スバルとスバルテクニカインターナショナル（STI）は2025年11月13日、FRスポーツカー「BRZ」をベースとした特別仕様車「STI Sport TYPE RA（STIスポーツ タイプRA）」を発表しました

　300台限定の4人乗りスポーツカーですが、抽選への申し込み件数はどうだったのでしょうか。

　抽選の受付は2025年11月13日から30日までの期間に実施。スバルによると3218件の応募があったといい、10倍を超える倍率となったことが分かります。

　同日から30日までの期間で受け付けられた抽選には、スバルによると3218件もの応募があり、限定台数に対し10倍を超える高倍率となりました。

　これは、通常モデルとは一線を画す、より精度を高めたバランスドエンジンや、STIスポーツ タイプRAのために採用されたレース由来の最新システムに、多くのユーザーが強い魅力を感じ、手に入れたいと熱望した結果と言えるでしょう。

　STIスポーツ タイプRAは、「究極のFRスポーツカー」という明確なコンセプトのもと、サーキット走行と一般道での高いコントロール性の両立を目指し、徹底的に性能が磨き上げられています。その心臓部には、スバルのモータースポーツ技術が惜しみなく投入されたバランスドエンジンが搭載されました。

　ユニット自体は通常グレードと同じ2.4リッター水平対向4気筒エンジンですが、エンジンの根幹部品において、重量や回転バランスの公差を低減することで、振動が少なく、気持ちよくスムーズに吹き上がるフィーリングを実現。このパワートレインは、量産車とは異なり、人の手を介して組み付け精度を高めている点が特徴です。

　ただし、職人による「手組」ではなく、機械による均等な組み付けにより高精度を確保。この一手間により、アクセル操作に対する吹き上がりの滑らかさや気持ちよさが格段に向上しました。

　ハンドリング性能に関しても、STIがニュルブルクリンクレースで得た知見が反映されています。

　専用チューニングが施されたザックス製ダンパーは、強めの操舵入力に対しても応答性と安定性を両立させ、さらに微小な入力に対する安心感と応答性を高めるSTIパーツが追加で装着されたほか、足回りの強化に加え、スーパー耐久参戦車両などにも採用される冷却フィン付リヤデファレンシャルケースを装備することで、過酷な走行条件下でもデフオイルの油温上昇を抑え、トラクション性能の低下を最小限に抑制します。

　また、6速MT専用に、最新の電子制御技術である「レブシンク」と「フラットシフト」が実装されました。

　レブシンクは、ドライバーがヒール＆トゥを行わなくても、クラッチやシフト操作を検知して自動でブリッピング（エンジン回転数合わせ）を行い、スムーズなシフトダウンを実現する機能。

　一方のフラットシフトは、アクセル全開を保ったままシフトアップを可能にする制御で、加速レスポンスの向上と駆動系への負荷低減に貢献します（サーキットでの使用を推奨）。

　これらの技術によって、BRZ STIスポーツ タイプRAは「ドライバーの意図通りに応答する操縦性」を備え、一般道からサーキットまで抜群のコントロール性を体感できるピュアスポーツに仕上がっています。

　エクステリアは、STI製のフロントおよびリアサイドのアンダースポイラーにより空力性能が向上し、車体を低く構えたアグレッシブなルックスが強調されました。

　リアのBRZオーナメントには精悍なラスターブラック塗装が施され、さらにゴールドのブレンボキャリパーが圧倒的な存在感を放ちます。

　インテリアはブラックを基調とし、レッドステッチをあしらったファブリックシートや、ブラックで統一されたインナードアハンドルなど、細部にわたるスポーティさが際立ちます。

　ラインナップは、スタンダードな「STIスポーツ タイプRA」（限定200台）と、STI製ドライカーボンリアスポイラーを装着した「BRZ STIスポーツ タイプRA with Rear Spoiler」（限定100台）の2種類で、トランスミッションは6速MTのみが設定されています。

　ボディカラーは、「クリスタルホワイト・パール」と「WRブルー・パール」の2色展開です。

　BRZ STIスポーツ タイプRAの価格（消費税込）は、STIスポーツ タイプRAが497万2000円からBRZ STIスポーツ タイプRA with Rear Spoilerが547万8000円です。