6年ぶり全面刷新! トヨタ「新型ミドルSUV」世界初公開! 全長4.6m“ちょうどいいボディ”×「巨大ディスプレイ」採用! 「3つのパワトレ展開」も魅力! “RAV4”の姉妹車「ワイルドランダー」中国に登場!
2025年11月20日、広汽トヨタは中国市場向けSUV「ワイルドランダー」の新型モデルを正式に発表しました。トヨタ「RAV4」の姉妹車として展開されてきた同車は、今回のモデルチェンジで2025年5月に登場した6代目RAV4をベースに大幅な刷新を受けました。
6年ぶり全面刷新で2代目へと進化!
2025年11月20日、広汽トヨタは中国市場で販売する「ワイルドランダー」の新型モデルを正式に発表しました。
同車はトヨタ「RAV4(ラブフォー)」の姉妹車として位置付けられており、今回のモデルチェンジでは2025年5月に登場した6代目RAV4をベースに全面的な刷新が行われています。

1994年に登場したRAV4は、5ナンバーサイズの小型クロスオーバーSUVとしてアウトドアブームの最中に投入され、以降は特に北米に重点を置いた販売戦略のもとで徐々にボディサイズを拡大し、2013年発売の4代目では海外専売となるなど、世界戦略SUVとして確固たる地位を築いてきました。
そして2025年5月には6代目への刷新が行われ、日本や北米向けはストロングハイブリッドとプラグインハイブリッドのみに整理されています。
一方で中国市場では、RAV4に加えてワイルドランダーという姉妹車が設定されており、これは一汽トヨタと広汽トヨタという二つの合弁会社がそれぞれ異なる外観と車名で同一車種を展開するという、中国市場では一般的な手法によるものです。
同様の手法はこれまでも「カローラ」と「レビン」、「アリオン」と「レビンGT」、「イゾア」と「C-HR」など多くのモデルで採用されています。
ワイルドランダーは2019年10月、5代目RAV4の姉妹車として広汽トヨタから登場しました。
パワートレインや内装はRAV4と共通性を持ちながらも、フロントマスクには独自の意匠が与えられ、RAV4が無骨さを強調していたのに対し、より都会的な雰囲気を演出していた点が特徴です。
販売成績は好調で、一汽トヨタ版のRAV4が月間約2万台、広汽トヨタ版のワイルドランダーが月間約1万台を売り上げ、両者を合算すると中国SUV市場でテスラ「モデルY」に次ぐ規模となっています。
今回発表された新型ワイルドランダーは、「広州モーターショー2025」の開幕を翌日に控えたタイミングで先行で世界初公開されました。
新型は6代目RAV4の「CORE」仕様をベースにしており、外観のバリエーションとして「CORE」「ADVENTURE」「GR SPORT」の三種類が用意される6代目RAV4のうち、中国向けRAV4が「ADVENTURE」に準拠するのに対し、ワイルドランダーは「CORE」に沿ったデザインを採用します。
従来モデルでは中国専用デザインが用いられていましたが、新型ではグローバルモデルと同じ外観となった点が大きな変化です。
ボディサイズは全長4620mm×全幅1855mm×全高1680mmで、ホイールベースは2690mmとなっています。
パワートレインは2.5リッターおよび2リッターのハイブリッドに加え、2リッターのガソリンエンジンを設定しており、6代目RAV4が日本や北米でガソリン車を廃止したのに対し、中国では依然として純ガソリン車が残されることになりました。
これはハイブリッドよりも低価格な選択肢を維持し、より広い購買層に対応する狙いがあると考えられます。
内装では日本仕様との違いが随所に見られ、とくにセンターディスプレイは15.6インチへと大幅に大型化され、従来存在した物理ボタンやダイヤルを廃したシンプルなデザインが採用されています。
中国ではタッチ操作が好まれる傾向にあり、こうした市場ニーズが強く反映された形です。
またインストルメントパネルのディスプレイは日本仕様より小さくなっていますが、主要情報はメーター奥のヘッドアップディスプレイで確認するという中国のトレンドに沿った仕様となっています。
新型ワイルドランダーの価格は、16万9800元(約376万円)から23万800元(約510万円)です。
同クラスのSUVは中国では低価格でPHEVやBEVとして販売されているケースが多く、ハイブリッドとガソリンのみという構成のワイルドランダーがどのように競争力を示すのか注目されています。
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なお、広汽トヨタは今後のパワートレイン戦略についても多様化を進める方針を示しており、大型SUV「ハイランダー」やミニバン「シエナ」の次期型には、トヨタとして初となるレンジエクステンダー付きEV(EREV)の導入を予告しています。
電気自動車が依然として強い人気を持つ中国市場ではありますが、電池技術の停滞による航続距離への懸念もあって、PHEVやEREVといった選択肢が引き続き高い支持を得ており、今後の市場動向とともに広汽トヨタの展開にも関心が集まっています。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。







































































