「不正改造車を排除します!」 大迷惑な「爆音マフラー」「フルスモ」の“改造車”5台をその場で摘発! 「もっと取り締まりして!」の声も? 一斉取締実施 岡山
岡山県和気町において不正改造車に対する街頭検査がおこなわれました。20台の車両を検査した結果、5台に不正改造が認められ、使用者に整備命令書が交付されました。
ネット上では「うちの地元でもやってほしい」「もっと取り締まりを」などの反響も
国土交通省 中国運輸局 岡山運輸支局は2025年11月23日の午前7時から午前10時までの間、岡山県和気町において警察などと合同で、不正改造車に対する街頭車両検査を実施しました。
これは近くで開催された旧車イベントに合わせておこなわれたもので、二輪車16台と四輪車4台の合計20台の車両を検査しました。その結果、二輪車4台と四輪車1台の合計5台に不正改造が認められ、車両の使用者に対して整備命令書が交付されました。

今回の検査では基準に適合しないマフラーを装着したり、クルマの窓ガラスに着色フィルムを貼っていたりした車両などが摘発されたということです。
なお整備命令書が出された車両の中には、99デシベル以下という騒音規制値に対し、102~108デシベルの排気音を出していたものもみられました。
岡山運輸支局は「引き続き、関係機関と連携して不正改造車の排除に取り組み、平穏な生活環境の確保に努めたい」と話しています。
この街頭車両検査に対してはインターネット上で「うちの地元の道の駅でもやってほしいな。爆音バイクが大集結して会話なんてできたもんじゃないし、くつろぎ空間も台無し」「日頃からどんどんやるべきだし警察ももっと取り締まりしてくれ」など、積極的な取り締まりを求める声が多く寄せられています。
そもそも車両の不正改造と一口に言っても、さまざまなケースがあります。
たとえば道路運送車両の保安基準(保安基準)では、灯火類(ランプ類)に関してブレーキランプは赤色、ナンバープレートのランプは白色などと色が指定されており、これらに適合しない灯火器を付けていた場合は不正改造とみなされます。
さらに今回の街頭車両検査でもみられた「着色フィルム」については、運転者の視野の妨げになって危険という理由から、フロントガラスと運転席・助手席の窓ガラスに貼り付けること(いわゆるフルスモ)が禁止されています。
強い日差しの防止や車内のプライバシー保護のため、着色フィルムを使用するユーザーも少なくありませんが、その際は窓ガラスの可視光線透過率(ガラスを通り抜ける光の割合)が70%未満とならないよう注意が必要です。
また車体からはみ出すようにタイヤ・ホイール、ウイングなどを取り付ける行為も、周囲の車両や歩行者を巻き込むおそれがあることから禁止されており、これも不正改造に当たります。
今回の事例のように整備命令が出されると、不正改造車には「整備命令標章」と呼ばれるステッカーが貼り付けられます。
不正改造車の使用者は15日以内に保安基準に適合するように必要な整備をおこない、最寄りの運輸支局または自動車検査登録事務所で再び車両を確認してもらわなければなりません。
もし仮に使用者が勝手に整備命令標章を剥がしたり、必要な整備をおこなわなかったりした場合には、一定期間車両の使用を停止させられる可能性があります。また、整備命令に従わないと50万円以下の罰金が科せられることもあります。
自分の好みに車両をカスタマイズするときには、騒音を出したり周囲に危険を及ぼしたりしないよう配慮し、法令を守っておこなうべきでしょう。
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街頭車両検査に関しては、不正改造車の排除に一定の効果があるとする声が寄せられた一方で、「整備命令を受けて車両を直しても、また同じことを繰り返すのでは?」という指摘もありました。
特に騒音を出す不正改造車に対しては憤りを感じる人も多く、罰則や取り締まりの強化を求める声が上がっています。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。




































