新型「“水平対向”4WDスポーツカー」登場! ただ“速い”だけでない快適性の高さも魅力!? 「700馬力」超えのポルシェ「911ターボS」は“新フェーズ”へ
ポルシェは2025年9月8日、新型「911ターボS/ターボS カブリオレ」を発表しました。量産911として過去最強となるパワーユニットを搭載し、圧倒的な速さを誇ります。今回はスペイン・マラガで開催された国際試乗会で、その実力を竹花寿実氏が体験しました。
最強911はどう進化した? 新開発Tハイブリッドがスゴい!
ポルシェジャパンは2025年9月、新型「911ターボS/ターボS カブリオレ」を発表しました。そのパフォーマンスをスペイン・マラガで開催された国際試乗会でいち早くチェックしました。どんなクルマなのでしょうか。

“991.2”と呼ばれる先代「911」の後期モデルから、「GT3」および「GT3 RS」を除くモデルに“ライトサイジング”ターボエンジンを搭載したポルシェ911。現行モデルの“992”もそれを受け継いでいます。
そして“992.2”となった後期モデルでは、GTS系モデルに“Tハイブリッド”と呼ばれる電動ターボチャージャーを備えたハイブリッドシステムを搭載し、一層の効率化とパフォーマンスアップを果たしました。
そこで気になるのは、果たして「911ターボ」はどうなるのかという点です。BEV(電気自動車)の「タイカン」のように、ほぼ出力性能だけが異なるモデルを“ターボ”と呼ぶのか、それとも新たに異なるパワーユニットを搭載するのか、気になっていた911ファンも多いでしょう。
正解は後者でした。2025年9月8日に発表されたポルシェの新型911ターボS/同カブリオレは、新開発のツインターボエンジンを搭載した専用仕立てのTハイブリッドとして登場。そのスペックは最高出力711馬力、最大トルク800Nmと圧倒的で、まさに“量産911過去最強”の一台となっています。

今回私は、その新型ポルシェ911ターボSの走りを、スペイン・マラガで開催された国際試乗会で体験することができました。
まず、クーペのボディサイズは全長4551mm×全幅1900mm×全高1305mm(カブリオレは1304mm) で、ホイールベースは 2450mm。従来型と大きく変わらない寸法ながら、空力性能やシャシ制御の進化によって、走りの質感はまったくの別物に仕上げられています。
ニュー911ターボSの搭載エンジンは、3691ccの水平対向6気筒ツインターボです。このエンジンは、インジェクターを除き、ほぼ完全に新開発で、エンジン高は従来ユニットより110mmも低くなっています。
また2基のeターボ(電動ターボチャージャー)は、左右のシリンダーバンクのすぐ側に配置されていて、コンプレッサーホイールとターボホイールが、それぞれ73mmと65mmと、GTS系(83mmと80mm)から小径化された点が特徴となっています。
つまり新型ターボSのツインターボエンジンは、従来ユニットより低重心であることはもちろん、電気モーターとタービン小径化による過給の立ち上がりの良さ、eターボとシリンダーの距離を近づけたことで、GTS系のシングルターボユニットより高レスポンスで高出力を狙って設計されているのです。
エンジン単体では最高出力640馬力/6500rpm、最大トルク760Nm/2750〜5000rpmを絞り出します。またエンジンと8速PDKの間には、60kW(81馬力)と188Nmを発揮する電気モーターを搭載。この結果、711馬力/800Nmという圧倒的なスペックを達成したのです。
































































