「狭い・危ない」区間を回避! 足掛け“19年”での完成! 高速道と一般道が繋がる“最後の難所”がクリアに! 12月13日に「三田西インター線」開通へ、兵庫
兵庫県は、主要地方道「三田西インター線」のバイパスを2025年12月13日に開通します。国道176号と舞鶴若狭道・三田西ICを結ぶ約0.7kmの区間で、長年の課題だった狭隘な現道や踏切を回避 。物流の効率化と地域交通の安全性が大きく向上します。
国道176号と高速ICをつなぐ「最後の難所」がクリアに
兵庫県は、整備を進めていた主要地方道「三田西インター線」のバイパス区間を、2025年12月13日に開通すると発表しました。
国道176号と舞鶴若狭自動車道をスムーズに結ぶこの新ルートは、長年の地域課題であった「狭い・危ない」現道区間を回避し、物流の効率化と歩行者の安全確保を同時に実現する道路として期待されています。

今回開通するのは、主要地方道「三田西インター線」のうち、三田市溝口から長坂までのバイパス区間、延長約0.7kmです。
この路線は、国道176号と舞鶴若狭自動車道・三田西IC(インターチェンジ)、さらには大規模な工業団地である「三田市テクノパーク」を結ぶ、全長4.4kmの重要な幹線道路の一部にあたります。
開通日時は2025年12月13日の14時を予定しており、同日の午前中には現地で開通式典も執り行われる予定です。
これまで、三田西ICから国道176号へ抜ける車両は、JR福知山線の踏切を渡り、住宅地や学校が点在する生活道路を通過する必要がありました。今回のバイパス開通により、このアクセス環境が一変することになります。
【離合困難な「幅4メートル」の旧道と踏切問題】
なぜ、わずか0.7kmのバイパス整備がこれほど重要視されてきたのでしょうか。それは、並行する現道のあまりに過酷な道路状況にあります。
兵庫県の事業評価調書によると、現道の車道幅員は狭いところで4.0mから5.0mほどしかありません。
大型車同士がすれ違う(離合する)ことは極めて困難で、そのうえ最小曲線半径が10mという急カーブが存在するなど、線形も非常に悪い状態でした。
さらに深刻だったのが、歩行者の安全確保です。現道には歩車道の分離がなく、路側帯も狭いため、通学路として利用する地元の中学生や住民は、通行するクルマのすぐ脇を歩かざるを得ない危険な状態が続いていました。
また、JR福知山線と平面交差する踏切があるため、朝夕のラッシュ時には交通が滞留しやすく、緊急車両の通行や物流の定時性確保にも支障をきたしていました。
三田市テクノパークや第二テクノパークには多くの企業が立地しており、大型トラックの往来も多いため、安全でスムーズな道路への改良が急務となっていたのです。
【橋梁でJR線をまたぐ快走路へ進化】
12月13日に開通するバイパスは、これらの課題を根本から解決するスペックを持っています。
新設された道路は、車道幅6.5m(全幅15.5m)のゆったりとした2車線道路です。
特に注目すべきは、両側に幅3.0mずつの自転車歩行者道が整備される点。
これにより、クルマと歩行者の動線が完全に分離され、地域の安全性は飛躍的に向上します。
また、最大の懸案だったJR福知山線との交差部分は、新たに建設された「溝口大橋」によって立体交差(オーバーパス)となります。
これにより踏切による一時停止や渋滞がなくなり、国道176号から三田西ICまでの所要時間が短縮されるだけでなく、救急医療活動や災害時の緊急輸送道路としての機能も強化されます。
総事業費約43億円を投じて進められてきたこの事業は、2006年度(平成18年度)に着手され、足掛け19年での完成となりました。
開通により、テクノパーク立地企業の物流効率化はもちろん、三田市内の道路ネットワーク全体の円滑化に大きく寄与することになりそうです。
開通当日は、関係者によるテープカットやパレードなどの式典が予定されており、午後2時から一般車両の通行が可能になる見込みです。
Writer: くるまのニュース編集部
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