「軽自動車に白ナンバーをつけたいのですが…」そんなこと可能なの? “普通車のように見える軽自動車”のカラクリ

自家用軽自動車は、通常“黄色”のナンバープレートを付けています。しかし、近年は“白い”ナンバープレートの軽自動車を見かけることもあります。なぜ、軽自動車なのにナンバープレートが白いのでしょうか。

軽自動車に白ナンバーをつけられる“制度”とは?

 街中を走行していて、「あれって軽自動車だよね? なんでナンバープレートが白なの?」と思ったことはないでしょうか。

 見た目は軽自動車。しかし、ナンバープレートは黄色ではなく白。「なぜ?」と思うかもしれませんが、実はよく見ると、真っ白ではなく図柄が入っています。

 軽自動車のナンバープレートは、基本的に黄色です。しかし、近年は普通車のような白基調のナンバープレートを、軽自動車に付けられる制度があります。

 一体どのような制度なのでしょうか。

軽自動車に「白ナンバー」ってつけられるの?(画像はイメージ)
軽自動車に「白ナンバー」ってつけられるの?(画像はイメージ)

 まずは、ナンバープレートの基本的な種類を確認しておきましょう。

 普通車の場合、自家用は白地に緑文字、事業用の場合は緑地に白文字です。軽自動車の場合は、自家用は黄色地に黒文字、事業用は黒地に黄色文字となっています。

 しかし、2017年からは新しい「図柄入りナンバープレート」というものが交付されています。これが、軽自動車の白いナンバープレートの正体です。

 図柄入りナンバープレートについて詳しく見ていきましょう。

 図柄入りナンバープレートは「ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート」から始まり、2020年開催予定(当初)の東京オリンピックでは、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」が交付されました。

 なお現在は、以下の「図柄入りナンバープレート」が期間限定で交付申込み受付中です。

・GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)特別仕様ナンバープレート
・大阪・関西万博ナンバープレート
・全国版図柄入りナンバープレート-令和4年度版-

「GREEN×EXPO 2027特別仕様ナンバープレート」は2025年6月9日から申し込みを受け付けており、2025年7月14日から2027年11月30日までの期間のみ交付してもらうことが可能です。

 大阪・関西万博公式キャラクターのミャクミャクが描かれている「大阪・関西万博ナンバープレート」は、2022年9月26日から申込受付開始。2022年10月24日から2025年12月26日までの期間のみ交付されることになっています。

 47都道府県の花をモチーフとした図柄が描かれている「全国版図柄入りナンバープレート-令和4年度版-」は、2022年4月18日から2027年4月30日まで交付してもらえます。

 上記3種類のナンバープレートは、全国共通デザインのため、47都道府県どこで申し込みをしてもデザインは変わりません。

 一方、図柄入りナンバープレートには、「地方版図柄入りナンバープレート」というものが存在します。地域ごとの風景や観光資源をデザインに落とし込み、地域の魅力を全国に発信することを目的としたナンバープレートです。

 2018年10月1日から第1弾が交付されており、2025年5月7日からは第4弾の交付が開始されています。

 秋田ナンバーは秋田犬、成田ナンバーは飛行機、長岡ナンバーは長岡花火をイメージしたデザインといったように、地域の魅力や特徴が描かれています。

 現在は73種類の地方版図柄入りナンバープレートが交付されており、今後さらに増えていくかもしれません。

 なお、図柄入りナンバープレートはフルカラー版とモノトーン版があります。

 フルカラー版は、交付手数料に加えて1000円以上の寄付をすると選択可能。1000円以上の寄付をしない場合は、モノトーン版になります。

現在交付受付中のものは黄色い枠アリに

 図柄入りナンバープレートは、普通車と軽自動車どちらも同じデザインです。とはいえ、現在交付されている図柄入りナンバープレートの場合、軽自動車は黄色の枠が付いているため、軽自動車だと判別することは難しくありません。

 しかし、図柄入りナンバープレートの交付が始まった当初の「ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート」と「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」は、普通車と軽自動車どちらも白枠でした。

 特に、寄付なしの場合は右上にエンブレムがデザインされているだけなので、パッと見では普通の白ナンバーに見えます。

 国土交通省によると、当時の申込み件数は、「ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート」が約29万2000件(寄付あり約7万7000件)、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」が約289万4000件(寄付あり約28万1000件)です。

 合計すると、300万件を超える多数の申し込みがあったため、街中で見かける「白ナンバーの軽自動車」は、上記に該当するものだと考えられます。

 このように、図柄入りナンバープレートの交付当初は、「軽自動車を普通車のような見た目にできる」などと、一部の軽自動車ユーザーの間で話題になっていました。

 しかし、「ひき逃げや当て逃げがあった場合、軽自動車は黄色のナンバーの方が警察や目撃者も分かりやすい」などといった指摘があったため、現在交付されている図柄入りナンバープレートでは、黄色い枠を施したという経緯があります。

 とはいえ、黄色い枠は市販のナンバープレートフレームを装着することで、大部分を隠すことが可能です。黄色い部分が完全に隠れるわけではないので、よく見れば判別はできますが、もしかすると今後は視認性向上のため、改善される可能性もありそうです。

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Writer: マツ

2022年からフリーのWEBライターとして活動開始。上場企業からの依頼で、SEO記事を中心にVOD・通信系(WiFi・光回線など)などのジャンルを執筆して経験を積む。現在も企業が運営する複数のメディアで記事を執筆。読者に役立つ内容を、わかりやすく執筆することを心掛けている。

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