ダイハツ斬新「“9人乗り”ちいさなバン」に注目! 全長4mボディに「対面シート」採用! “窓なし仕様”などの多種多様なデザインも魅力! 荒れた路面もヨユーの「グランマックス」インドネシア仕様とは?
近年の自動車市場では電動化が進む一方で、用途に合わせた実用的な車両も根強く選ばれています。その中でダイハツ「グランマックス」は国内で大きく話題になることは少ないものの、海外では独自の役割を担ってきた多目的バンとして知られています。
コンパクトながら斬新なレイアウトで大人数乗車が可能に!
近年、自動車市場では電動化や高度運転支援技術の進展がますます注目を集めています。
特にこの秋以降は、国内メーカー各社が相次いで新型モデルや改良型を投入し、ユーザーの選択肢が大きく広がりました。
そうしたトレンドの中心にあるのは、依然として高い人気を誇るコンパクトミニバンです。
2025年11月の販売動向を見ても、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」といった扱いやすいサイズのモデルが堅調に売れ続けており、子育て世帯を中心に“手軽に使える家族車”へのニーズが根強いことを示しています。

しかし、日本では目立たないながらも、海外ではまったく異なる価値観で支持されている車種があります。
そのひとつがダイハツ「グランマックス」です。国内では商用車として知られる存在ですが、その背景には一般的なミニバンとは一線を画す独自の役割と進化の歴史があります。
グランマックスが誕生したのは2007年。インドネシア市場向けに開発された多目的バンとして登場し、翌年にはトヨタの「タウンエース」「ライトエース」として日本にも導入されました。
2020年になると、ダイハツ自身のブランドでも「グランマックスカーゴ」が販売開始。
2024年秋には一度生産終了が告知されたものの、安全性向上を中心とした改良を加え、2025年6月には販売が再開されるという経緯をたどりました。需要が途絶えなかったことを示す象徴的な出来事と言えるでしょう。
ボディサイズは全長4045mm、全幅1655mmとコンパクトでありながら、高さは最大1930mmに達し、室内空間は驚くほど広々としています。
日本の都市部でも扱いやすいサイズでありながら、積載性に優れ、多様な用途に応えられる点は長く評価されてきました。
一方、本国インドネシアではさらに幅広いバリエーションが展開されています。窓のない貨物仕様の「ブラインドバン」、荷台を備えた「ピックアップ」、そして乗用・業務どちらにも対応する「ミニバス」の3タイプがあり、なかでもミニバス仕様は最大9人の乗車が可能です。
2列シートの後方に横向きの補助席を配置する大胆なレイアウトは、“とにかく多くの人を運ぶ”という明確な目的のもとに設計されています。
この9人乗りモデルは東南アジアの都市部で地域交通の主力として活躍しており、狭い路地を小回りよく走り、多人数輸送の効率性に優れる点が大きな魅力です。
日本のミニバンが快適性や上質感を追求してきたのに対し、グランマックスは“移動の道具”としての本質を突き詰めた存在だと言えるでしょう。
外観はシンプルで実用一点張りですが、その無骨さがむしろ頼もしさを感じさせます。厚みのあるフロントバンパーや14インチホイールを備え、最低地上高は日本仕様より15mm高いため、荒れた舗装路や深い水たまりでも安定して走行できます。
商用車に求められる耐久性や信頼性を確保するための工夫が随所に施されているのです。
内装も機能性を重視したつくりで、無駄のないレイアウトに多くの収納を配置。ドリンクホルダーの豊富さなど、日常業務での利便性を徹底して追求しています。
豪華さこそありませんが、使い続けるほどに“道具としての完成度”を実感できるキャビンとなっています。
パワートレインは1.3リッターと1.5リッターの2種類の直列4気筒エンジンを設定し、いずれも5速MTを組み合わせることで軽快な走りを実現しています。
1.5リッターモデルには電子パワーステアリングが採用され、狭い道路での取り回しが向上している点も魅力です。
価格面も大きな強みで、インドネシアでは1億7690万ルピア(約165万円)から2億2890万ルピア(約213万円)の価格帯で購入でき、日本の一般的なミニバンと比べると圧倒的にリーズナブルです。
低価格でありながら実用性と耐久性を備えているため、中小企業や地域交通事業者にとって頼れる“働くクルマ”として支持されています。
日本では軽自動車やコンパクトカーが利便性の象徴とされていますが、海外ではグランマックスのように“必要なだけ運ぶ”という合理的な発想が根付いています。
グランマックスはただの商用バンではなく、「人々の暮らしを支える移動のインフラ」として独自の価値を築いてきた存在なのです。
Writer: くるまのニュース編集部
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