道路に描かれた「謎の“ひし形”マーク」どんな意味? まだ“4割”のドライバーが「忘れてる」!? 見落としたら「違反」の可能性もある「◇標示」は何を示しているのか

「◇」を見たら、「歩行者がいるかもしれない」と先読みしよう

 警察庁による啓蒙をはじめ、テレビ番組やYouTubeなどで取り上げられることも増えたため、「信号機のない横断歩道」でしっかりと一時停止義務を果たすクルマやバイクは、確実に増えているように思えます。

 その一方、JAF(日本自動車連盟)による実態調査(2025年8月6日~8月28日)によると、「まだ4割以上が止まらない」という残念な結果が出ています。

ドライバー・歩行者ともに「思いやりの気持ち」も忘れずに[イメージ画像:AdobeStock]
ドライバー・歩行者ともに「思いやりの気持ち」も忘れずに[イメージ画像:AdobeStock]

 全国の横断歩道を通過する車両・6226台を対象に実施した調査では、歩行者が横断しようとしている場面で一時停止した車両は、56.7%にあたる3528台。2020年の時点では、同様の調査で21.3%しか一時停止しなかったこと思えば大きな改善であり、年々増加傾向かつ過去最高を記録したものの、それでも「まだ4割以上が止まらない」という現実があります。

 ちなみに47都道府県で「もっとも止まるベスト3」は、長野(88.2%)/岐阜(78.0%)/福岡(77.7%)。一方、「もっとも止まらないワースト3」は、山口(34.3%)/大阪(35.5%)/沖縄(36.9%)となっています。

 また人口の集中する首都圏の東京(44.2%)/千葉(48.4%)/埼玉(47.9%)も、全国平均の56.7%を下回っています。

 一時停止率を高めるためには、“◇(ひし形標示)”のさらなる認知と有効活用が不可欠になるでしょう。

 運転中に◇を視認した時には、横断しようとする歩行者が明らかにいないケースを除き、横断歩道の手前で停止できるよう、あらかじめスピードを落とすことがドライバーの責務です。

 また、とくに冬の夕暮れ時や夜間は周囲が見えにくくなるため、“かもしれない運転”を心掛けることが重要です。

 一方、歩行者の側も、スマホを操作したりして視線を下げているのではなく、「横断したい」という明確な意思表示をドライバーにするべきでしょう。もちろん、横断歩道がない場所でムリに横断しようとするのは、危険極まりありません。

 ちなみに歩行者の死亡事故のうち、約6割が「横断歩道以外の場所を横断」しているときに起きています。

※ ※ ※

 クルマやバイクを運転している人でも、時には歩行者になることもあり、その逆もしかりです。

「信号機のない横断歩道」でクルマやバイクが一時停止することは明確な義務ですが、歩行者は「当然でしょ」という顔をするのではなく会釈したりして、それに対してドライバーやライダーが手を上げて応えれば、ふとした日常の中にハートウォーミングな空気が流れるはずです。

 理想論や綺麗事のように思えるかもしれませんが、それぞれが“今の自分”の都合ばかりを優先するのではなく、他者を“思いやる気持ち”を大切にすることが、よりセーフティかつ清々しい移動につながるはずです。

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Writer: のぐち まさひろ

ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。SAJスキー検定1級/国内A級ライセンス/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、オフィシャルハンデは「7.1」。

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