みとして本当にこれで良いのか? とは思っています。ただ、改姓の手続きがとても面倒だったので、住所や名前の変更手続きがワンストップ化されることは大歓迎です」
上記のようにマイナンバーカードの再交付に一定の期間がかかることを心配しつつも、住所・氏名変更の手続きが容易になることを喜ぶ声が聞かれました。
●従来の運転免許証のみ保有
「本当は両方にしたかったのですが、予約サイトの質問がわかりづらかったため、結果的に従来の免許証のみになってしまいました。当日窓口での変更は受け付けてもらえませんでした」
警視庁の運転免許手続予約サイトでは、免許更新ハガキに記載された予約用IDや講習区分、更新する免許証などを選択する画面があります(画像参照)。
この「更新する免許証」の選択では、更新後の免許証の種類を選ぶことになっていますが、これから更新する免許証(現在保有している免許証)を選ぶものと勘違いしてしまったことで、本来望んでいた免許証を取得できなかったという声がありました。
そのほか、「理由は特にないが、従来のものとマイナ免許証の両方を選択した」という声が寄せられたほか、SNS上では、「マイナ免許証1枚にしようと思ったけど、マイナ免許証に対応してないレンタカー会社があるのとマイナ免許証をなくすと再発行に1ヶ月以上かかるらしいから免許証とマイナ免許証の2枚持ちにした」との声も聞かれました。
実際のところ、レンタカー会社やカーシェア会社では依然としてマイナ免許証のみの手続きに対応していないケースがあり、これらのサービスを頻繁に利用する場合は免許証の2枚持ち、もしくは従来の運転免許証の保有を検討した方が良さそうです。
※ ※ ※
マイナ免許証のみ保有する場合は手続きや手数料の面などからメリットがある一方で、再交付に一定の期間を要したり、使用が制限される場面があったりとデメリットもみられます。
どのような持ち方を選択するのかは、日常的にクルマを運転する機会があるのか、頻繁に転居があるのかなど、各個人の状況に合わせて選ぶことが大切です。

そのほか、「理由は特にないが、従来のものとマイナ免許証の両方を選択した」という声が寄せられたほか、SNS上では、「マイナ免許証1枚にしようと思ったけど、マイナ免許証に対応してないレンタカー会社があるのとマイナ免許証をなくすと再発行に1ヶ月以上かかるらしいから免許証とマイナ免許証の2枚持ちにした」との声も聞かれました。
実際のところ、レンタカー会社やカーシェア会社では依然としてマイナ免許証のみの手続きに対応していないケースがあり、これらのサービスを頻繁に利用する場合は免許証の2枚持ち、もしくは従来の運転免許証の保有を検討した方が良さそうです。
※ ※ ※
マイナ免許証のみ保有する場合は手続きや手数料の面などからメリットがある一方で、再交付に一定の期間を要したり、使用が制限される場面があったりとデメリットもみられます。
どのような持ち方を選択するのかは、日常的にクルマを運転する機会があるのか、頻繁に転居があるのかなど、各個人の状況に合わせて選ぶことが大切です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。



























