ヤマハの「ちいさいスポーツカー」に注目! 全長4m以下×超軽量ボディが画期的! “バイク風”外観デザイン&木目インテリアがカッコいい「スポーツライドコンセプト」とは!
かつてヤマハは四輪車のスポーツカー「スポーツライドコンセプト」を公開して注目されました。完成度が高かったものの市販化には至らなかったのですが、どのようなモデルだったのでしょうか。
全長4m以下×超軽量ボディが画期的!
2025年10月末に開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」では、多くのコンセプトカーや新型車が披露され、大いに盛り上がりました。
JMSの前身である「東京モーターショー」でも、異彩を放つモデルが登場していますが、なかでも2015年の同ショーで世界初公開されたヤマハ「スポーツライドコンセプト」は、バイクメーカーならではの発想と技術が詰まったモデルとして注目されています。

スポーツライドコンセプトの最大の特徴は、バイクメーカーであるヤマハが「もしスポーツカーをつくったら」というテーマを掲げ、車重わずか750kgという圧倒的な軽さを実現した点にあります。
ヤマハの四輪への挑戦は以前から続いており、1990年代にはF1エンジンを搭載した「OX99-11」の市販化を計画していましたが、経済状況の影響などで中止となった経緯がありまました。
それから約20年を経て登場したこのモデルは、より現実的なサイズと高い完成度を備えた、本格的な四輪参入への第2弾プロジェクトでした。
このマシンの核となったのは、F1デザイナーのゴードン・マレー氏が開発した「iStream Carbon」という製造手法です。
これはカーボンの間にハニカム材を挟んだ複合パネルを用いるもので、従来の大量生産方式では難しかった「超軽量かつ高剛性」な車体を、効率的に生産することを目指した画期的な技術でした。
ボディサイズは全長3900mm×全幅1720mm×全高1170mmとコンパクト。それでいてワイド&ローな、古典的スポーツカーのプロポーションです。
デザイン面では、ヤマハのバイクに通じる「エレメンタリズム」という哲学が取り入れられています。
各パーツが独立した機能美を持ちながら全体で調和する構成となっており、外装にはスーパースポーツバイク「YZF-R1」をイメージさせるライト類やセンター出しマフラーを採用。
内装にはレザーやアルミに加え、ヤマハの楽器部門が手掛けた木製パネルが使われるなど、グループの技術が結集されていました。
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これほど完成度が高く、市販化が期待されていたスポーツライドコンセプトですが、残念ながら発売には至りませんでした。
2019年、ヤマハは四輪車開発プロジェクトの断念を発表。その主な理由は、スポーツカーという限られた市場において、革新的な製造設備への投資に見合う利益を確保することが難しいという経営判断でした。
プロジェクトは中止となったものの、ここで培われた軽量化の思想は、後にゴードン・マレー氏が設立した自身のブランドのスーパーカー開発に受け継がれています。
Writer: くるまのニュース編集部
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