33年ぶりに復活!? 「6速MT」の新型「“3人乗り”スポーツカー」がスゴい! 全長4.4m級&“986kg”の「“超軽量”モデル」! 「730馬力」の「GMSV S1 LM」が米国オークションで30億円超え
スーパーカー界の巨匠、ゴードン・マーレー氏は2025年8月15日、新ブランド「GMSV」を立ち上げ、その第一弾となる「S1 LM」を世界初公開しました。そして同年11月24日に行われたRMサザビーズのオークションでは、このS1 LMが出品され高額で落札されました。
ゴードン・マーレー氏が生んだ現代版スーパーカー
1992年に登場した伝説的スーパーカー「マクラーレンF1」で、“走りの純度”という哲学を確立したゴードン・マーレー氏。その思想は、近年では自らのブランド「Gordon Murray Automotive(GMA)」の「T.50」にも受け継がれ、世界中のファンから高く評価されています。
そして2025年8月15日、米国カリフォルニア州ペブルビーチで開催された「モントレー・カーウィーク2025」において、ゴードン・マーレー氏は新ブランド「Gordon Murray Special Vehicles(ゴードン・マーレー・スペシャル・ビークルズ/GMSV)」を始動。その第一弾として、公道仕様のスーパーカー「S1 LM」を世界初公開しました。

GMSV S1 LMは、ゴードン・マーレー氏が手がけた「マクラーレンF1 GTR」がル・マン24時間レースで総合優勝を果たしてから30周年を記念して生まれた、公道走行可能なミッドシップ・スーパーカーです。モデル名の“LM”はル・マンを意味すると同時に、「Special One(スペシャル ワン)」の略でもあり、走りの純度を極限まで突き詰めた“唯一無二の一台”であることを象徴しています。
外観は、カーボンファイバーを駆使した軽量モノコックを核に、シャープなフロントスプリッターや2段式リアウイング、立体的なディフューザーなど、レーシングカー由来のエアロパーツを随所に採用。美しさと機能性の両立を追求したボディは、見る者を圧倒する存在感を放っています。
ボディサイズは全長4443mm×全幅1891mm×全高1149mm、ホイールベース2700mm。超低重心・コンパクトなパッケージながら、車両重量はわずか986kgという驚異的な軽さを実現しています。近年のV12スーパーカーで“1トン切り”は極めて稀で、軽量化こそがゴードン・マーレー氏の哲学の核心であることが改めて示されています。
心臓部には、英国コスワースと共同開発した「GMA V12」エンジンを搭載。排気量4.3リッターの自然吸気V型12気筒は、最高出力730馬力/11500rpm、最大トルク470Nm/9000rpmを発生します。
最高回転数は12100rpmに達し、吸気レスポンスと吹け上がりはF1マシンさながら。可変バルブタイミング付きのギア駆動DOHC4バルブ構造をもち、エキゾーストシステムにはインコネル材を採用し、熱対策として18金の断熱材まで施されるなど、細部まで徹底した設計思想が貫かれています。
このエンジン自体の重量はわずか178kg。軽量ボディとの相乗効果により、パワーウエイトレシオは760馬力/トン超という、現代の公道車としては異例のスペックを誇ります。
駆動方式はミッドシップ・後輪駆動(MR)、そしてトランスミッションは6速マニュアルのみという硬派な構成。ゴードン・マーレー氏は「ドライバーが完全に主導権を握ることが本当の走りの喜び」と語り、あえてDCTを採用しない“MT主義”を貫いています。
サスペンションは専用ジオメトリーを持つダブルウィッシュボーンで、アルミ削り出しアームや軽量ダンパーを採用。
ブレーキにはカーボンセラミックディスクを組み合わせ、極めて高い耐フェード性と制動力を備えます。公道からサーキットまで、どの領域でも圧倒的な安定性とハンドリング性能を発揮するよう設計されています。
インテリアは3人乗りのセンターシートレイアウト。ドライバーが中央、同乗者が左右にオフセット配置されるパッケージは、まさにマクラーレンF1の再解釈です。レザーとアルカンターラを用いた上質な空間でありながら、スイッチ類は手の届く範囲にまとめられ、アナログメーター主体の計器盤は“ドライバーのためだけに存在する”という思想を体現。
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GMSV S1 LMの生産台数は世界でわずか5台のみ。2025年11月24日に米国ラスベガスで開催されたRMサザビーズのオークションでは、そのうちの1台が出品され、落札予想価格を超える2063万ドル(約32億7270万円)で落札されました。
市販車としては異例の“30億円超えスーパーカー”として、世界的な注目を集める結果となりました。
Writer: くるまのニュース編集部
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