トヨタ新型「ハイラックス」は“460万円”から!? 新エンジンで「出力1.4倍アップ」か!? 大幅刷新の内外装&「画期的な4WD」採用! 26年発売の「本格ピックアップトラック」気になる日本仕様はどうなる?
トヨタの新型「ハイラックス」は、2026年にタイからの輸入が再開される見通しです。外観やパワーユニットが刷新される次期型は注目を集めており、本記事では価格を含む日本仕様について、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎氏が従来型やライバル車の情報をもとに独自に予想しています。
“460万円”から!? 2026年発売の日本仕様どうなる!?
以前は複数のメーカーが日本国内でもピックアップトラックを販売していましたが、近年では車種が大幅に減ってしまいました。その貴重な選択肢がトヨタ「ハイラックス」です。
2017年には、タイで生産されるハイラックスの輸入販売が13年ぶりに再開され、2022年から2023年にかけては、1か月平均で1000台弱が登録されていました。
台数こそ多くはありませんが、全長が5mを軽く超えるピックアップトラックとしては堅調な売れ行きでした。
その後、ハイラックスは2024年に日本仕様の生産と輸入販売を終了しましたが、2026年の5月から7月にかけて、タイからの輸入が再開される予定です。
新たに販売される新型ハイラックスは、従来型から新型へと進化したモデルに位置付けられます。

ダブルキャブのホイールベース(前輪と後輪の間隔)は3085mmと従来と変わらず、フロントマスクを刷新した大規模なマイナーチェンジとも受け取れますが、実際にはフロントマスクやパワーユニットが大幅に変更されます。
パワーユニットはディーゼルエンジンに加え、エンジンを搭載しない純粋な電気自動車も設定。
さらに燃料電池車も2028年以降に追加される予定で、ピックアップトラックとしては非常に幅広い選択肢を備えます。
外観ではフロントマスクが大きな特徴です。ヘッドランプは薄型となり、「クラウンエステート」や新型「RAV4」など、トヨタの新しいSUV群と共通性のあるデザインへと変わります。
ボディサイズは、日本へ輸入されるダブルキャブのディーゼルターボ仕様で、全長5320mm×全幅1885mm×全高1815mm。従来型とほぼ同じで、前述の通りホイールベースも変更ありません。
日本仕様の最小回転半径は未定ですが、従来型と同様の6.4mとなる見込みです。ボディが大きくホイールベースも長いため、大回りになりやすく、車庫入れなどでは注意が必要でしょう。
新型のインパネは、従来型と同じ水平基調を保ちながら、より立体的なデザインとなります。メーターは12.3インチの液晶タイプで、多彩な情報を表示します。
ハイラックスのタイ仕様では1列シートのボディなど多彩なグレードが用意されていますが、日本仕様は従来型と同じく、定員5名のダブルキャブのみとなる可能性が高いです。
エンジンは2.8リッター直列4気筒のディーゼルターボを搭載。従来型は2.4リッターディーゼルターボだったため、次期型ではパワーアップされます。
2.8リッターディーゼルターボは1GD-FTV型で、これは「ランドクルーザー70」などにも搭載されるユニットです。
タイ仕様のデータでは、最高出力150kW/204馬力(3000~3400rpm)、最大トルク500Nm/51kg-m(1600~2800rpm)とされ、ランドクルーザー70の日本仕様と同じ数値となっています。そこにトランスミッションは6速ATが組み合わされます。
ここで2.8リッターディーゼルターボは従来型の2.4リッターと比べてみると、最高出力は約1.4倍、最大トルクも約1.3倍に向上します。実用回転域の駆動力が大幅に増すことで、加速にも余裕が生まれます。
駆動方式は従来と同じパートタイム式4WD。カーブ走行時に前後輪の回転差を吸収するセンターデフや多板クラッチを備えないため、舗装路では後輪駆動(2WD)で走行し、悪路や雪道では4WDに切り替えます。
4WDには副変速機で駆動力を高める4L(四輪駆動ローモード)が設定され、マルチテレーンセレクトも採用。
ダート(未舗装路)、マッド(泥道)、ロック(岩場)といった走行モードを選択可能です。
ちなみに燃費は未公表ですが、エンジンの設計が新しくなり効率も向上しているため、従来型より燃費が改善される可能性が期待できるでしょう。
そのほか日本に導入される可能性は低いものの、前述した電気自動車仕様も用意されています。
駆動用リチウムイオン電池の総電力量は59.2kWhで、1回の充電で最大315kmを走行可能と街中の移動であれば十分実用的でしょう。
くわえて安全装備や運転支援機能も充実しています。車両周囲を上空から見下ろしたように表示するパノラミックビューモニター、後退時に左右から近づく障害物を知らせるリヤクロストラフィックアラートなどが搭載されます。
なお、日本での販売価格は未定ですが、従来型のZに相当するグレードは460万円前後になると予想されます。
大量販売を見込める車種ではないため、グレード構成はZと、そこから30万円ほど高いZ・GRスポーツの2本立てになるでしょう。
ちなみに従来型はモデル末期時点でZが407万2000円でしたが、新型ではエンジンが新設計となり、安全装備も強化されるため、50万円程度の値上げで460万円前後になると見られます。
一方、ライバルの三菱「トライトン」はGLSグレードが498万8500円(消費税込み)で設定されており、トライトンのエンジンは2.4リッターターボながら、動力性能は新型ハイラックスに近く、さらに4WDにはセンターデフを備え、舗装路でも常時4輪駆動が可能です。
ドライブモードの充実など機能面の違いを踏まえると、次期ハイラックスを500万円超に設定することは考えにくく、460万円前後が妥当といえます。
また、新型ハイラックスのタイでの価格を日本円に換算すると、ベーシックなグレードが約380万円、上級グレードが約530万円です。
ライバル車や従来型との価格バランスを考慮すると、日本仕様はその中間となる460万円前後が予想されます。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。



























































