ダイハツ斬新「“6人乗り”プレミアムミニバン」が凄い! 全長4.3mボディ&ガバッと開く「観音開きドア」採用! “都会派クロスオーバー”風デザインもイイ! 「DNマルチシックス」とは?
ダイハツが過去に披露した「DNマルチシックス」はSUV風のコンパクトなボディに3列シートを配置した画期的なコンセプトカーでした。一体どのような特徴があるのでしょうか。
コンパクト×プレミアムを掲げた6人乗りミニバン
市販化には至らなかったものの、クルマ好きの記憶に強く残っているコンセプトカーは少なくありません。
そのひとつが、ダイハツが2017年の「第45回 東京モーターショー」で披露した6人乗りのコンパクトミニバンです。

そのクルマの名は「DNマルチシックス」。同車は、「コンパクトながらスタイリッシュなプレミアム6人乗りミニバン」をコンセプトに掲げていました。
ダイハツのコンパクトカー技術を活用したFF(前輪駆動)ベースのミニバンで、2017年の「ガイキンド・インドネシア国際オートショー」にて世界初公開されています。
インドネシア市場では、「セニア」「シグラ」に続く新たなカテゴリーのMPVとして提案されました。
DNマルチシックスのボディサイズは、全長4310mm×全幅1720mm×全高1695mmで、ホイールベースは2620mm。都会派クロスオーバーを思わせる、スタイリッシュなシルエットが特徴です。
タイヤサイズは225/50R18を採用。ヘッドライトやテールライトはシャープな形状とされ、ボディ下部にアクセントカラーを配している点も印象的です。
インドネシアのみならず、日本市場でも十分に通用しそうなデザインといえるでしょう。
また、助手席側のドアにはBピラーを内蔵した観音開き式ドアを採用しており、これは非常に画期的な試みでした。
軽自動車「タント」で業界初のセンターピラーレス構造や「ミラクルオープンドア」を実現した、ダイハツならではの発想が生かされています。
シートレイアウトは3列6人乗りで、ウォークスルーを採用することで3列目シートへのアクセス性を高めています。
観音開きドアによる大開口に加え、ホワイトカラーのシートや全面ガラスルーフを採用し、明るく開放的な室内空間を演出しました。
インパネ周りはボタン類を極力排した、先進的かつミニマルなデザインとされています。
パワートレインには1.5リッターのガソリンエンジンを搭載し、駆動方式はFFです。
しかし、このDNマルチシックスが日本で市販化されることはありませんでした。
2025年末時点におけるダイハツの国内乗用車ラインナップは、軽自動車を除くと「ロッキー」と「トール」の2車種のみで、3列シートを備えたミニバンは存在しません。
国内では「フリード」や「シエンタ」といった全長4.3m級のミニバンが高い人気を誇っており、これらと真っ向から競合する3列シートのコンパクトミニバンを投入するのは、容易ではなかったと考えられます。
ただし、2017年11月にフルモデルチェンジが発表されたインドネシア向け7人乗りコンパクトSUV「テリオス」には、デザインやパッケージングの面でDNマルチシックスと共通する要素が少なからず見受けられます。
Writer: 山城颯太
理系国立大学を卒業後、自動車メディアを中心にフリーランスのライターとして活動中。TOEIC 925点。クルマから電車、飛行機まで乗り物大好き。主に新型車のグレードに焦点を当てたモデル紹介、海外車の執筆などを担当。








































