1リッターで“33km”走る「日産2ドアクーペ」に反響殺到!「“e-POWER×ディーゼル”のスポーツカーは面白そう!」「絶対に売れる」の声も! 力強い「ターボエンジン」搭載した“超・低燃費マシン”CYPACTがスゴイ!

かつて日産がその技術力をもって開発した超低燃費クーペ「CYPACT」とは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。現在見られる反響と共に紹介します。

1リッターで“33km”走る「日産ドアクーペ」に反響殺到!

 2025年10月末、東京ビッグサイトで開催された「ジャパンモビリティショー2025」は、次世代のモビリティを提案する各社の最新モデルで大いに盛り上がりました。

 きらびやかなEVや自動運転車が脚光を浴びる一方で、少し過去のショーを振り返ってみると、現代のトレンドを遥かに先取りしていた「早すぎた名車」とも呼べるモデルが存在していたことに気づかされます。

1リッターで“33km”走る「日産ドアクーペ」に反響殺到!
1リッターで“33km”走る「日産ドアクーペ」に反響殺到!

 その筆頭といえるのが、日産が今から約26年前、1999年の「第33回東京モーターショー」で世界初公開した超低燃費クーペ「CYPACT(サイパクト)」です。

 21世紀を目前に控えた当時、環境への配慮とドライビングプレジャーの両立という、現代にも通じる難題に挑んだこの野心的な一台は、四半世紀が経過した今、改めてその先進性を再評価する必要があるでしょう。

 車名の“CYPACT”は、ハイテクをイメージさせる「Cyber(サイバー)」と、扱いやすいサイズ感を示す「Compact Car(コンパクトカー)」を組み合わせた造語です。

 その名の通り、全長3740mm×全幅1630mm×全高1420mmという、現在の軽自動車より少し大きい程度のコンパクトなボディには、当時の日産が持てる最新技術が凝縮されていました。

 最大の特徴は、なんといってもその驚異的な燃費性能にあります。

 開発目標に掲げられたのは「3リッターの燃料で100kmを走行する」こと。これは欧州などで「3リッターカー」と呼ばれる高い環境性能の指標であり、単純計算で「リッター約33.3km」という数値を意味します。

 ハイブリッドカーが普及した現在でこそ珍しくない数字に見えるかもしれませんが、純粋な内燃機関だけでこの数値を叩き出そうとした当時の技術的挑戦は、並大抵のものではありませんでした。

 この驚異的な燃費を実現するために搭載されたパワーユニットは、当時新開発された「小型直噴ディーゼルターボエンジン」です。

 排気量は公表されていませんでしたが、最高出力75馬力に対し、最大トルクは160Nmを発揮。軽量なボディとディーゼル特有の太いトルクの組み合わせは、単なるエコカーに留まらない、キビキビとしたスポーティな走りも予感させるものでした。

 日産独自の燃焼技術や燃料噴射システムなど、当時の最先端技術をフル投入することで、環境性能と走る楽しさという相反する要素を高い次元でバランスさせていたのです。

 エクステリアデザインもまた、サイパクトの魅力を語る上で欠かせない要素です。

「小気味よく走るスポーティ感とどんな場所でも映える存在感」をテーマに描かれたそのフォルムは、まるでSF映画に登場する宇宙船のような、丸みを帯びたワンモーションスタイルを採用しています。

 空気抵抗を極限まで減らすことを狙った流麗なラインは、20年以上前のデザインとは思えないほど新鮮で、どこか欧州のコンパクトカーを思わせる洗練された雰囲気を漂わせています。

 インテリアに目を向けると、独立3連メーターがドライバーをその気にさせるスポーティかつシンプルな空間が広がっており、さらに情報通信マルチメディア系を中心とした道路交通情報技術「ITS技術」も搭載されていました。

 ナビゲーションや道路情報の取得に加え、高速道路料金の自動徴収システム、つまり現在のETCの先駆けとなる機能まで実装されており、まさに「サイバー」な未来を体現していたのです。

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 残念ながら、このサイパクト自体が市販化されることはありませんでしたが、その存在は多くのクルマ好きの記憶に刻まれています。

 現在のSNSやネット上の掲示板などには、「なぜこの素晴らしいデザインのクルマを発売しなかったのか」「リッター33km走るディーゼルスポーツなんて、今出ても絶対に売れる」「丸っこいデザインがフォードの『Ka』やオペルの『ヴィータ』みたいでオシャレだね」といった、称賛と寂しさの入り混じったコメントが数多く寄せられています。

 また、日産の電動化技術が進んだ今だからこそ、「e-POWERとディーゼルを組み合わせたスポーツ車は面白そうだし復活させて欲しい!」「今の技術で作れば、さらに凄いクルマになるはず!」といった、現代版サイパクトの登場を熱望する声も少なくありません。

「環境性能」と「操る楽しさ」、そして「所有する喜び」。これらを小さなボディに詰め込んだサイパクトの思想は、形こそ変われど、現在の日産のコンパクトカーや電動化戦略の中に確かに息づいています。

 もしも当時、このクルマがそのまま世に出ていたら、日本のコンパクトカー市場の景色は少し違ったものになっていたかもしれません。そんな「もしも」を想像させてくれるほど、サイパクトは強烈な個性を放つ一台だったのです。

【画像】カッコイイ! これが日産の「超・低燃費クーペ」です!(7枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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