トヨタ「次期エスティマ」!? 全長4.8mの斬新「タマゴ型ミニバン」は3列シート×6人乗り仕様! めちゃ快適な「ピラーレスドア」も採用した超豪華「ファインコンフォートライド」とは!
かつてトヨタが「高級ミニバンの新たな可能性」を示すべく開発した「ファインコンフォートライド」とは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。
全長4.8mのトヨタ「次期エスティマ」!?
2025年10月末から開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」では、未来のモビリティに対する提言が数多く発表されましたが、同時に過去のモーターショーで発表された先見的なコンセプトカーも再び注目を集めています。
本記事では、トヨタが2017年の「第43回 東京モーターショー」で世界初公開した「ファインコンフォートライド」が示した、高級ミニバンの新たな可能性を振り返ります。

このファインコンフォートライドは、水素をエネルギー源とする燃料電池を搭載した「6人乗りの3列シートミニバン」のコンセプトカーです。
電動化と燃料電池技術がもたらす未来のプレミアムカーを提案したもので、現代の視点からも極めて重要なモデルだと記憶されています。
同車の真価は、走行時にCO2や環境負荷物質を一切排出しない優れた環境性能に加え、約3分という短時間の水素充填で、約1000kmという圧倒的な航続距離を実現した点にあります。(JC08モード換算)
これは、当時のEVが抱えていた「充電時間」と「航続距離」という2つの課題に対する、燃料電池車(FCEV)ならではの明確な回答でした。
そんなファインコンフォートライドのボディサイズは、全長4830mm×全幅1950mm×全高1650mm。そしてホイールベースは3450mmと、極端に長く設定されています。
エクステリアデザインには、車両前方から中央にかけて広がりを持たせつつ、後方に向けて絞り込む「ダイヤモンド型キャビン」を採用。
これは、2列目シートの居住空間を最大化すると同時に、優れた空力性能を両立させるための機能美でした。
さらに、インホイールモーターを採用することでタイヤを車体の四隅に配置し、電動車特有の自由度の高いレイアウトを実現。
ボディ下部をフルカバーすることで、高い静粛性と走行安定性を確保しています。
インテリアのテーマは「Wearing Comforts(快適な空間に包まれる)」です。単なる移動手段を超え、乗員にとっての「移動以外の価値」を提供する空間として設計されました。
豪華かつ自由な姿勢に調整可能なシートを中心に、エージェント機能やタッチディスプレイを配置し、誰もが自由に情報へアクセスできる環境を構築。
シートレイアウトも自在に変更可能で、「個の空間」としても、また「個と個のコミュニケーション空間」としても機能する柔軟性は、まさに未来のプレミアムミニバンの在り方を体現していました。
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当時、このファインコンフォートライドは、その革新的なパッケージングと先進性から、「次期エスティマを示唆するモデルではないか?」と多くのメディアやファンに予測されました。
実際、「エスティマ」は2019年まで生産が続けられたものの、直接的な後継車種が登場することなくその歴史に幕を下ろしています。
そしてファインコンフォートライド自体も市販化には至りませんでしたが、その技術的思想や居住空間へのアプローチは、その後のトヨタのFCEV開発や高級ミニバンの設計思想に影響を与えていると言えるでしょう。
水素社会の実現と、多人数での移動の快適性を極限まで追求したこのコンセプトカーは、今なお色褪せない輝きを放ち続けているのです。
Writer: くるまのニュース編集部
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