新車91万円で「7人乗車」可能! 全長3.7mのスズキの小さなミニバン「イーコ」に注目! MT仕様のみで必要最低限の装備! インド製シンプルミニバンの魅力とは
海外ではシンプルで頑丈な設計のロングセラーモデルが根強い人気を誇っています。その代表例として、スズキの小型ミニバン「イーコ(Eeco)」を紹介します。
必要最低限のシンプル構造
燃費や安全性能向上への要求、さらには原材料費や輸送費の高騰により、新車の車両価格が上昇を続けています。
こうした状況のなか、海外ではシンプルで頑丈な設計のロングセラーモデルが根強い人気を誇っています。その代表例として、スズキの小型ミニバン「イーコ(Eeco)」を紹介します。
現在の新車市場では、先進運転支援機能の搭載や電動化技術の進展により、クルマの高性能化が進んでいます。それに伴って新車価格も上昇し、軽自動車でも200万円を超えることが一般的になってきました。
しかし発展途上国では、そうした機能を省略し、実用性を重視したシンプルなモデルが長期にわたって支持されています。スズキのイーコはその典型的な例です。

イーコは2010年1月に発売された小型ミニバンで、スズキのインド子会社であるマルチ・スズキが製造・販売しています。このモデルのベースとなったのは、1999年6月に日本で登場したキャブオーバーワゴン「エブリイ+」(後に「エブリイランディ」に名称変更)です。
日本での販売開始から数えると26年の実績を持ち、2023年2月にはインド市場だけで累計販売台数100万台を達成する人気モデルとなっています。
ボディサイズは全長3675mm×全幅1475mm×全高1825mmと、ほぼ軽自動車並みのコンパクトな車体ながら、2人乗り商用モデル、5人乗り乗用モデルに加え、3列シートを備えた7人乗りモデルもラインアップしています。
外観デザインはベースとなったエブリイ+および4代目「エブリイ」の非常にシンプルなスタイルがほぼそのまま維持されています。ヘッドライトのリフレクターが変更され、やや精悍な表情になっていますが、フロントバンパーは無塗装の樹脂製で装飾は一切ありません。
サイドビューも樹脂製のシンプルなドアハンドルが付くのみで、装飾パネルやスポーティな造形などは皆無です。オプションでサイドデカールなどが用意されており、多少のアレンジは可能です。リアデザインはエブリイとほぼ同一です。
インテリアも実用的かつシンプルな仕様となっています。装飾やステッチなどのない落ち着いたインパネは、運転のしやすさを優先した設計です。
装備はダイヤル式マニュアルエアコン程度で、小物入れや装飾パネルなどはなく、最小限の塩ビ素材が貼られたドアトリム、コストを抑えたヘッドレスト一体型シートなど、徹底的に簡素化されています。
ただし、シートやインパネのカラーはホワイトとグレーの2トーンとなっており、わずかに現代的な調和が図られています。
イーコは2022年11月に大幅改良が実施され、パワートレインが刷新されました。現在は最高出力81馬力、最大トルク104Nmを発生する4気筒1.2リッター「アドバンスドKシリーズ・デュアルジェット・デュアルVVT」エンジンを搭載し、ガソリン仕様とCNG(圧縮天然ガス)仕様が設定されています。トランスミッションは5速MTのみの設定です。
装備面ではデジタルメーターや盗難防止装置付きキーが採用され、安全性能も向上しています。価格は52万9000ルピー(約91万円)からと手頃な設定となっています。
イーコの販売は好調で、インドのコンパクトミニバン市場では94%というシェアを獲得しており、マルチ・スズキは「インド国内でもっとも売れているバン」と説明しています。
現在の日本では200万円以下で新車購入できるミニバンはなく、最も安価なモデルでもトヨタ「シエンタ」の基本グレードが207万7900円からとなっています。
日本市場で求められる安全性能や環境性能は、イーコの設計思想では対応が難しい面もありますが、物価が高騰する昨今では、こうしたシンプルで手頃な価格のクルマにも一定の需要が見込めるのではないでしょうか。
発展途上国では、イーコのように登場から長い年月が経過した旧設計モデルが愛用されています。その理由としては、未舗装で狭い道路が多い地域では、大きなボディサイズが不要であることが挙げられます。
また、電子制御が少ない旧式設計がかえって利点になる場合もあります。例えば、故障した際に手持ちの工具や簡単な部品だけで修理できるメリットがあるのです。さらに、長年にわたる販売実績から、補修部品の供給体制や修理ノウハウが充実していることも大きな強みといえるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。
































