ダイハツの「めちゃ小さいクルマ」が凄かった! 「全長2.2m」の小さなボディにミニマム装備で“ママチャリ”みたいな「手軽モデル」! 日常の足に最適な「ミゼットX」コンセプトカーに期待

ダイハツはかつての「ミゼット」の再来ともいえるコンセプトカー「ミゼットX」を出展しました。コンセプトカーにかける想いや特徴を聞いてみました。

「ママチャリ」の延長にある「ミゼットX」

 高度経済成長期の日本を支えた小さな働くクルマの代表格といえるのが、ダイハツの3輪トラック「ミゼット」でしょう。

 2005年にヒットした邦画「ALLWAYS 3丁目の夕日」でも昭和33年の東京の下町を元気に駆け回るミゼットの姿が印象に残っている人もいるのではないでしょうか。

 ダイハツは、2025年10月に開幕した「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」で、同社の原点といえるミゼットの未来の姿として、コンセプトカー「ミゼットX」を出展しました。今回は、ダイハツの技術者に、小さく身近な未来のクルマに込めた想いと特徴を聞きました。

往年の「ミゼット」復活を期待させる「ミゼットX」
往年の「ミゼット」復活を期待させる「ミゼットX」

「未来の小さなダイハツメイ!」のキャッチコピーが与えられたコンセプトカー「ミゼットX」は、2輪車の気軽さと4輪車の便利さを融合した「初代ミゼット」の発明精神を現代位に受け継ぎ、小さくて使いやすい生活の役立つモデルとして生み出されました。

 非常に小さなクルマで、かつて日本で活躍し、原付免許でも運転できたミニカーも連想させる存在です。

 ミゼットXは、後輪駆動の小さな4輪車で、電気モーターで走行するEV(電気自動車)であることが明かされています。1人乗りの小さなキャビンの後部に、荷台などの積載スペースを設けたパッケージは、まさに初代ミゼットから受け継いだもの。

 JMS2025では、初代の最終型となる「MP5型」を展示。両者を見比べると、時代の流れを感じさせるスタイルの違いはあれど、初代ミゼットの精神を強く受け継がれていることが伝わってきます。

 JMS2025で展示されたミゼットXは、母と子が使う電動サイクルよりも便利なシティコミューターに仕上げられ、開発者は「ママチャリの延長上のクルマ」と説明します。

 キャビンは、1人乗りのセンターレイアウトのコクピットを採用。運転席後部のスペースを活用し、運転席の左右に、専用チャイルドシートが装備されています。

 これならば、お子さん2人を連れながら、雨や風を気にせず、楽々と移動し、買い物の荷物を積むこともできます。

 コクピットはシンプルですが、デジタルな空間に、なんとペダルレスのレイアウトで、ステアリングとレバー操作だけで運転できる仕様なので、小さなボディでも窮屈さを感じない内容に配慮されています。

 装備としては、天候に左右されず、明朗な視界が得られるデジタルドアミラーや、快適性を高めるシートベンチレーション機能などのミニマムな装備が備わっています。

 その愛らしいエクステリアは、狭い路地を走行中でも周囲の歩行者などに威圧感を与えない親しみやすさを重視し、デザイン。

 さらに初代ミゼットをモチーフにしながら、現代的ものとしながらも、スタイルの中にミゼットらしさを感じてもらえるように、細部まで拘って仕上げたとのこと。

 またクルマが持つ軽やかな走行性能を視覚でも感じられるように、足元は敢えてシックな色味としたのも拘りとしています。

 ボディサイズは、全長2200mm×全幅1295mm×全高1680mm。

 インテリアでは、親子で乗るクルマという仕様から、子どもが楽しめる空間づくりを重視。

 そのために子どもたちが遊ぶプレイグラウンドなどを調査し、カラフルな色味の空間とすることを決定。ただユーザーは大人なので、安っぽくならないように配色を工夫したそうです。

 機能面では、チャイルドシート用のステップをボルダリング風とすることで、子どもが自ら座りたくなるシートに仕上げ、親御さんの手間を省くことにも気を配っています。

 小さなキャビンは、安心感のある空間となるように、突起物には柔らかく丸みのあるデザインとしたり、室内トリムにも厚みのある柔らかい素材としたり、親御さん目線の様々な安全対策も凝らされています。

 JMS2025のミゼットXは、親子移動用のクルマとして提案されていましたが、内外装のカラーだけでなく、キャビン後方にある収納部の形状も変更できるように設計されています。

 12月上旬に大阪府大阪市で開催された「Japan Mobility Show KANSAI 2025/第13回 大阪モーターショー」では、往年の初代ミゼットを彷彿させる幌付き荷台のトラック仕様「ミゼットX 大阪Ver.」が限定公開されました。

 軽自動車未満の様々な人たちに役立つシティコミューターとして考え出されたミゼットXは、現状の法規では軽自動車扱いとなるそう。そのため、顧客からの反響があれば、より現実的な姿を模索していくとしています。

 短距離を1人で移動するために生み出された特定小型原動機付自転車では満たせない需要に応えてくれるのも確かです。

 ミゼットXを見ていると、軽自動車よりも所有コストが抑えた新たな身近なモビリティの創出にも繋がる期待も膨らみます。

 再び日本が活気を取り戻すためには、日本が厳しい環境下の中で前向きに明日へと突き進んだ頃のように、現代のミゼットが求められているのかもしれませんね。

【画像】超カッコいい! これがダイハツ「ミゼットX」です! 画像で見る(30枚以上)

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Writer: 大音安弘(自動車ライター)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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