トヨタの「1000万円超え“アルファード”」誰が買ってる? 300馬力超え「高性能HEV」の“上級仕様”は「節税対策」で買う人も? 登場1年の「PHEVモデル」最新の動向は
2024年12月、トヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」にPHEVモデルが追加されました。その後のユーザーの反響など、首都圏のトヨタディーラーに問い合わせてみました。
ディーラーとの付き合いを優先してレクサス「LM」よりも「アルファード&ヴェルファイアPHEV」を選ぶユーザーも
2023年6月21日、4代目となるトヨタ「アルファード」、3代目となる「ヴェルファイア」がフルモデルチェンジして発売されました。
新型アルファードは「大切なご家族とのご移動や大事なお客様の送迎などのシーンで、運転する方も、後席にお乗りになる方も、乗る人すべてが相手を思いやり感謝し合える空間を実現するため『快適な移動の幸せ』を極めること」をコンセプトとして開発されています。
そして新型ヴェルファイアは、ユーザーが求める「ヴェルファイアならでは」といったこだわりに応えるべく、ミニバンにおいても「運転する喜び」を感じられるための専用のサスペンションチューニングやボディ補強を施し、専用のパワートレーンユニットを設定しています。

また、都市部で利用されることを考慮し、一般的な機械式駐車場の制限サイズ(全長5000mm×全幅1850mm以下)に収まるボディサイズを維持しつつ、堂々としたスタイルを実現している点はさすがトヨタが誇る高級ミニバンというべきでしょう。
もはやトヨタ車の枠を超え、日本を代表するミニバンといっていいほどの存在感と知名度を誇るアルファード&ヴェルファイアですが、2024年12月に、プラグインハイブリッドシステム(以下、PHEV)搭載車が追加されました。
このモデルは、静粛性や乗り心地を高めつつ、さまざまなシーンでドライバーやリアシートに座る人を含め、さらなる「快適な移動の幸せ」をもたらすべく開発されました。
音や振動が少ないEV主体の静粛性の高い走りに加えて、大容量リチウムイオンバッテリーを床下に搭載し、低重心で安定した走りに快適性をさらに向上させています。
アルファードおよびヴェルファイアがショーファーカーとして使われていることにも配慮が向けられており、電気のみでエアコンを作動することも可能です。
その結果、待機中にエンジンを始動させなくとも快適な空間を維持できるだけでなく、その高い静粛性を活かし、深夜の送迎でも周囲への騒音を軽減することにも配慮されています。
パワートレインは、2.5リッター直列4気筒エンジンを使ったハイブリッドシステムに、総電力量が18.1kWhの駆動用リチウムイオン電池を組み合わせ、1回の充電で73km走行することが可能です(WLTCモード)。
システム最高出力は306馬力で、駆動方式はE-Four(電気式4WD)のみとなっています。
アルファードPHEVおよびヴェルファイアPHEVは、それぞれ最上級グレード「Executive Lounge(エグゼクティブラウンジ」に設定されており、車両本体価格(いずれも消費税込)は1065万円/1085万円です。
デビューから1年が経過するアルファードPHEV&ヴェルファイアPHEV、ディーラーに寄せられている反響について、11月下旬に首都圏にあるトヨタディーラーに問い合わせてみました。
「ハイブリッドモデルのエグゼクティブラウンジより200万円近く高額になるため、PHEVをお選びになる方は少数派、という印象があります。
中小企業の社長さまなどがゲストをお迎えする際の社用車としてお使いになるか、富裕層の方の節税対策としてお選びになるモデル…といったイメージが強いです。
ご納期についてですが、現時点でご注文いただいた場合、2026年4月前後、あるいはそれ以降とお考えください」。
また別のトヨタディーラーではこんなコメントも見受けられました。
「個人で購入されるよりも、法人名義の方が多いように感じます。
レクサスLMがデビューしてからは『節税対策として』、このモデルを選ばれるお客様が増えましたが、トヨタディーラーや担当セールスとの関係や長年のお付き合いを優先して、敢えてアルファードPHEV&ヴェルファイアPHEVを選んでくださる方もいらっしゃいますね。
ご納車の時期は、現時点では来年の春以降を見込んでおります」。
※ ※ ※
アルファード/ヴェルファイアの最上級グレードを選ぶユーザーだけあって、購入のしかたにもゆとりが感じられます。
メンテナンスはすべてディーラーで手厚く行い管理状態も確かなため、リースアップなどで乗り換え後はメーカー認定中古車として市場に流通することになるでしょう。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。


































