660ccだけど「595万円」!? 旧車デザインの「“軽”スポーツカー」登場! 「スズキ」エンジン&“超軽量ボディ”搭載「“ベビー”コブラ」とは
伝説的なレーシングカーとして知られている「コブラ」。それを忠実に再現したレプリカが中古車市場に登場し話題となっています。ある軽自動車がベースというそのレプリカは、いったいどのような個体なのでしょうか?
見た目は“コブラ”その中身はまさかの軽スポーツ!?
伝説のレーシングカー「コブラ」を再現したレプリカが、中古車市場に登場しました。さまざまなレプリカが存在するなか、今回話題となっているのは、なんと国産の軽スポーツをベースにした1台です。

1960年代、アメリカのレーシングドライバーであるキャロル・シェルビー氏は、英国のAC「エース」のフォード製4.2リッターV8エンジンを搭載したレーシングカーを製作し、数々のレースで輝かしい成績を収めました。
コブラと名付けられたそのレーシングカーは、当時のアメリカを代表する1台として、いまなお根強い人気を誇っています。
ただ、オリジナルのコブラは非常に希少であることから、これまでに数多くのレプリカが製作されています。
レプリカのベースとなるモデルはさまざまですが、このほど中古車市場に登場した1台は、スズキの「カプチーノ」がベースとなっていることが注目を集めています。
カプチーノは、1991年から1998年にかけて販売されていた軽オープンカーです。
搭載されるエンジンは、軽自動車の自主規制上限である64psを発揮する660ccの直列3気筒エンジンで、そこに5速MTが組み合わされます。また、後期型のみ3ATも設定されています。
全長3295mm×全幅1395mm×全高1185mmというコンパクトなボディながら、ロングノーズ・ショートデッキのシルエットや後輪駆動(FR)を活かしたその走りは、本格的なスポーツカーと呼べるものでした。
1998年の軽自動車規格改正にともない、カプチーノはその歴史に幕を閉じましたが、いまなお根強いファンをもつ1台であることはたしかです。
そんなカプチーノをベースとしたコブラを販売しているのは、東京都世田谷区の中古車販売店「ジェミーズ」です。
この個体は、2009年にベイビー・コブラ・ジャパンが発売した「ベイビーコブラ 40.27」で、製作台数はわずか30台のみとされています。
カプチーノをベースとしていることもあり、そのボディは全長3580mm×全幅1800mm×全高1150mmと、オリジナルのコブラと比べて全長は約400mm短くなっています。
一方、全幅やヘッドライトとフェンダーの高さ、タイヤとホイールのサイズなどはオリジナルのコブラと同サイズとなっており、その完成度の高さがうかがえます。
また、車両重量は650kgと、ベースとなるカプチーノよりもおよそ50kg軽量化されています。
FRP製のボディは鮮やかなイエローソリッドに彩られており、ハリブランドスタイルのオリジナルホイールが足元を引き締めています。また、ダミーのサイドエキゾーストも印象的です。
内外装もオリジナルのコブラの特徴をよくとらえたものとなっており、ステアリングやシフトノブ、インパネにいたるまで、カプチーノの面影はありません。
なお、この個体のトランスミッション(5速MT)や消耗品は製作時にオーバーホールされたうえ、エンジンは2025年10月にリビルト品に交換されています。
2025年11月現在、この個体の販売価格は595万円となっています。
ジェミーズの担当者は、この個体について次のように話します。
「過去にも同様のモデルをあつかっていた際、それを見たお客様が『自分のクルマもあずかってもらえないか』ということで、この個体を販売することになりました。
非常に流通台数が少なく、希少価値の高いモデルなので、これまでにも多くのお客様からお問い合わせがありました。
オープンボディでルーフがないことや、500万円を超える価格がネックとなっており、2025年11月時点では成約にはいたっていません。
とはいえ、お問い合わせ自体は継続的にいただいていることから、いつ新しいオーナー様が決まってもおかしくはない状況です」
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なお、RMサザビーズが2026年に米国・アリゾナで開催するオークションには、1964年式のコブラが出品される予定です。
予想落札価格は100万ドル〜150万ドル(約1億5000万円〜2億2500万円)に設定されており、その希少性がうかがえます。
また、過去のオークションでも、オリジナルのコブラはおおむね1億円を超える価格で取引されています。
そのように考えると、595万という価格のこの個体は、非常にお買い得な1台と言えるかもしれません。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。













































