高速道路の「真ん中の車線」走り続けると違反になる? “道路交通法”が定める意外なルールと「正しい使い方」とは
高速道路には、片側に3つの車線がある広い区間も存在します。ここでの「真ん中の車線」は、どのように使うのが正しいのでしょうか。
高速道路の「真ん中の車線」走り続けると違反になる?
休日のドライブや帰省などで高速道路を利用する際、3つの車線がある広い区間を走行することがあります。
一番左の車線には大型トラックが連なり、一番右の車線は追い越しをするクルマが勢いよく走り抜けていく――。
そんな状況で、「とりあえず一番安全そうな真ん中の車線を走っておこう」と考えた経験のあるドライバーは少なくないはずです。
では、この高速道路の「真ん中の車線」は、法律上どのような位置づけになっており、本来はどのように使うのが正しいのでしょうか。
道路交通法において、高速道路の車線には明確なルールが定められています。
一番左の車線を「第1通行帯」、真ん中を「第2通行帯」、そして一番右を「第3通行帯」と呼びます。
最も右側の第3通行帯は、あくまで「追い越し」を行うための一時的な車線であり、追い越し完了後も走り続けると「通行帯違反」として取り締まりの対象になることは広く知られています。
では、残る第1通行帯と第2通行帯はどのように使い分けるべきなのでしょうか。

実は道路交通法(第20条第1項)には、「車両通行帯が3以上あるときは、最も右側の通行帯を除き、その速度に応じ、その最も左側の通行帯以外の通行帯を通行することができる」と規定されています。
つまり、一番右の車線を追い越し用に空けておけば、走行車線である左側の車線と真ん中の車線は、自車の速度に合わせて使い分けてよいとされているのです。
分かりやすく言えば、一番左の車線は速度が控えめなクルマ向け、真ん中の車線はそれよりも少し速いペースで巡航するクルマ向けといった使い分けになります。
そのため、「一番右の追い越し車線を走り続けるのは違反だが、真ん中の車線を走り続けることは直ちに通行帯違反となるわけではない」というのが法的な解釈です。
とはいえ、日本の交通ルールの基本は常に「キープレフト(左側通行)」です。
たとえば、後方から自分よりも速いクルマが真ん中の車線に近づいてきた場合、速やかに一番左の車線へ進路を譲るのがマナーであり、スムーズな交通の流れを保つポイントとなります。
もし真ん中の車線をマイペースに塞いでしまうと、後続車が危険な「左側からの追い越し」を余儀なくされる可能性もあり、事故の誘発につながりかねません。
一方で、真ん中の車線を積極的に活用したほうが良い場面も存在します。
それは、インターチェンジ(IC)やサービスエリア(SA)からの合流が連続する区間や、都市部のジャンクション(JCT)付近などです。
一番左の車線を走っていると本線へ合流してくる車両と交錯しやすく、不要なブレーキを踏む回数が増えてしまいます。
そうした区間ではあらかじめ真ん中の車線へ移動しておくことで、合流車にスムーズに道を譲ることができ、お互いに安全な走行が可能となります。
※ ※ ※
高速道路における真ん中の車線は、いわば「ゆとりを持って走るための調整スペース」です。
基本は一番左の車線を走行しつつ、道路状況に応じて真ん中の車線を使い分け、追い越しや合流区間を過ぎたら再び左側に戻る。
このメリハリのある運転こそが、高速道路を最も安全かつ快適に走り抜けるためのスマートなマナーと言えます。
Writer: くるまのニュース編集部
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