道の駅で「車中泊」してもOK? 「ルール違反」「条例違反」になることもある? キャンピングカー&車中泊旅増加で「トラブル」になることも どう「寝泊まり」すべきか
道の駅で「車中泊」は問題ないのでしょうか。
違反や行政対応の対象となる場合も
愛車で気ままな旅ができるキャンピングカーや車中泊は、現在非常に人気が高い状態です。
なかには道の駅の駐車場を利用して車中泊をする人もいますが、大丈夫なのでしょうか。

一般社団法人日本RV協会の年次報告書によると、2024年の国内キャンピングカーの累積保有台数は過去最高となる16万5千台に達しています。
ちなみに、2022年の累積保有台数は14万5千台、2023年は15万5千台と、確実に台数が増えていることが分かります。
これに伴って2024年のキャンピングカー販売売上総額(新車・中古車合計)も過去最高の1126.5億円となり、前年比7%増を記録するほどの伸びを見せています。
これにはさまざまな要因が考えられますが、コロナ禍を機に密を避ける移動手段として、家族だけで安全に旅行できるキャンピングカーの需要が拡大していることが挙げられます。
また、YouTuberがテレビや雑誌などでは紹介しきれない、よりエンドユーザーに近い目線でキャンピングカーの魅力やメリット・デメリットを紹介する動画を公開していることも需要拡大に寄与している可能性が高いといえます。
その結果、キャンピングカー本来の利用目的として、レジャーや旅行だけでなく、災害時の緊急避難場所、リモートワークができるオフィスとしての活用法が見出されています。
これに加えて、日本ならではのクルマといえる「軽キャンパー」の存在が挙げられます。
ホンダ「N-VAN」やダイハツ「アトレー」などをベースにキャンピングカーへと改造された軽キャンパーであれば、安価なモデルであれば200万円代から、高価格なモデルであっても300万円台で購入することができるため、より身近なキャンピングカーとして人気があります。
また、ミニバンやSUV、ステーションワゴンのシートアレンジを使い、ベッドマットなどを敷いて簡易的に寝床にする「車中泊」も、コロナ禍をきっかけに広がり、愛車があればどこでも寝られるとして、気ままな旅をしたい人に人気が高まっています。
現在では、車種専用の車中泊マットが用意されたり、車内で快適に過ごせるグッズも多数販売されているなど、以前と比べて敷居はかなり低くなっています。
しかし、キャンピングカーや車中泊の人気上昇に伴い、さまざまなトラブルが増えていることも事実です。
そのなかで道の駅の駐車場を車中泊として利用することが挙げられます。
2025年6月現在、全国には1230カ所の道の駅が登録されています。
確実に駐車スペースとトイレがあり(24時間利用できない場合もありますが)、日本各地に点在しているため、車中泊ポイントとして利用したくなる心情も理解できます。
しかし、なかには車中泊を禁止している道の駅もあります。
その理由として長時間のエンジンアイドリングは騒音・排気問題で禁止される場合が挙げられます。
また、道の駅は本来「休憩・観光案内」が目的であり、宿泊目的の利用を想定していない施設は、エンジンアイドリングの有無に関わらず、駐車場利用時間を制限していることもあります。
そのほか、トイレやごみ処理の負担増に加え、キャンプ場かなにかと勘違いした輩による敷地内でのバーベキューや焚き火、騒音や排気を伴う発電機の使用、外での長時間宴会など、宿泊とは無関係の迷惑行為なども懸念材料となっています。
道の駅で車中泊をすることが直接違法になることはありませんが、道の駅や土地の管理者(自治体/指定管理者)のルールに反したり、迷惑防止条例に触れる場合には違反や行政対応の対象となるので注意が必要です。
では、どういった場所で車中泊するのが最適なのでしょうか。
まずはRVパークがあります。車中泊を前提にした有料施設で、電源・ゴミ処理施設・トイレが設置されています。
以前からあるオートキャンプ場を利用したり、温浴施設付帯の駐車場も、一部は長時間の駐車も許されている施設があります。
また、有料にはなりますが、大手コンビニのローソンが千葉県のローソン6店舗の駐車場をRVパークとしてサービスを提供する実証実験を行っています。
料金は2500円から3000円(1回1区画につき)とのことですが、店舗のトイレ利用や、電源ドラムの貸し出し、生ごみの処理(専用のごみ袋1袋まで)など、ユーザーに配慮した価格設定となっています。
※ ※ ※
キャンピングカーや車中泊の魅力といえば、ホテルの予約が不要で、自由気ままな旅ができることが挙げられます。
そのいっぽうで、一定のマナーやルールを守る必要があります。
今後、さまざまな制約やローカルルールが増えないよう、マナーを守って車中泊を楽しみたいところです。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。






















