2022年6月、日産から軽EV「サクラ」がデビューしました。

　すでに現在では強力なライバルも出現しているなか、ユーザーの反応と最新の納期について日産ディーラーに問い合わせてみました。

　デビューから3年が経過したサクラは、2024年度には国内販売が2万832台となり、2022年度、2023年度に続き、3年連続でEV販売台数第1位を獲得しています。

　今や、サクラは国内累計EV販売台数において約4割を占めるほどの人気モデルとなったのです。

　ちなみに、半数以上のユーザーが中間グレードにあたる「X」を選択しています。

　ボディカラーは「ホワイトパール」が1番人気で、次いで「スターリングシルバー」の順となっており、2024年に新たに追加された「シルキーライラック」もサクラを代表するボディカラーとして、多くのユーザーが選択しています。

　ボディサイズは軽自動車規格に収まる、全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mm。ホイールベースは2495mmとなっています。

　トランスミッションは全車CVT、駆動方式はFFです。最大195Nmのトルクを発揮するモーターは、最大で180km（WLTCモード）の航続距離を確保しています。

　車両本体価格は253万6600円から308万2200円（いずれも消費税込み）で、国からの補助金が55万円分補填されるほか、各自治体独自の補助金が加算されるケースもあります。

　例えば東京都では最大60万円（条件次第で上乗せ）を補助しているため、140万円台での購入も可能です。

　EV販売台数で圧倒的な強さを誇るサクラではありますが、近年、強力なライバル車が相次いでデビューしています。

　2025年9月には、ホンダから軽EV「N-ONE e：」が発売され、同年10月31日から一般公開がスタートした「ジャパンモビリティショー2025」会場では中国BYDが2026年夏に導入予定の軽EV「ラッコ」がデビューしました。

　この新型ラッコは、航続距離が異なるショートレンジとロングレンジの2グレードが用意される予定であり、さらに「軽ハイトワゴン+両側スライドドア」という、日本の軽自動車の主流ともいえるパッケージで設計されています。

　気になるモデルが相次いでデビューしているなか、現在のユーザーの反応と最新の納期について、首都圏にある日産ディーラーに問い合わせてみました。

「サクラですが、軽自動車規格のEVということで、主に通勤や買い物などの近距離での移動を想定した使い方を想定して選ばれる方がほとんどです。比率でいうと圧倒的に女性のオーナーの方が多いです。

　EVの特性やメリット・デメリットなどをある程度予習して、EVの良い点をご理解いただいたうえでご契約にいたるお客様も珍しくありません。

　主に通勤でお使いになる20代の方や、ご自宅から保育園へお子様を送迎し、そのまま職場に向かうための足としてサクラが活躍しているそうです。

　ご納期ですが、グレードにもよりますが、1か月〜2か月程度です」

　また、別の日産ディーラーにも問い合わせてみました。

「まずご納期につきまして、モデルによっては目安として1、2か月程度でお届けできる見込みです。

　今のところ、ホンダのN-ONE e：が発売されたことによる影響は少ないと感じていますが、これから先は分からないですね。

　BYDの新型モデル ラッコも、価格帯によってはかなり手強い存在となりそうです」

　いちユーザーとしては選択肢が増えることは歓迎すべき状況です。

　旅行をはじめとする長距離移動は行わない（あるいは家族の別のクルマで移動する）と割り切れば、サクラが魅力的な存在であることに気がつくでしょう。

　また、現時点では短納期で納車されることもサクラにとって大きな利点といえそうです。