フェラーリ「F40」はなぜ“燃える”のか? “出火対策”だけで「1000万円超え」ってマジ!? 憧れの“スーパーカー”に潜むリスクと驚きの維持費とは

フェラーリ「F40」は、その華やかな人気とは裏腹に炎上リスクを抱えるモデルとしても知られています。なぜ出火が起きてしまうのか。構造上の理由から、オーナーが語る驚きの維持費まで、スーパーカーF40の「燃える理由」に迫ります。

左右に配置された“ツインタンク”が抱える宿命

 先日もフェラーリが炎上するニュースが話題になりましたが、実は「F40」もこれまで数年に一度のペースで炎上事故を起こしてきたモデルとして知られています。

象徴的な大型リアウイングを備えるフェラーリ「F40」
象徴的な大型リアウイングを備えるフェラーリ「F40」

 その原因のひとつとして考えられているのが、ガソリンタンクの経年劣化による燃料漏れです。

 重量バランスを考慮し、F40のガソリンタンクは左右に配置され、給油口も左右にそれぞれ存在するツイン仕様となっています。タンク容量は60リッター×2で合計120リッター。

 タンクは安全性を重視してラバー製とされ、レース中や高速走行時にクラッシュしても燃料が漏れにくい構造です。また、横Gで燃料が暴れないよう、タンク内部にはスポンジが入れられています。

 しかしこのスポンジが経年劣化で崩れ、砂状になって燃料フィルターを詰まらせることで、エンジン不調や出火の原因になるといわれています。

 加えて、ガソリンタンク自体にも寿命があり、10年ごとの交換が推奨されています。以前、オーナーから聞いた話ではガソリンタンクの価格が片側250万円ほどでしたが、現在は片側500万円にまで高騰。左右交換で1000万円超えという、スーパーカーならではの世界です。

 スポンジのみの交換であれば、工賃込みで100万円程度(左右とも)の作業と聞いたことがありますが、こちらも近年は価格が大きく上昇している可能性があり、タンク本体を交換するほうが結果として合理的ともいえます。

 また、5作目のスペチアーレとして登場した「ラ フェラーリ」や「ラ フェラーリ・アペルタ」は、ハイブリッドバッテリーパックの交換費が3000万円に達するとされ、まさに次元の異なる維持費が必要です。

 最後に、F40にまつわる印象的なエピソードをふたつ紹介します。

 まず、F40をデザインしたレオナルド・フィオラヴァンティ氏(元ピニンファリーナ・チーフデザイナー)によると、当初、F40にはリアウイングが存在せず、テストドライバーから「空力不足」を指摘され、急遽描き加えたのが現在の象徴的な大型ウイングだったそうです。

 そして、フェラーリのワークス的存在「ミケロット」が制作した「F40 GTE」で1995・1996年のル・マン24時間に参戦した太田哲也氏によれば、ノーマル比でブースト圧を3倍に高めたターボのパワーは凄まじく、コーナリング中に過給が始まると危険なため、コーナー手前でフルブーストをかけ、後輪をパワースライドさせて走らせていたとのこと。

 まさに、トップドライバーならではの領域といえます。

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Writer: 高桑秀典

1971年東京生まれ。自動車雑誌編集部員を経て独立。イベント取材時には撮影も担当するが本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が34万kmオーバーとなっている(2025年10月中旬現在)。昨今のフィアット500にも乗っており、現在、白のデュアロジックという縛りで買い進め、3台(4気筒の屋根開き&2台のツインエア)を運用中。

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