「RAV4」開発の裏にあった「匠の五感」と「最新デジタル」の融合! “ヒト中心の走り”を作り込む匠と次世代エンジニアはトヨタの絶対エースSUVをどのように進化させたのか【PR】

トヨタを代表するグローバルSUV「RAV4」。6代目となる新型の開発現場では、官能評価を担う「匠」と、最新デジタル技術を駆使する次世代エンジニアが連携し、数値やデータにとらわれず「ヒト中心の走り」を追求する徹底した取り組みが行われていました。匠の感覚をどのようにデジタルで反映し、進化へとつなげたのか。キーマンたちの証言からクルマづくりの裏側に迫ります。

新型「RAV4」開発の裏にあった匠たちと次世代エンジニアの挑戦

 世界で年間100万台規模を販売するトヨタのグローバル絶対エースである「RAV4」。

 6代目となる最新モデルは2025年5月に初公開され、同年12月には日本で販売を開始しましたが、絶対に失敗が許されないこの看板車種の開発現場で、実はある「異例の共同戦線」が敷かれていました。

1つの自動車メーカー規模レベルの「年間100万台オーバー」という生産台数を単一車種で支えるRAV4。文字通り現在のトヨタのベストセラーカーであり、屋台骨となる1台だ

 性能だけでなく官能を司る評価ドライバー集団「匠」たちと、コードや解析データを操る「次世代デジタルエンジニア」たちが、膝を突き合わせて徹底的にやり合っていたのです。

「いいクルマをつくるには、エンジニア自身がクルマに乗らなきゃダメだ」

 かつてマスタードライバーの成瀬弘氏が遺し、モリゾウこと豊田章男氏が叩き込み続けてきたトヨタのクルマづくりの原点です。

 しかし、開発期間の短縮が叫ばれ、CAE解析やシミュレーション技術が飛躍的に進化したここ十数年、皮肉にもエンジニアがPC画面のデータや数値にとらわれ、内部の論理が優先される組織に閉じこもりがちになっていた時期があったのも、事実でした。

 TNGAプラットフォームの導入とともに登場した先代RAV4は、いわば“匠の技をフル活用”してクルマの骨格から走りの土台をゼロから立て直したモデルでした。それまでバラバラだった評価基準をリセットし、匠の圧倒的な官能評価を叩き込むことで劇的な進化を遂げ、世界中で熱狂的な支持を集めたのは記憶に新しいところです。

2019年に再び日本市場に投入された先代型である5代目RAV4。海外のみならず、日本でも再び大人気モデルとなった

 ですが、今回の新型RAV4はそれだけでは終わりません。「0を1にする」改革から、「1を2、さらにはその先へ引き上げる」フェーズでは、今まで以上に要求項目が増えていきます。

 そこで求められたのは、先代で築いた骨太な走りを継承・進化させつつ、電動化や先進安全運転支援システム(ADAS)などトヨタの最先端のデジタル技術を盛り込み、そこに匠の感性を完全に息づかせることでした。

 匠の感覚頼みだけになってもダメ、机上のシミュレーション数値だけでもダメ。「匠の五感」と「デジタルのコード」、2つの力を真の意味で融合させるために、彼らはどのような戦いを繰り広げたのでしょうか。

新型「RAV4」を作り上げた“匠”と“次世代エンジニア”

 現場に集結した9名のキーマンたちの証言から、その深層を解き明かしていきます。取材現場に顔を揃えてくれたのは、車両評価を牽引する匠とその次世代候補生。そして、ADAS、シャシー、ボディ設計を担当する若き精鋭エンジニアたち、製品企画の面々です。

抽象的だった“匠の感覚”をどう若手に伝えていったのか

 最初に尋ねたのは、いきなり直球勝負で「匠が五感で感じる“走りの味”を、どうデジタル世代へ伝えるのか」。まずは、車両の商品性を評価する匠である車両技術開発部 第1車両試験課の佐藤茂氏が、評価の本質を語り始めます。

トヨタ自動車 車両技術開発部 第1車両試験課 グランドエキスパート トヨタ商品力の匠・佐藤茂氏

「『走りの味』とは、クルマに乗った時に感じるさまざまな性能が重なり合って生まれる、そのクルマらしさだと考えています。

 私は特に、サイズやコンセプトに合った乗り心地や、振動・ノイズの少なさを重視しています。こうした性能は、お客様にも違いが伝わりやすく、走りの味の土台になります。その土台の上に操縦安定性やステアリングフィールが加わることで、”味”が宿るのです。

 その上で大切にしているのは、味そのものではなく、味を感じ取り、磨き上げていくための視点や考え方を次の世代に伝えることです」

テストコースでの限界領域だけではなく、日常での走りの場面における「過渡領域」に気持ちよさや安心感があらわれる

 運動性能を評価する匠である凄腕技能養成部 FDチームG グランドエキスパートの片山智之氏もこう話します。

「定常円旋回や時速100km一定でのロール角なら、いくらでもデータ化できます。でも、一般のお客様が日常で感じる気持ちよさや安心感は、すべて『過渡領域』にあるんです。

 交差点を曲がる瞬間、高速の合流でグッと踏み込んだ瞬間、ブレーキを踏んでスッと抜く瞬間。その微細なGの立ち上がりやクルマの傾き方にこそ“味”が宿ります」

 しかし、それを伝える手段がかつてはあまりに抽象的でした。

「エンジニアに『ここはガーッと行って、グッと曲がるんだよ』と言っても絶対に通用しませんよね(笑) 昔は役員やベテランが乗って一方的に『ここがダメだ』と言い、設計が途方に暮れることもありました。

 でも今は違います。エンジニアが同じクルマに乗り、同じ現象・同じG変化を体感しながら、『今、お尻で感じたこのロールの遅れのことだよ』と感覚をすり合わせていくプロセスが確立されたんです」

トヨタ自動車 凄腕技能養成部 FDチームG グランドエキスパート 運動性能の匠・片山智之氏

 片山氏はさらに続けます。

「TNGA以降、クルマづくりの真ん中に『ヒト中心』を置く共通言語ができました。以前は社内の各部署で目指す方向がバラバラだった時期もあったんです。それを『トヨタとしてどうあるべきか』に一本化し、上下の壁を超えて本音で対話できるようになったことが最大のブレイクスルーでしたね」

 そんな佐藤氏や片山氏のもとで、次世代の匠として腕を磨いているのが車両技術開発部 第1車両試験課の竹原憲吾氏と凄腕技能養成部の佐々木栄輔氏の2人です。佐藤氏とともに車両総合評価を担う竹原氏は、助手席や後席で感覚をシンクロさせる修練を重ねてきました。

トヨタ自動車 車両技術開発部 第1車両試験課 シニアエキスパートの竹原憲吾氏

「先輩の助手席にいながら、まるで自分がステアリングを握っている感覚で神経を研ぎ澄まします。『今、リヤがこう抜けたのを感じて微修正を入れたんだな』と。教わるのを待つのではなく、『今のお尻の抜け感のことですか?』とぶつけていくことでしか、感覚の解像度は上がっていきません」

 竹原氏は、その感覚や知見を若手エンジニアにも惜しみなく伝えています。机上での議論にとどまらず、「まずは一緒に実車に乗ってみましょう」と若手を現場に誘い、実際の車両挙動を共有しながら現場での気づきや学びへと導いているのです。

 さらに佐藤氏は、夜になればエンジニアたちと杯を交わし、昼間に言えなかった本音を語り明かします。他部署からも「あ、茂さんね!」と名前が挙がるほどの人間力と熱量が、設計と評価の間にあった壁を溶かしてきたのだと竹原氏は語ります。

「あの泥臭いコミュニケーション力こそ、僕たち後輩が受け継ぐべき大切な匠のDNAです」

 一方、片山氏の背中を追う佐々木氏も、真剣な眼差しでこう述べます。

トヨタ自動車 凄腕技能養成部 FDチームG シニアエキスパートの佐々木栄輔氏

「先輩方が教えてくださることは、決して突飛なウルトラCではありません。『運転・評価・改善』という基本を、どれだけ高い精度で反復できるか。

 だからこそ僕の役割は、設計や実験の現場に誰よりも深く入り込んで、一緒に走って汗を流す仲間を増やすことなんです。クルマに乗って『これ、気持ちいいよね!』と言い合える関係を作れれば、どんな壁も乗り越えられますから」

基本をどれだけの精度で反復できるか。次世代の匠へと技術が継承される

【写真】匠と次世代エンジニアが作り上げたトヨタ「RAV4」! 詳細を画像で見る(30枚以上)

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