「リッター約50km」走れる“トヨタ車”に反響殺到!「まさかの2気筒エンジン!」「トヨタ凄すぎる…」の声も! めちゃ低燃費な「“4人乗り”コンパクトカー」! 瑞西公開の「FT-Bh」とは!

かつてトヨタが、徹底的な軽量化と効率化を追求して開発した「FT-Bh」とは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。現在見られる反響と共に紹介します。

「リッター約50km」走れるトヨタ車に反響殺到!

 クルマを選ぶ際の基準として、今も昔も変わらず重視されるのが「燃費性能」です。

 昨今のガソリン価格の高騰も相まって、ハイブリッドカーへの注目度は高まる一方ですが、実は今から10年以上も前に、現代の最新エコカーさえも凌駕するほどの驚異的な低燃費を叩き出した「幻のモデル」が存在していました。

 一体どのようなクルマで、現在どんな反響が見られるのか、振り返って紹介します。

「リッター約50km」走れるトヨタ車に反響殺到!
「リッター約50km」走れるトヨタ車に反響殺到!

 そのクルマの名は、トヨタが2012年の「ジュネーブ国際モーターショー」で世界初公開した「FT-Bh」です。

 車名の「FT-Bh」は「Future Toyota B-segment hybrid」の頭文字を取ったもので、その名の通り、当時の「ヴィッツ」などが属する“Bセグメント”クラスの未来を見据えたハイブリッドカーとして開発されました。

「EcoとEmotion」を掛け合わせた「ECOMOTION」を開発テーマに掲げ、徹底的な軽量化と効率化を追求した結果、なんと当時の欧州新燃費測定法(NEDC)において「2.1L/100km」、日本で馴染みのある表記に換算すると「リッター約47.6km」という、衝撃的な燃費数値をマークしていたのです。

 この驚くべき燃費性能を実現するために、トヨタの技術陣はあらゆる要素をゼロから見直しました。

 まず特筆すべきは、徹底された軽量化技術です。

 通常、大幅な軽量化といえばカーボンファイバーなどの高価な素材を多用するのが常套手段ですが、Bセグメントという量販車クラスでの実用化を想定していたFT-Bhでは、コストのかかる特殊素材をあえて使用しませんでした。

 代わりに高張力鋼板や新開発の高発泡材料を適材適所に配置することで、空車重量はわずか786kgという、現在の軽自動車と同等かそれ以上に軽いボディを実現したのです。

 全長3985mm×全幅1695mm×全高1400mmという、大人4人がしっかり乗れるサイズでありながら、この軽さはまさに常識外れといえるでしょう。

 そして極限まで削ぎ落とされたのは重量だけではありません。

 走行時の大きな抵抗となる空気の壁を切り裂くため、ボディは丸みを帯びたクーペ風の4ドアスタイルを採用し、空気抵抗係数(Cd値)は0.235という極めて優秀な数値を達成。

 さらに転がり抵抗を低減するために、大径かつ幅の狭い18インチタイヤを装着するなど、涙ぐましいほどの抵抗低減策が施されていたのです。

 心臓部に搭載されたパワートレインも非常にユニークでした。採用されたのは、当時新開発と謳われた1リッター2気筒エンジンです。

 振動面では不利とされる2気筒ですが、トルク特性に優れたロングストローク型とすることで熱効率を追求し、そこにトヨタのお家芸であるハイブリッドシステム「THS II」を組み合わせることで、究極の効率化を図っていました。

 また、単に走るだけでなく、エネルギーマネージメント全体への配慮も徹底されていました。

 例えば、乗車人数に合わせて必要な場所だけ空調を効かせる「エアゾーニング」機能や、灯火類の完全LED化、パワーウインドウの待機電力削減など、バッテリーの電気を1ワットたりとも無駄にしない工夫が随所に盛り込まれていたのです。

 デザイン面においても、FT-Bhは重要な役割を果たしました。

 鋭く吊り上がったヘッドライトとアンダーグリルを強調したフロントマスクは、後の2代目「オーリス」や初代「C-HR」、そして初代「86」などにも採用された「キーンルック」の先駆けであり、トヨタのデザイン変革期を象徴する一台でもあったのです。

※ ※ ※

 発表当時は「2010年代後半の市販化を見据えている」と噂され、クルマ好きたちの期待を一身に背負ったFT-Bhでしたが、残念ながらそのままの形で市販されることはありませんでした。

 しかし、その存在感は今なお色褪せておらず、SNSやネット上の掲示板では「リッター47km超えは凄すぎる、今こそ出してほしい」「まさかの2気筒エンジンだと!?」「2気筒ハイブリッドという変態的なメカニズムに乗ってみたかった」「デザインがプリウスの祖先のようで興味深い」「昔のトヨタ・オーパを未来的にした感じでカッコいい」といった、称賛と惜別が入り混じったコメントが数多く投稿されています。

 中には「ガソリンが高い今こそ、こういう安くて燃費の良いクルマが必要だ」「なぜこの技術が埋もれてしまったのか」と、切実に市販化を願う声も少なくありません。

 結果としてFT-Bhという名の市販車は誕生しませんでしたが、そこで培われた軽量化技術や空力へのアプローチ、エンジンの熱効率向上といったノウハウは、現行型の「ヤリス」や「アクア」といった最新のトヨタ製ハイブリッドカーに脈々と受け継がれています。

 現在のヤリスハイブリッドが世界トップレベルの低燃費を誇っているのも、かつてFT-Bhという「究極のエコカー」への挑戦があったからこそと言えるかもしれません。

 電動化へのシフトが加速する現代において、内燃機関と電気の協調を極限まで突き詰めたFT-Bhのコンセプトは、改めて評価されるべき「オーパーツ」のような存在といえるのではないでしょうか。

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Writer: くるまのニュース編集部

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