人助けでマイカーが「ミシッ」… 「けん引」はリスク大? 専用ヒッチ設定車も少ないワケ
キャンピングトレーラーなどをけん引するオプションが設定されている乗用車は、国産車ではほんのひと握り。一方で、故障したクルマをけん引することもあるかもしれませんが、けん引はクルマにどのような影響を与えるのでしょうか。
キャンピングトレーラーをけん引するには?
キャンピングカーがじわじわと人気を得ています。業界団体である日本RV協会の資料によると、国産および輸入キャンピングカーの保有台数は2016年に10万台を超え、売上高は2017年には約424億7000万円と、過去最高を更新し続けています。その多くは自走式のキャンピングカーですが、輸入車では、キャンピングトレーラーが多くを占めます。
キャンピングトレーラーをけん引するには、専用のトレーラーヒッチ(ヒッチメンバー)などと呼ばれるオプションが必要です。しかし、これを純正オプションとして設定してクルマは、国産車ではトヨタ「ランドクルーザー」や三菱「デリカD:5」など、ほんのひと握り。そのようななか、2017年発売のSUV「CX-8」に、新たにトレーラーヒッチのオプションを設定したマツダに話を聞きました。
――なぜトレーラーヒッチのオプションを設定したのでしょうか?
現在、日本のライフスタイルに対する価値観は大きく変化しており、キャンピングカーやボート、バイクやカートなどを出先に運んで休日を楽しみたいという方も少なくないと考えます。こうしたお客様に、自分らしいライフスタイルをお楽しみいただけるようにと、「CX-8」の「提供価値」の一環として、(けん引免許を取得することなく)普通免許で可能な750㎏までのけん引性能を、メーカーとして保証することにしました。
――やはりトレーラーヒッチ設定車種は限られてくるのでしょうか?
少なくとも「Zoom-Zoom」世代以降(2002年以降)のマツダ車では「CX-8」が初めてですが、当社のクルマでも一部の海外向け仕様には、その車両の性能に応じたけん引性能を設定している場合もあります。それは、けん引という手段がその地域の生活や文化に一般的なものとして根付いていることを背景としています。
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「CX-8」には、けん引走行中にトレーラーの横揺れを検知すると、状況に応じてブレーキとエンジンをコントロールするというトレーラー・スタビリティ・アシスト(TSA)という機能も標準装備されています。今回のトレーラーヒッチのオプション設定にあたり、「純正」という考え方のもとで、信頼性や適合性について検討を重ねて実現に至ったそうです。