“トランスフォーム”する電動バイク! ICOMA「タタメルバイク」の進化系「tatamo!」がジャパンモビリティショー2025に登場!
2025年11月9日に幕を閉じた「ジャパンモビリティショー2025」。今回は、その会場で注目を集めた「ICOMA」の代表的なモデル「タタメルバイク」の進化版「tatamo!」について、近藤スパ太郎さんが解説します。
コミュニケーションが取れる次世代のバイク
こんにちは! 先進モビリティに興味津々の近藤スパ太郎です。
ジャパンモビリティショー2025「Tokyo Future Tour 2035」に出展していた、モビリティベンチャー企業のICOMA(イコマ)のブースには「なにこれ!?」と、自由な発想で開発した、しかも実際に走れる車両がたくさんありました。

ICOMA代表の生駒崇光さんは、変形ロボット玩具の 「トランスフォーマー」や、いやし系コミュニケーションロボットの「LOVOT(らぼっと)」などのプロダクトデザイナーの経歴を持つ方です。そしてICOMAの代表的な車両でもある、スーツケースサイズに四角く折り畳みができる(トランスフォームする)原付の電動バイク「タタメルバイク」の発案者であり開発者です。
そんなICOMAには奇抜な発想とただならぬ開発熱意を持つエンジニアが集まり、自社のモビリティ開発だけではなく、トヨタブースに展示されていた「boost me」の車体開発や、他企業との共同開発も行うベンチャー企業へと成長しています。
とてもコンパクトな電動モビリティの「tatamo!(タタモ)」は、車両とコミュニケーションが取れたり、車両が危険や情報を知らせてくれたり……などなど、コミュニケーション型モビリティのコンセプトモデルとして展示していました。
アイデア出しから4ヶ月後の今年の4月には、世界最大規模の家具・インテリアの国際見本市「ミラノサローネ」に車両出展してしまうというスピード感のある開発は少数精鋭が集まるICOMAならでは。モビリティショーでは、さらに改良をして展示されていました。
今の最新技術を搭載してこんなことが可能! を提案するコンセプトモデルですが、既に車両に落とし込んでいる箇所も沢山ありました。
車両を広げたライディングモードは、全長1130mm×全幅600mm×全高937mm と、とてもコンパクトなサイズ感。小さなシートは意外にも座り心地が良く、おもちゃに乗っているような感覚もあり、つい笑顔になってしまいました。
36V 10Aのバッテリー、リヤタイヤに600Wのインホイールモーターを搭載してスロットルレバーの操作で走行します。走行テストも重ねているそうで、現在は最高速度が20km/hの特定原付クラスを想定しているそうです。
車両の真ん中の四角い箱は着脱可能な収納BOX。持ち手が付いているのでそのままバッグとしても使えます。ハンドル部にはカメラレンズを2個搭載しています。
車両を折り畳むと、全長584mm×全幅350mm×全高786mm とさらにコンパクトな四角い形状になり、後部にキャスターがあるのでスーツケースのように転がして移動ができ、このままインテリアにしたり、隙間に収納したりすることも可能です。
面白い! と思ったのが、ライディングモード時にはメーターだった物が、折り畳むと180度回転してtatamo! の感情を表す「目」に変わりました。手を近づけて“なでなで”すると喜んだ目になり、でもなぜかボクが手を出すと目が 「X X」 になって不機嫌の表情になったり……。手を目の正面から近づけると、怖いと反応するセンサー設定になっているそうで、上から優しくなでるのが喜ぶコツだそうです。ほんとだ、今度は喜んだ! なんだか可愛いぞ! と何度も試してしまいました。
「そうなんです、目を入れる事や表情がかわることで愛着が湧きますよね。単なる乗り物としてだけでなく、生活の身近なパートナーとして活用したい。モビリティとロボットが融合したようなキャラクターをデザインしたのが、このtatamo! なんです!」 と話す生駒さん。
tatamo! に搭載するカメラにドライブレコーダーや画像キャプチャ―機能を活用してGPSと連動することで、進入禁止場所や工事現場などを注意喚起表示したり、走行中に気になる店があればtatamo! に聞けば情報がメーターパネルに表示されたり、音声で流れたり……などの機能も、今の技術を使えば可能とのことです。
さらに、折り畳んだtatamo! が散歩時にコミュニケーションが取れるパートナーとなったり危険察知をしたり、家の中に置いている時にもセキュリティとして見張ってくれたり、などの拡張機能も実現可能だそうです。
他にもtatamo! を呼んだら来る、荷物を持ってくれる、乗り終えたら自動で帰るなどAGV機能を持たせた自動運転化や、バッテリーを蓄電池として活用するV2X(Vehicle-to-Everything)としての活用なども、ディープテックな開発要素だそうです。
これからの最新技術投入と実用化はICOMAだけでは難しいため、開発パートナーを募っているとのことでした。
同社は、冒頭で紹介したトヨタの「boost me」の開発だけでなく、ICOMAブースに展示されていた、一般社団法人・次世代移動支援技術開発コンソーシアムが中心となって開発を進める、視覚障害者の移動を支援する自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」や、椿本チエインが開発中の三輪型の特定原付「Full電動Cargo(仮称)」などのプトダクトデザインや、実働モックアップ製作など他企業との共同開発も進めています。
ICOMAなら近い将来、tatamo! が提案するロボティクスモビリティを実現できそうな気がします。小さなベンチャー企業でもこんなことが実現できるんだ! と、ICOMAの今後に期待しているボクです。
Writer: 近藤スパ太郎
タレント/プロデューサー。 中型免許、大型二輪免許、小型船舶2級・特殊免許を持つ乗り物好き。ハーレーでアメリカのルート66を全走破し、ロシアンラリー二輪部門出場やチベットチョモランマツーリングなど芸能界きってのバイク好き。
堺正章氏の付き人時代には、ベントレー8やターボ、マセラティ・クアトロ・ポルテ、グランド・ワゴニアなどを仕事で運転していた経歴もある。芸名はクルマ・バイク好きとして知られていた故・伊丹十三監督に、映画「スーパーの女」に出演した時に命名された。
環境番組のパーソナリティを担当して以来、電動モビリティや、環境に配慮した次世代技術に興味津々。俳優・MC・リポーターのほかWebメディアSPANGSSの運営や、制作・芸能プロダクションSPANCHOOSの代表も務める。
















