「リッター約50km」走れるトヨタ車! めちゃ低燃費な「“4人乗り”コンパクトカー」がスゴすぎッ! 全長4mの「使えるハイブリッドカー」スイス公開の“FT-Bh”に大注目!
トヨタが「ジュネーブ国際モーターショー2012」に発表して話題を呼んだハイブリッドカー「FT-Bh」とは一体どのようなクルマだったのか、その意義とともに振り返ります。
「リッター約50km」走る“トヨタ車”がスゴすぎッ!
2025年10月末から開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」では、未来のモビリティに対する様々な提案が注目を集めましたが、同時に、過去のモーターショーで発表された先見的なコンセプトカーの魅力も、改めて評価されています。
本記事では、トヨタが2012年の「ジュネーブ国際モーターショー」で披露し、その圧倒的な環境性能で自動車史に一石を投じたコンセプトカー「FT-Bh」の意義を振り返ります。

FT-Bhは、来るべき未来のハイブリッドカーを提案するモデルであり、「低燃費」というハイブリッド車の本質的な価値を極限まで追求した存在です。
その燃費性能はもはや驚異的といえるもので、1リッターあたり47.6kmという数値を誇り(欧州NEDC測定方法)、現代のトヨタの量産ハイブリッド車と比較しても突出した値でした。
トヨタは、このFT-Bhの開発において、ハイブリッドカーの普及が進むと予想された「2010年代後半」を想定し、高水準の環境性能と燃費性能を徹底的に追い求めたのです。
そしてこの超低燃費は、「軽量化」「走行抵抗の低減」「パワートレインの効率向上」「熱マネージメント」「節電」という、多岐にわたる5つのアプローチによって実現されたものでした。
まず、車体の軽量化は極めて重要視され、高張力鋼板や新開発の高発泡材料を採用することで、車両重量をわずか786kgに抑えられました。
さらにこの高発泡材料は、車内の温度調節に必要なエネルギーを減らす効果も持ち、熱マネージメントの改善にも貢献しています。
パワートレインには、当時新開発された1リッター2気筒エンジンと、トヨタが得意とするハイブリッドシステムの組み合わせ。
エンジンはトルクに優れたロングストローク型とされ、優れた加速力と燃費効率の良い走りを両立しました。
また、エクステリアデザインも燃費性能に直結する要素として練り込まれています。
ボディサイズは全長3985mm×全幅1695mm×全高1400mmと、実用的なコンパクトサイズでありながら、丸みを帯びたフォルムが良好な空力性能を達成。
同時に、大径で細幅のタイヤを装備することで、路面および空気抵抗の低減も図られています。
外観は、フェンダーと一体化した縦型ランプや大型のアンダーグリルといったユニークな構成となっており、その未来的な意匠は、2025年現在の基準で見ても古さを感じさせません。
このようなFT-Bhは、当時市販化も噂されましたが、残念ながら実現には至りませんでした。
しかし、同車の開発で培われた、軽量化やエネルギー効率化に関する知見と技術は、その後に登場した数多くのトヨタの量産ハイブリッド車に深く活かされています。
現在、物価やガソリン価格の高騰により、クルマの維持費に対する関心が高まる中、FT-Bhが示したような圧倒的な低燃費性能を誇るモデルが再び登場するのか、今後のトヨタの電動化戦略に、自動車ファンからの新たな期待が寄せられています。
Writer: くるまのニュース編集部
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