ブリザック史上“断トツ”のアイスコントロール性! 新スタッドレスタイヤ「ブリザックWZ-1」 冬の旭川で履いてみた

ブリザック史上“断トツ”のアイスコントロール性をうたう、ブリヂストンの新スタッドレスタイヤ「ブリザックWZ-1」はどれほどの性能なのか、軽自動車からミニバンまで、冬の旭川で実走テストしました。

ホンモノの雪道を「ブリザックWZ-1」で走る!

 冬道での安心感をどこまで高められるのか。ブリヂストンがその答えとして投入したのが、新スタッドレスタイヤ「ブリザックWZ-1」です。2025~2026年の冬シーズンを前に発売されたこのモデルは、ブリザック史上“断トツ”のアイスコントロール性をうたっています。

トヨタ「アルファード」にも「ブリザックWZ-1」を装着
トヨタ「アルファード」にも「ブリザックWZ-1」を装着

 発売に先立ち2025年の夏、筆者(こもだきよし)はアイススケートリンクで氷上ブレーキやコーナリングを試す機会を得ました。ではホンモノの冬道はどうか。スタッドレスタイヤの真価を試すべく、12月初旬、北海道・旭川を舞台に実走テストを行いました。

 まず試したのはホンダ「N-BOX」です。装着されていたタイヤサイズは155/65R14 75Q。市街地はほぼドライ路面でしたが、走り出してすぐに感じたのは乗り心地の良さでした。入力に対する当たりはソフトで、突き上げ感は控えめ。パターンノイズやロードノイズもよく抑えられており、快適性はかなり高い印象です。

 ハンドリングも自然で、スタッドレスタイヤにありがちな応答の遅れや手応え不足は感じませんでした。夏タイヤと比べても大きな違和感はなく、ドライバーの操作に素直に反応してくれました。

 続いて乗ったのは重量級ミニバンのトヨタ「アルファード」(タイヤサイズ:225/65R17 102Q)です。N-BOXのようなやわらかさこそありませんが、しっかりとした操縦感があり、ワインディングの多い山道でも夏タイヤ並みの安定感で走れました。標高が上がるにつれて雪が降り始め、路面には徐々に雪が積もっていきます。

 ここからがWZ-1の本領発揮です。薄く雪が積もった路面では、不安を覚えることなく走行できました。さらに、雪が押し固められて凍結したわだちでは、山と谷のようになった部分を越える場面もありましたが、滑り出しそうでいて踏みとどまり、少しふらつきながらも確実に登っていきました。

 特に印象的だったのが、アイスバーンの上に雪が積もった路面です。一見グリップしそうに見えて、実は非常に滑りやすい条件ですが、WZ-1は限界を超えても挙動が穏やかでした。突然ツルンと大きく滑るのではなく、滑りながらもグリップが残っている感覚があり、ドライバーが慌てにくいのです。

 アクセルを戻す、ブレーキを緩める、ハンドルを戻すといった基本的なリカバリー操作に対して、すぐにグリップを回復してくれる点も安心材料でした。重量のあるアルファードでも、アイス性能の高さをはっきりと実感できました。

とにかく性能が落ちないワケとは

 次に試したトヨタ「RAV4」は、アルファードより軽量な分、滑りやすい下り坂のカーブでも扱いやすい印象です。アイスバーンに雪がのった路面でも、前後どちらかだけが急に破綻することがなく、バランスを保ったまま挙動が収まりました。コーナーでのノーズの入りも良く、終始安心して走れました。

ENLITEN(エンライトン)テクノロジーという設計思想に基づく「ブリザックWZ-1」
ENLITEN(エンライトン)テクノロジーという設計思想に基づく「ブリザックWZ-1」

 さらにコンパクトなトヨタ「ヤリス」(185/60R15 84Q)では、直進付近のニュートラル感にやや軽さを感じたものの、軽快なハンドリングで楽しく走れました。下り坂のアイスバーンでABSが作動するような急ブレーキを試しても、予想以上の制動力を発揮していたのが印象的です。

※ ※ ※

 WZ-1は、先代の「VRX3」と比べてアイス路面での制動距離が11%短縮されているとのこと。危険回避能力の向上に対する期待も高く、ユーザーアンケートでは約90%が「アイスバーンでよりしっかり止まること」に期待しているそうです。次いで「雪が積もった路面でしっかり止まる」が78.8%、「アイスバーンで横滑りしない」が56%と、多くのユーザーが性能向上を求めています。

 筆者自身、特に興味を引かれたのはアイス性能の持続性です。WZ-1は経年による性能低下が少なく、約4年経過してもVRX3の新品時を上回る氷上ブレーキ性能を維持しているというデータがあります。ロングステイブルポリマーを用いたWコンタクト発泡ゴムにより、素材(ゴム)のやわらかさを長く保てる点が効いているようです。

 先代のVRX3におけるドライ、ウエット、スノー、アイス性能には非常に満足していましたが、その完成度を超える形でWZ-1が登場したことになります。

 背景にあるのが、ENLITEN(エンライトン)テクノロジーという考え方です。タイヤを薄く、軽く、円(まる)く作ることで基本性能を高め、そのうえでキャラクターに応じた性能を伸ばしていく設計思想をいいます。

 いずれにしても、冬道を走るうえで新しいブリザックWZ-1は、より多くのドライバーに確かな安心感をもたらしてくれる存在と言えるでしょう。

【写真】軽からミニバンまで! ブリザック新作「WZ-1」を履いてみた(32枚)

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