新車49万円! スズキの斬新「“ちいさな”軽自動車」に反響殺到!「これが真のピュアスポーツ」「カスタム素材にもサイコー!」の声も! わずか“570kg”の「超軽量ボディ×5速MT」搭載! “全長2.7m”の異端児「ツイン」とは!
小型車づくりが得意なメーカーとして知られるスズキ。同社の歴史の中には、群を抜いて小さく、あまりにも独創的な一台が存在しました。
新車49万円! スズキの斬新「“ちいさな”軽自動車」に反響殺到!
スズキといえば、初代から46年間に渡って親しまれている軽セダン「アルト」や、ハイトワゴン時代を切り拓いた「ワゴンR」、そして走りの評価も高いコンパクトカー「スイフト」など、小型車づくりが得意なメーカーとして知られています。
しかし、そんなスズキの長い歴史の中において、群を抜いて小さく、そしてあまりにも独創的な一台が存在しました。それが、いまから約20年前の2003年に登場した軽自動車「ツイン」です。

ツインは車名が示す通り、乗員をあえて「2名」に限定するという大胆なコンセプトで開発されたこのクルマは、効率化と実用性が最優先される軽自動車市場において、異彩を放つ存在としてデビューしました。
そのあまりに割り切ったパッケージングと愛らしいデザインは、生産終了から長い月日が流れた現在でも、SNSやネット掲示板などで度々話題に上がるほど、強烈なインパクトを残しています。
ツインの最大の特徴は、その極端に短いボディサイズにあります。一般的な軽自動車の全長が規格いっぱいの3395mmであるのに対し、ツインはわずか「全長2735mm」。これは通常の軽自動車よりも約70cmも短い数値であり、軽自動車枠の中にありながら、さらに二回りほど小さいという特異なプロポーションを持っていました。
多くの軽自動車が室内空間を少しでも広く確保しようとスクエアな形状を採用する中、ツインはシティコミューターとしての役割に特化することで、キャビン部分を丸く絞り込んだ、おもちゃのように愛らしい斬新なデザインを実現。
このサイズ感は取り回し性能にも直結しており、ホイールベースの短縮によって最小回転半径は驚異の3.6mを達成。狭い路地や混雑した駐車場でも、まるで自転車のような感覚で扱える機動性は、ツインならではの大きな武器でした。
小さなボディは車両重量の軽量化にも貢献し、最もシンプルなグレードである「ガソリンA」(FF/5速MT)では、現代の基準では考えられないほどの軽さである「わずか570kg」という車両重量を成立。
この圧倒的な軽さによって、複雑なシステムを持たないガソリンエンジン車でありながら、当時としては非常に優れた「26km/L」(10・15モード燃費)という低燃費性能を達成しました。
さらに車両本体価格(以下、消費税抜)も49万円からと、衝撃的に安価な設定となっており、これに対しネット上のクルマ好きの間では「現代のクルマは重すぎる。ツインの軽さは魅力的」「余計な装備のないピュアなライトウェイトスポーツカーだ」「ツインはカスタム素材としても最高だよ!」といった、シンプルな機械としての価値を再評価する声が多く聞かれます。
しかし先進的すぎたコンセプトゆえに、当時の市場での現実は厳しいものでもありました。49万円という価格を実現するために徹底的なコストダウンが図られたガソリンAグレードには、現代の必需品であるエアコンやパワーステアリングさえ搭載されておらず、あくまで短距離の移動用としての側面が強いものでした。
一方で、ツインにはスズキの市販車史上初となるハイブリッドシステム搭載車もラインナップされていました。鉛バッテリーを用いた簡易的なシステムではありましたが、アイドリングストップとモーターアシストにより34km/Lというさらなる低燃費を実現。
しかし、駆動用バッテリーなどの追加によって車重が大幅に増加してしまい、軽快さが損なわれただけでなく、ただでさえ狭いラゲッジスペースがバッテリーに占領されてしまうというジレンマを抱えることに。価格も129万円からと、ガソリン車に対して80万円もの価格差があり、燃費向上分で元を取ることが現実的に難しいという点も、普及を妨げる要因となりました。
こうした背景から、多くの一般ユーザーはツインを「2人しか乗れない不便な軽自動車」と見なしてしまい、販売は低迷。発売からわずか3年後の2005年には、ガソリン仕様、ハイブリッド仕様ともに生産・販売が終了するという短命なモデルとなってしまいました。
しかし、生産終了から約20年が経過した現在、ネット上では「時代が早すぎた名車だった!」「今の時代こそ、こういう1人乗りや2人乗りの超小型モビリティが必要とされてる気がする」といった、ツインの先見性を称えるコメントが散見されます。
また、丸みを帯びた特徴的なデザインについても「今見ても全く古臭くない」「このデザインとサイズ感のまま、最新のバッテリーを積んでEV(電気自動車)として復活してほしい」という切実な要望も少なくありません。
このように商業的には成功を収めたとは言い難いツインですが、単なる失敗作として歴史に埋もれさせてしまうべきではないでしょう。
ツインの開発で培われた徹底的な軽量化技術や、黎明期のハイブリッドシステムの知見は、その後のスズキの技術開発に多大なる影響を与えました。現在のスズキが、4人乗りのアルトやワゴンRなどで驚異的な軽さと燃費性能を実現している背景には、かつてツインという小さな実験モデルが身体を張って切り拓いた道があったのです。
「小さく、少なく、軽く、短く、美しく」というスズキの哲学「小・少・軽・短・美」を極限まで追求したツインは、スズキの未来にとっての「大きな一歩」であった偉大なモデルとして、ファンの記憶に刻まれ続けています。
Writer: くるまのニュース編集部
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